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Three young Japanese stars make their WRC debuts in Sweden

昨年の1月にフィンランドで本プログラム2期生の選考会が開催され、2月にプログラムへの選出が決まってから約1年後、3選手はWRCデビューという節目を迎えました。また今回は、プログラムの1期生で彼らの先輩である勝田貴元がTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのワークスドライバーに昇格して初めて参加する大会でもありました。大竹、小暮、山本も、勝田に続き、将来トップカテゴリーでの参戦を目指していますが、今回は勝田とは全く異なる目的を持って参戦しました。 

3選手は、これまでの参戦時にも使用しているルノークリオのRally4車両で参戦。これまでと違うのは、2駆車両の同クラスにはあと1台のみの参加で、3選手は上位クラスの51台の車両の後で走ることになりました。彼らが慣れてきた国内選手権レベルから大幅なステップアップとなり、初めてのWRC参戦における今回の主な目的は、4日間の長丁場で、18のステージに渡り301.18kmという長い競技区間(スペシャルステージ:SS)を走るイベントに、まずは適応することでした。雪と氷に覆われたスノーラリーも、彼らにとっては先月のラップランド・ラリーに続いてまだ2回目の挑戦で、多くのステージを暗闇の中で走るというチャレンジに挑みました。 

各選手のステージタイムは、特に序盤のステージでは、大竹と山本のタイムは非常に近く、金曜日デイ2の最終ステージ終了時点で、わずか1.3秒の差で大竹・サルミネン組がリードしクラストップに立っていました。その後、山本・テイスコネン組のタイムコントロールへのレイトチェックインにより10秒のペナルティが加算され、2組の差は、デイ2終了時点で11.3秒となりました。 

土曜日のデイ3、山本・テイスコネン組が挽回し、午後のSS12で大竹・サルミネン組をわずかにリードしトップに立ちましたが、SS13で電気系のトラブルが発生し、2つのステージを残してデイリタイアとなりました。それによって後続と十分な差ができた大竹・サルミネン組は、この後も大きなミスやトラブルなく全ステージを走り切り、前回のアークティック・ラップランド・ラリーの2位に続き、クラストップでラリーを終えました。 

小暮は、金曜日のSS5の途中でタイヤ交換を行ったことでタイムを失い、難しい出だしとなりましたが、土曜日以降はよいペースと自信を持ってラリーを走り切りました。最終日のSS17で雪壁にスタックしてしまい、約15分のタイムを失うことになりましたが、週末を通してしっかりと成長を示しました。 

小暮ひかる 

前回のラリーの後、たくさんのレッキトレーニングとフィジカルトレーニングに加え、オンボード映像を見て自分のドライビング分析し、準備をしてきました。今回のラリーではタイムとパフォーマンスの両面で改善ができたと思います。金曜日、他の選手に比べてタイムは失ってしまいましたが、土曜日は徐々にフィーリングが良くなり、タイム差が縮まりました。様々なコンディションの中で、長い距離を走ったことはとてもよい経験になり、とても楽しいイベントでした。

大竹直生 

新しいことがたくさんで、学ぶことばかりのとてもエキサイティングな週末でした。路面状況はかなり荒れていて、とても狭いと同時に高速のセクションがあったり、新しい経験でした。山本選手との接戦は楽しかったです。勝ちたいと思ってプッシュしていましたが、良いリズムとフィーリングを掴むことができました。山本選手がデイリタイアになってしまった後は、自分自身がきちんと走り切ることがポイントになり、ミスをしないようにと思ったら、逆に難しく感じてしまいました。 

山本雄紀 

初めてのWRCは、素晴らしい経験でした。今回もテクニカルトラブルでストップしてしまったのは残念でしたが、それでもなお、多くの距離を走れましたし、多くの車両が走った後の荒れた路面を走るという経験ができたのもよかったです。雪が柔らかくなっている2ループ目は、私たちの2駆車両にとってはかなり難しかったのですが、それでもラインに残って良いペースを保たなければならないという状況もとてもよい経験になりました。週末を通して良いペースで走れましたし、改善点をたくさん見つけた前回のラリーからとても成長できたと思います。 

ミッコ・ヒルボネン (チーフインストラクター) 

初めてのWRCとしては良い週末でした。難しいコンディションかつ距離の長いラリーのほぼ最後尾を走るという状況で、彼らは柔らかくなった雪がサイドにたくさんある、深い轍の上を走ることになりました。彼らのクラスは参加台数が少なく、競争はあまりありませんでしたが、皆うまくやったと思います。改善点はまだたくさんありますが、彼らが集中力を保ち、うまく対応したことは良い意味の驚きでした。大竹と山本は常にタイムが近く、良いバトルを繰り広げました。後続と差がつき、このまま結果を維持してフィニッシュしたいという状況になって、大竹は少しプレッシャーを感じていたのではと思いましたが、とてもうまく対応し、ミスなく走り切りました。山本には今回もまたトラブルが発生してしまい、とても申し訳ないです。戦線離脱を余儀なくされ、本当に不運でした。小暮は週末を通して大きく成長しました。前回のラリーでは雪上でスピードに乗るのに少し苦戦していましたが、その後非常に努力していました。金曜日が終わった後、勇気を出してもう少しプッシュすることで、ドライビングが流れに乗りやすくなるとアドバイスし、彼は土曜日にそれをきちんと実践し、とてもうまく改善することができました。