
ラリー・イスラス・カナリアスの最終日デイ3は、島の南側エリアで2本のステージを各2回走行。その間にはレーシングカート・サーキットでのスーパーSSが1本行なわれ、5本合計58.38kmのステージでタイムが競われました。島南側のステージは早朝から好天に恵まれて青空が広がり、路面はドライ。ラリー最終日に相応しい、素晴らしいステージコンディションとなりました。
デイ1の全6ステージを制し、デイ2でも6本のベストタイムを刻み首位を独走するロバンペラは、最終日の朝もライバルを圧倒するハイペースで走行。2本の山岳ステージで連続ベストタイムを刻み、総合2位のオジエとの差を51.1秒に拡げました。
続く、1.5kmのレーシングカート・サーキットでのスーパーSS、SS16ではオジエが今大会初のベストタイムを他の二人のドライバーとわけ合い、ロバンペラは0.6秒差の9番手タイム。オジエはSS17も制し、両者のタイム差は49.5秒となりました。

そして迎えた、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージ、SS18ではロバンペラが今大会15本目となるベストタイムを記録。2番手タイムのオジエに4秒という大差をつける圧巻の走りでパワーステージを制し、今シーズン初の優勝に華を添えました。
彼のWRCでの優勝は昨年9月のラリー・チリ・ビオビオ以来となり通算16勝目。これまでトヨタのドライバーとしての優勝回数では15回でカルロス・サインツ、オジエと並んでいましたが、今回の勝利により単独トップとなりました。

Kalle Rovanperä
自分たちとチーム全員にとって、本当に素晴らしい週末でした。1-2-3-4フィニッシュという結果を再び得られたことは、非常に驚くべきことです。クルマはとても速く、運転を心から楽しむことができました。チーム全体が素晴らしい準備をしてくれたことに感謝します。また、ヨンネも素晴らしい仕事をしてくれましたし、二人でいい走りができたので、今回の勝利はこれまででもっとも満足できる勝利のひとつだと思います。このような高いレベルで、週末を通して一貫して速く走れることはそうありません。今日の目標は最大ポイントを獲得することでしたし、自分たちにとって本当に必要なことでした。エルフィンとのポイント差は依然として大きいですが、少なくとも一歩近づくことはできたので、引き続き頑張ります。
Sébastien Ogier
トップ4を独占した今回のリザルトは、チームにとって素晴らしいものです。毎回手にすることができるようなものではないので、満足するべきでしょう。私たちとしては、2位はもっともお気に入りの順位ではありませんが、それでも良い結果には違いありません。ラリー中の自分たちの走りはとても良かったと思いますし、クルマの運転を思い切り楽しむことができました。チームがこの週末最高のツールを提供してくれたことに感謝します。カッレとヨンネは手が付けられないほど強力でしたが、それでもチームに最大ポイントをもたらすことができたので、非常にポジティブな週末になりました。
Elfyn Evans
チームにとっては素晴らしい週末となり、GR YARIS Rally1は驚異的なパフォーマンスを発揮しました。このラリーの難しさを理解し、クルマの準備と新しいタイヤへの適応を完璧にこなしたチームに、大きな感謝を捧げます。また、この週末誰も真似のできないペースを発揮したカッレを称賛したいと思いますし、セブも素晴らしかったと思います。もちろん、彼らと同じクルマに乗りながらもやや遅れを取り、優勝を争えなかったことには満足していません。しかし、それでも多くのポイントを獲得できたので喜ぶべきでしょう。
ロバンペラとオジェの活躍に加え、今週はトヨタが圧倒的な強さを見せ、マニュファクチャラーズ選手権におけるトヨタのリードはヒュンダイ・モータースポーツに49ポイントまで広がった。
i20Nラリー1の3人のドライバーは、ディファレンシャルのセッティングに起因すると思われるハンドリングのトラブルに見舞われ、表彰台を狙うことができませんでした。エイドリアン・フルモーはヒョンデ勢トップの5位ですが、ロバンペラに2分30秒以上の差をつけられてしまいました。
チームメイトのオット・タナックとティエリー・ヌービルはそれぞれ6位と7位。2人はこのラリーまでランキング2位と3位につけていたが、それぞれ3位と5位に後退してしまいました。タナクのクルマは、土曜日の夜にエンジン交換が必要となり、チームはサービス時間を僅か1分オーバーの46分という驚異的な速さで完了させています。
WRC2のトップランナーであるヨハン・ロッセル、アレハンドロ・カション、ニコライ・グリャジンがトップ10を占め、Mスポーツ・フォード・プーマ・ラリー1のドライバー、グレゴワール・ミュンスターが土曜日のオフロード走行から11位まで挽回した。 ミュンンスターのチームメイトであるジョシュ・マクレンは、日曜日のオープニングステージでアームコバリアにクラッシュし、フィニッシュすることができませんでした。
WRC次戦は、5月15日(木)から18日(日)にかけて、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスを中心に開催される第5戦「ラリー・ポルトガル」です。ポルトガルは今シーズン、ヨーロッパで行われる最初のグラベル(未舗装路)ラリーとなり、同じくグラベルイベントとして開催された第3戦サファリ・ラリー・ケニアとはステージの特徴が大きく異なります。ステージを1回目に走行する際は、路面は砂利や砂に覆われており出走順が早いドライバーたちにとっては不利なコンディションとなります。そして、2回目の再走時は砂が掃けて下から硬い岩盤や石が現れるなど、1回目と2回目で路面コンディションが大きく変化するのがこのラリーの特徴です。
Final Classification – Rally Islas Canarias
1 | K. Rovanperä | J. Halttunen | Toyota GR Yaris Rally1 | 2:54:39.8 |
2 | S. Ogier | V. Landais | Toyota GR Yaris Rally1 | +53.5 |
3 | E. Evans | S. Martin | Toyota GR Yaris Rally1 | +1:17.1 |
4 | T. Katsuta | A. Johnston | Toyota GR Yaris Rally1 | +2:02.9 |
5 | A. Fourmaux | A. Coria | Hyundai i20 N Rally1 | +2:31.0 |
6 | O. Tänak | M. Järveoja | Hyundai i20 N Rally1 | +3:11.4 |
7 | T. Neuville | M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 | +3:40.7 |
8 | Y. Rossel | A. Dunand | Citroën C3 | +7:10.7 |
9 | A. Cachón | B. Rozada | Toyota GR Yaris | +7:40.2 |
10 | N. Gryazin | K. Aleksandrov | Škoda Fabia RS | +7:58.4 |
Super Sunday Classification – Rally Islas Canarias
1 | K. Rovanperä | 32:22.5 |
2 | S. Ogier | +8.3 |
3 | E. Evans | +9.0 |
4 | T. Katsuta | +19.0 |
5 | A. Fourmaux | +21.4 |
2025 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings
After round 4
1 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team | 208 |
2 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 157 |
3 | M-Sport Ford World Rally Team | 58 |
4 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team 2 | 25 |
2025 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings
After round 4
1 | E. Evans | 109 |
2 | K. Rovanperä | 66 |
3 | T. Neuville | 59 |
4 | S. Ogier | 58 |
5 | O. Tänak | 57 |
6 | A. Fourmaux | 44 |
7 | T. Katsuta | 39 |
8 | S. Pajari | 19 |
9 | G. Munster | 16 |
10 | M. Sesks | 8 |