TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下、TGR-WRT)は、2025年シーズンのFIA世界ラリー選手権(WRC)の参戦体制を発表しました。
Team name | TOYOTA GAZOO Racing WRT (World Rally Team) |
Chairman | Akio Toyoda |
Team Principal | Jari-Matti Latvala (Finland) |
Temporary Team Principal | Juha Kankkunen (Finland) |
チーム代表は、引き続きヤリ-マティ・ラトバラが務めます。この4シーズン、ラトバラはチーム代表として数々の勝利やチャンピオンタイトル獲得のリードをするだけでなく、クルーが信頼を置く理解者としても活躍し、パヤリのような新しい才能の発掘と育成にも貢献してきました。
TGRが掲げるドライバーファーストのアプローチの一環と、彼のドライビングへの情熱を燃やし続ける機会として、2023年はRally1車両でのラリーフィンランドへ、2024年はGRヤリスRally2でラリーフィンランドに参戦して来ましたが、2025年はトヨタ車の中で最も成功を収めたクルマの一つであるトヨタ・セリカST185でFIAヨーロッパ・ヒストリックラリー選手権に参戦します。参戦に使用する車両にはTGRのカラーリングが施されます。コドラはJanni Hussiが務めるようです。
ラトバラが不在になるイベントでは、4度の世界チャンピオンであり最後のタイトルをセリカST185で獲得したユハ・カンクネンが代表代行の役割を担います。
Jari-Matti Latvala (Team Principal)
2024年シーズンはチームにとって新しいチャレンジの年でしたが、私たちはハイレベルなパフォーマンスを維持し、最終戦の最終日まで戦い続け、マニュファクチャラーズタイトルを無事守ることができました。そして2025年、ここ数年一緒に戦ってきた強いドライバーたちと再びチームを組めることをとてもうれしく思っています。来年はカッレもフル参戦に戻り、ラインナップをさらに強化してくれます。また、若手育成の一環として、サミ・パヤリをメンバーに迎え入れることができるのも素晴らしいことです。サミは今年著しい成長を遂げ、私たちは彼がトップカテゴリーにステップアップする準備ができていると自信を持っています。個人的には、チーム代表の役割と、伝説のトヨタ・セリカでのドライブへの情熱を同時に遂行する機会を与えていただきとても興奮しています。そして、ユハ・カンクネンがチーム代表代行として、私やチームをWRCイベントでサポートしてくれることを非常にうれしく思っています。彼はチームをよく知っていますし、豊富な経験を共有してくれます。
Juha Kankkunen
この役割を担うことができ、大変うれしく思っています。現役時代、様々なチームで走りましたが、トヨタとは合計で9年間一緒に戦いました。トヨタはWRCでのチャンスを与えてくれた最初のメーカーであり、おそらく世界の中でも最高のチームだと思っています。素晴らしいメンバーがいて、ヨーロッパと日本の協力体制も素晴らしいです。このチームスピリットとチームワークは非常に重要で、皆が共に努力をしています。私は豊田会長とも良好な関係を築いており、ここ数年、イベントでのデモランなどで一緒にドライブをしてきました。もちろんヤリ-マティとも良い関係です。彼はとても話しやすく素晴らしい人です。彼らとより密に協力し、チームをサポートできることをとてもうれしく思っています。
Driver | Co-driver | Entry |
---|---|---|
Elfyn Evans (UK) | Scott Martin (UK) | Full |
Sébastien Ogier (France) | Vincent Landais (France) | Select |
Kalle Rovanperä (Finland) | Jonne Halttunen (Finland) | Full |
Takamoto Katsuta (Japan) | Aaron Johnston (Ireland) | Full |
Sami Pajari (Finland) | TBC | Full |
各イベントには4台または5台のGR YARIS Rally1が参加する予定で、2024年よりドライバーラインナップと車両を拡大します。
