RallyFunJapan > WRC > WRC 2023 > 7_Safari2023 > WRC Safari Rally Kenya 2023 DAY 3

WRC Safari Rally Kenya 2023 DAY 3

サファリ・ラリー・ケニアの最終日デイ4は、ナイバシャ湖近くのサービスパークを中心に、「マレワ」「オセリアン」「ヘルズゲート」という3本のグラベル(未舗装路)ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離74.38kmでした。ナイバシャ湖の周辺は全体的に雲が広がりながらも時々青空も見え、競技中に降雨はありませんでした。

前日首位を堅守したオジエは、デイ4オープニングのSS14で2番手タイムをマーク。総合2位のロバンペラが8.1秒差でベストタイムを記録した結果、ふたりの差は8.6秒に縮まりました。しかし続くSS15ではオジエが、2番手タイムのロバンペラに8.6秒差をつけるベストタイムを記録。差は17.2秒に拡がりました。ただし、このステージでオジエはリヤウイングとバックドア(リヤゲート)を失い、続くSS16もその状態で走行することに。オジエは3番手タイムだったロバンペラから3.6秒遅れの5番手タイムとなり、その結果、順位は変わらずも二人の差は13.6秒に縮まりました。

ミッドデイサービスを挟んで始まった午後の再走ステージでは、1本目のSS17でロバンペラがベストタイムを、オジエが0.6秒差の2番手タイムを記録。SS18では勝田が今大会2回目となるベストタイムを記録し、ロバンペラは3番手タイム、オジエは6番手タイムでした。その結果、最終のパワーステージを前に首位オジエと総合2位ロバンペラの差は9.2秒にまで縮まり、優勝争いはボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージへ。全長10.53kmのパワーステージ「ヘルズゲート2」をロバンペラは3番手タイムで、オジエは4番手タイムで走行。オジエが6.7秒差でロバンペラの猛追を抑え切り、2021年大会以来2回目となるサファリ・ラリー優勝、そして今シーズン3勝目を飾りました。なお、サファリ・ラリーにおいて6.7秒差は史上最小のタイム差となります。

一方、エバンスと勝田による総合3位争いは、勝田がSS14で3番手タイムを刻み差を11.4秒差に。勝田はさらにSS17でも3番手タイムを記録し、SS18ではベストタイムをマーク。しかし、エバンスも安定した走りを続けた結果、順位は変わらず。エバンスが25.3秒差で勝田を抑えて3位表彰台を獲得し、勝田は総合4位でフィニッシュしました。

ウィリアム・ルト大統領は、ヘルズ・ゲートの素晴らしい景色の中、オジェとコ・ドライバーのヴァンサン・ランデにトロフィーを授与。

ダニ・ソルドはSS16でのパワーステアリングのトラブルを乗り越え、5位でテストウイークを終えた。

序盤から表彰台を狙っていたエサペッカ・ラッピはi20 Nのトランスミッション・トラブルに悩まされ、また金曜日のサスペンション・トラブルから復帰したティエリー・ヌービルも8位に留まりましたが、ヌービルの関係者がレッキ以外のタイミングでパワーステージを試走していた事が判明し、ラリー後に失格となりました。

Mスポーツ・フォード・プーマのオット・タナックとピエール=ルイ・ルベは、ラリー序盤のタイヤトラブルによりアタックを試みることができなかった。それぞれ6位と7位でフィニッシュした。

8位のカジェタン・カジェタノヴィッチは、シュコダ・ファビアRally2 EvoでケニアWRC2勝目を飾った。オリバー・ソルベルグはサポートカテゴリーでのポイント獲得にノミネートされていなかったが、総合9位でフィニッシュ。

WRC次戦は、7月20日(木)から23日(日)にかけて、エストニアで行われる第8戦「ラリー・エストニア」です。2020年のWRC初開催から4年目を迎えるこのグラベル・ラリーのステージは、全体的にハイスピードですが、道幅が狭くツイスティなセクションも多くあります。また、同じようなステージの特徴を持つラリー・フィンランドと比べると路面が軟らかいため、同じステージを2回目に走行する際には深い轍(わだち)が刻まれることもあります。


