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ラリー・イタリア・サルディニアで挽回を狙うヌービル

ティエリー・ヌービルは、ラリー・イタリア・サルディニア(6月1日〜4日)でFIA世界ラリー選手権のタイトル獲得に向け、ヒュンダイモータースポーツチームの今シーズン初勝利を目指します。

ヌービルは、過去2回のラリーで不本意な結果となり、現在ランキング5位に位置しています。ラリー・イタリア・サルデーニャは、これまで2度優勝している大会であるため、逆転のチャンスと考えています。

チームメイトのダニ・ソルドが2019年と2020年に、そして元ヒュンダイのオット・タナクが2022年に優勝しており、韓国メーカーが過去5回のサルデーニャ大会で4勝を挙げていることになります。ヌービルは、前戦からi20 Nのセットアップに新たなアプローチを取り入れています。

ソルド、ラッピと3台で参戦するヌービルは、「ポルトガルは、僕たちにとってタフなイベントだった」と語る。「トラクションとカーバランスに悩まされた理由のひとつだと思う。

「チームメイトと同じようなセッティングに変更することは、パフォーマンスの向上を目指す上で有益なはずで、これをテストするのが楽しみです。」

金曜日の開幕戦のスタート順は5番手。ドライコンディションでは、スタート順の早いドライバーが、路面の砂利を掃き集めてラインをきれいにし、後続のグリップを高めるため、大きなアドバンテージを得ることができます。

トヨタ・ガズー・レーシングは、世界チャンピオンのカレ・ロバンペラ選手とチームのパートタイマーであるセバスチャン・オジェ選手のGRヤリスでランキング1位と3位につけているため、このスタート順の課題は最大のものとなっています。しかしながら、オジェが優勝すれば、このイベントの名誉を5つ獲得することになります。

チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、「私たちがどのようなパフォーマンスを見せるか楽しみです」と語った。「しかし、セバスチャンとエルフィン(エバンス)がより良いポジションにいるので、彼らが勝利に挑戦する機会があることを期待しています」。

エルフィン・エヴァンスは、トヨタの3号車をドライブします。彼とチームメイトの勝田貴元は、今週はマニュファクチャラーズ選手権ポイントを獲得できませんが、ポルトガルでのリタイアから立ち直る必要があります。

M-Sportフォード・プーマを駆るオット・タナックは、走行距離を重ねるごとに自信を深めており、グラベルラリーでの初勝利に意欲を燃やしています。昨年優勝し、現在ポイント2位のタナックは、若いフランス人選手ピエール=ルイ・ルベとチームを組みます。

地中海のリゾートアイランドであるサルディニア島のグラベルステージは、WRCの中でも特に過酷なことで知られています。全体的にかなり高速ですが、道幅が狭い道も多く、木々や大きな岩がステージのすぐ近くに迫るため、僅かなミスも許されません。また、路面は多くの部分が砂状のグラベルに覆われているため、出走順が早いドライバーたちにとっては非常に不利なコンディションでの走行となります。しかし、ステージの2回目の走行ではグラベルが掃けて、下から硬く、表面がザラザラとしている岩盤が露出。気温が30度を越えることも多いため、クルマとタイヤに大きなストレスがかかります。

今年のラリー・イタリア サルディニアは、サービスパークが前大会のアルゲーロから、島北東部のオルビアに移動。競技初日となる1日(木)のデイ1は、オルビアの市街地でグラベルとターマック(舗装路)の両路面を走行する「ミックスサーフェス」のスーパーSSが1本行われます。本格的な戦いは、翌日2日(金)のデイ2から始まり、ビッグジャンプで有名なモンテ・レルノのステージを含む3本のステージを各2回走行。モンテ・レルノは今回、例年の2倍以上となる49.9kmの超ロングステージとして行われ、今シーズンここまでの最長ステージとなります。3日(土)のデイ3は、4本のステージを各2回走行し、その合計距離は135.46kmと、デイ2の138.04kmに匹敵する長さです。 最終日となる4日(日)のデイ4は2021年大会と同じ設定となり、2本のステージを各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「サルディニア2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全19本で合計距離は322.75km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1170.06kmが予定されています。