チームにはフィンランド出身の若手ドライバー、サミ・パヤリが新しく加入します。2度の世界チャンピオンを獲得したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は、フル参戦に戻ります。最終戦ラリージャパンで優勝したエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組は6年連続で、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組も同様に来年も挑戦を続けます。8度の世界チャンピオンであるセバスチャン・オジエとコ・ドライバーのヴァンサン・ランデは来年も今シーズン同様に一部のイベントにスポット参戦します。
Elfyn Evans
来年もTGR-WRTで継続できることをとてもうれしく思っています。2020年以来、私たちは素晴らしいシーズンを共にしてきました。2024年は私たちが望んでいたほど成功した年ではなかったかもしれませんが、チームにはまだまだポテンシャルが残っていますし、自分自身ももっとできることがあると思っているので、来年もこのパートナーシップを継続することが楽しみです。チームも私たちクルーも、共に懸命に働き続け、さらに良い結果を達成できることを期待しています。
Kalle Rovanperä
来年は再びフルシーズンでWRCを戦うことをとても楽しみにしています。私とヨンネは、今年はこれまでとは違った一年を過ごしました。様々なクルマの運転を楽しみながら、いくつかのWRCイベントで勝利を収めることもできました。良い一年でしたが、WRCのフル参戦に戻るモチベーションももたらしてくれました。ヨンネと共にドライバー、コ・ドライバータイトルに向けてプッシュし、マニュファクチャラーズタイトル奪還に向けてもチームと共にベストを尽くします。
Sébastien Ogier
2025年もTGRに残ることになり、本当にうれしく思っています。ここまでチームと共に、たくさんの勝利と成功を収め、素晴らしい5シーズンを過ごしてきました。このストーリーを続けることを心から楽しみにしています。私の主な目標は、一部のラウンドに参加しながらチームのマニュファクチャラーズタイトルに貢献することであり、できればドライバー、コ・ドライバーも含めた全てのタイトルを取り戻したいです。チームと共に、限界までプッシュし続けます。
Takamoto Katsuta
2025年もチームと継続できることが本当にうれしいです。今年は私にとってチャレンジングなシーズンでした。難しい時期を支えてくれたチームや全ての方々に感謝しています。ほとんどのラリーにおいて、自分の持つスピードは示すことができ、自信も高まってきているので、来年の目標は全てのラリーにおいて適切なリズムを見つけることです。もし全てがうまくいけば、もっと多くのイベントで表彰台争いができると確信しています。
Sami Pajari
夢が叶いました。チームがこのような素晴らしい機会を与えてくれたことを本当に感謝しています。私の夢が実現するまで、他にもたくさんの方々が私をサポートしてくれました。今年はGR Yaris Rally2での戦い、そしてRally1車両での初参戦と、素晴らしいシーズンでした。一旦、夢だった場所には到達しましたが、良い結果を出すためには、ここからが本当に大変な仕事になると理解しています。
TGR WRC チャレンジプログラム
世界レベルで戦えるプロのラリードライバーの育成を目的として2015年にスタートしたTGR WRCチャレンジプログラムでは、1期生である勝田貴元の背中を追い、2期生の小暮ひかると山本雄紀並びに3期生の後藤正太郎と松下拓未がプログラムを継続します。
今シーズン、GRヤリスRally2車両で貴重な経験を積んだ小暮と山本は、2025年もRally2車両でWRCイベントを含む、欧州のラリーに参戦します。2024年からプログラムに加入した後藤と松下は、今年ラリーを学んだRally4からRally3車両にステップアップし、さらなる成長を目指します。
現在4期生のセレクションも実施中で、10月に富士スピードウェイで実施した1次、2次選考を通過した6名のドライバーに加え、今年から始まったモリゾウチャレンジカップの今シーズンのチャンピオンドライバーも合流し、12月に実施するフィンランドでの最終選考に挑みます。また、2025年からコ・ドライバーのプログラムも開始する予定です。