Sébastien Ogier 

とてつもなく大変なラリーで、とてつもない戦いでした。自分としてはそれを楽しむことができましたが、もう少しアクシデントが少なければ、もっと楽な戦いになったはずです。ペースは非常に良かったですし、クルマはとてもドライブしやすく、フィーリングも良かったのですが、今日はバックドアを失ったり、フェシュフェシュの砂地で少しオーバーヒートしたりと、あちこちで小さなアクシデントに見舞われました。それでも、いい結果を持ち帰ることができて嬉しいです。チームの全員が獲得するに相応しい勝利と結果だと思いますので、みんなで喜びを分かち合いたいと思います。

Kalle Rovanperä

セブとのバトルは終盤かなり激しく、このように僅かな差で優勝を逃すと、ドライバーとしてはやはり最高の気分にはなれません。それでも、最終的にはチャンピオンシップのために多くのポイントを獲得することができました。終末を通して自分の計画通りに戦いを進め、いいペースで走ることができましたが、大きなリスクは冒しませんでした。だから、このような結果でラリーを走り切れたことはとても嬉しいです。最終日はクルマにとって本当にタフでした。特に、最後から2番目のステージは深い砂と轍(わだち)が多くありましたが、自分たちのクルマは強く、それを乗り越えて、チームがケニアで再び1-2-3-4フィニッシュを達成できたことは素晴らしいと思います。

Elfyn Evans

今回は多くのチャレンジがあったので、4台がトップ4に入ったことをチームは誇りに思うべきです。この結果はGR YARIS Rally1 HYBRIDの速さと強さを示すものであり、そのドライバーであること、そしてチームの一員であることを誇りに思います。もちろん、個人的には総合3位という順位に心から満足することはできませんが、チームの結果としては満足していますし、3位表彰台を獲得したことによって、それなりの選手権ポイントを得ることはできました。

Jari-Matti Latvala

チームとドライバー達が達成したこの結果をとても誇りに思います。最近は競争が激しくなっているので、今年ケニアに来た時は、再び1-2-3-4フィニッシュを達成できるとは思っていませんでした。それでも、二年連続でこのような結果を残せたのは偶然ではないと思います。このイベントのためにチームが準備を正しく進めてきたこと、選手達が素晴らしい仕事をしたことなど、全ての要素が揃ったからこそ、良い結果を得られたのです。このラリーでは、まず信頼性が高く、道からの厳しい罰に耐えられるクルマが必要で、その上でパフォーマンスを追求することになります。我々のチームが信じるこの哲学は間違いなく正しいアプローチであり、それが結果に表れています。今年は我々のドライバー間の競争も熾烈で、タイムが接近した時は緊張感が高まっていたとも思いますが、それはごく普通のことですし、我々は勝利への情熱を持ったドライバーを求めています。全員が同時に優勝することはできませんが、このリザルトがどれほど大きな成果であるかは、彼ら全員が理解しているはずです。


以下のリザルトはヌービルの失格を反映した内容になっています。

Final Overall Classification –Safari Rally Kenya

1S. OgierV. LandaisToyota GR Yaris Rally1 Hybrid3:30:42.5
2K. RovanperäJ. HalttunenToyota GR Yaris Rally1+6.7
3E. EvansS. MartinToyota GR Yaris Rally1+2:58.5
4T. KatsutaA. JohnstonToyota GR Yaris Rally1+3:23.8
5D. SordoC. CarreraHyundai i20 N Rally1 Hybrid+5:05.4
6O. TänakM. JärveojaFord Puma Rally1 Hybrid+9:14.4
7P. L. LoubetN. GilsoulFord Puma Rally1 Hybrid+16:15.7
8K. KajetanowiczM. SzczepaniakŠkoda Fabia Evo+ 26:33.4
9O. SolbergE. EdmondsonŠkoda Fabia Evo+ 27:04.0

2023 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings

After round 7

1Toyota Gazoo Racing World Rally Team283
2Hyundai Shell Mobis World Rally Team237
3M-Sport Ford World Rally Team175

2023 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings 

After round 7

1K. Rovanperä140
2E. Evans99
3O. Tänak98
4S. Ogier98
5T. Neuville93
6E. Lappi69
7D. Sordo46
8T. Katsuta35
9P.L Loubet20