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WRC Central European Rally2023 Day2

欧州三カ国を巡るセントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ2は、ドイツとオーストリアが戦いの舞台に。3本のステージを、ドイツのパッサウでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行する、6本合計109.50kmのステージが行なわれました。

午前中は一時的に小雨が降り、Rally1の全ドライバーがウエットタイヤを中心にタイヤを選択。路面は非常に滑りやすく、特に出走順が後方のドライバーたちは、路肩から掻き出された泥によって安定したグリップを得にくい状況での走行となりました。

午後の再走ステージが始まると、路面は全体的に乾いていきましたが、それでも所々湿っていたり、大量の泥が広がっていたりと路面は依然トリッキーな状態でした。特に、日没後の開始となったデイ3最終のSS14は、非常に滑りやすい路面コンディションとなりました。


木曜日にチェコ共和国で行われた危険なテストを制し、ラリーで圧倒的なリードを築いた23歳のロバンペラは、2022年のWRCドライバーズ王座を防衛するためにすでに十分すぎるほどの力を発揮しています。

カッレ・ロバンペラのFIA世界ラリー選手権の連覇まで、あとステージ4つになりました。

SS11では、SS9でベストタイムを刻み総合3位につけていたエバンスが、コースオフを喫しデイリタイアに。ドライバーズタイトル争いにおいて唯一のライバルだったエバンスが午前中にクラッシュして戦列を離れたことで、流れは完全に変わり、ロバンペラはリスクを減らすため意図的にペースダウン。SS11で8番手タイムとし、首位から総合2位に順位を下げました。

エバンスはこの最終戦で少なくとも1ポイントでも上回る事が戦いを継続するための条件でしたが、滑りやすい右カーブでコースオフ。ウェールズ出身のエヴァンスは、ウルフ・パワーステージでボーナスポイントを獲得するため、日曜日に再スタートを切ります。

このラリーでの優勝の可能性を捨て、チャンピオンシップの展望に集中するため、ロバンペラはスピードを抑えました。

その結果、ラリー史上初のセントラル・ヨーロピアン・ラリー優勝を狙うヌービルはロバンペラを抜きヒュンダイi20 Nで26.2秒のリードを築きました。

Kalle Rovanperä

大きなチャレンジの一日でした。午前中2本目のステージではヒヤッとする瞬間がありました。ブレーキングの際、想像以上に路面が滑りやすくなっていて驚きましたが、幸運にも少し逃げ場があったので助かり、コースに戻ることができました。本当に残念なことですが、ステージをスタートする直前にエルフィンがコースオフしたことを知り、計画を変更しました。ラリーを最後まで走りきり、数ポイント獲得するだけで良くなったからです。このような非常に難しいコンディションでは、とにかくリスクを減らして安全に走ることが大切なので、いくつかのステージでペースを落としました。そのように走るのは正直楽しくなかったですが、最後のステージはフィーリングが良くなったので、明日に繋がると思います。とはいえ、何よりも重要なのは最後までしっかりと走り抜くことです。

Elfyn Evans

今朝も非常に難しいコンディションでしたが、いい走りができていたと思います。残念ながら、午前中のループの最後のステージで、非常に滑りやすい右コーナーで足をとられてしまいました。コーナーに向けて減速はとても上手くいったのですが、ターンインしようとしたところ路面のグリップが予想以上に低く、イン側の前輪をロックさせてしまいました。その結果コーナリングラインがワイドに膨らみ、道幅がとても狭く行き場がなくなってしまったのです。競技を続けるには少しダメージが大きいと思いましたが、チームがクルマを修理してくれたので、明日はまた走れると思います。チームにとっても、自分たちにとっても残念な結果になってしまいました。

Thierry Neuville

昨日に続いてトリッキーな一日だった。しかし、カッレとエルフィンのふたりはミスを犯し、我々は終日安定した走りを見せた。その結果、日中のサービスまでにリードを広げ、今日の夕方にはさらに大きな差をつけることができた。何が起こるかわからないから、このギャップが快適だとは言えないが、明日は何とかなるだろう。ここ数日よりも少し楽になることを期待している。


オット・タナックは、フォード・プーマを総合3位でフィニッシュさせ、トップメーカー3台が表彰台に上ることを確実に。SS14ではハンドブレーキが機能せず、ロバンペラに1分以上の差をつけられてしまいました。

5位争いはトヨタの勝田貴元とヒュンダイのテーム・スニネンの間で繰り広げられています。勝田は午前中、アスファルトの路面で自信を持てずにいたが、午後にペースを上げてスニネンを10.9秒差で5位に。

プーマの注目株、グレゴワール・ミュンスターはピエール=ルイ・ルベを抑えて総合7位。ヒュンダイi20 N Rally2でWRC2カテゴリーをリードするアドリアン・フルモーとエミール・リンドホルムがリーダーボードを完成させました。


日本から参加の福永修選手はメカニカルトラブルでリタイヤとなっています。最終日の日曜は再出走する模様です。


競技最終日となる10月29日(日)は、パッサウのサービスパークを起点にオーストリアで1本、ドイツで1本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。そのうち、SS16の再走となるSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は67.24km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は278.24kmとなります。

1 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) 2h18m34.5s
2 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +26.2s
3 Ott Tänak/Martin Järveoja (Ford Puma Rally1 HYBRID) +1m49.1s
4 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m20.2s
5 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m47.9s
6 Teemu Suninen/Mikko Markkula (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +2m58.8s
7 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1 HYBRID) +3m52.2s
8 Pierre-Louis Loubet/Benjamin Veillas (Ford Puma Rally1 HYBRID) +9m05.8s
9 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Ford Fiesta Rally2) +9m12.3s
10 Emil Lindholm/Reeta Hämäläinen (Hyundai i20 Rally2) +9m18.8s