ラリー・フィンランドの最終日は、サービスパークから比較的近いエリアで「サーロイネン-モクシ」、「ラーヤヴォーリ」という2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。その合計距離は41.66kmでした。天気は曇り、路面はやや湿り気を帯びていました。
前日のデイ3で6ステージのうち5本でベストタイムを記録し、総合2位のオジェに44.2秒という大きな差を築いたロバンペラは、最終日も好調を維持。オープニングのSS17とSS18でベストタイムを記録し、総合2位のオジェに対するリードを45.8秒に拡げました。ところが、再走ステージの1本目であるSS19で、ハイスピードな左コーナーの途中にあった岩に乗り上げてコントロールを失い森の中の木に激突。地元初勝利まであと2ステージというところで、リタイアとなってしまいました。
また、SS19では前日のデイリタイアを経て再出走したエバンスもクラッシュ。コ・ドライバーのマーティンも含めて怪我はありませんでした。
ロバンペラに代わり首位に立ったオジエは、ほぼ3年ぶりの超高速グラベルラリー出場だったにも関わらず、しっかりと最後まで走り切り優勝。2013年以来2度目となるラリー・フィンランド優勝を果たしました。
これまでフィンランド人以外のドライバーでラリー・フィンランドを複数回制したのはセバスチャン・ローブ、オィット・タナック、エバンスの3人のみでしたが、そこに今回オジエの名が並ぶことになりました。
2位にはヌービルが。ヌービルは日曜日の最初の2つのステージ(SS17 Sahloinen-Moksi 1で6位、SS18 Laajavuoriで3位)で暫定3位を維持し、サハロイネン・モクシの第2ループでエルフィン・エヴァンスとカッレ・ロバンペラがリタイヤしたため、ヌービルは総合2位に浮上。 ドライバーズ選手権でのリードを168ポイントに拡大。
ロヴェンペラがコースアウトしたため、総合3位となったフルモーは、ドライバーとしての技術、忍耐力、知性を再び披露し、有名なチャレンジングなイベントをミスなく乗り切ったことで、彼の成熟と経験の成長を浮き彫りにした。 パワーステージではクリーンな走りで4番手タイムを記録し2ポイントを追加、合計18ポイントを獲得し、ドライバーズ選手権ランキング5位をキープしている。
Sébastien Ogier
たとえ望んでいた形ではなかったとしても、やはりフィンランドでの優勝は嬉しいものです。チームは素晴らしいクルマを用意してくれて、週末を通して圧倒的な強さを発揮しました。カッレとヨンネは他の選手たちとは別次元の走りを見せていましたが、不運にもコーナリングライン上に転がっていた岩に当たってしまいました。チームの力を考えると、さらに良い結果を残せていたはずなので残念でなりません。シーズン前半戦のラリー・イタリア サルディニアで私は運悪く勝利を逃しましたが、今回ここで取り戻した形です。長い間この世界に身を置いてきて、様々な結果や感情的なシーンを経験してきました。そして、ほとんどの場合、幸運に恵まれてきましたが、今日に関してはそう思うことができません。2位でフィニッシュしたかったというのが正直な気持ちですが、モータースポーツでは時に不公平なことも起こります。
Thierry Neuville
終始安定した良い走りだった。 最後の2ステージでテンポを上げたことが、カッレのリタイアという結果につながった。 パワーステージで差を縮めることができたので、オジェは我々より1ポイント多いだけでフィンランドを去ることができた。 この週末は、ステージと同様、みんなにとってジェットコースターのような感情だった。 浮き沈みが激しく、常に変化していた。 次はギリシャだが、チャレンジングなイベントだ。 この路面に集中することで、高速グラベル・ラリーでやってきたことをさらに一歩前進させたい
Adrien Fourmaux
タフなコンディションのなかでマシンに自信を持つのに苦労したが、上位陣と戦うのが難しいとわかってからは、賢明なドライビングをしたかったので、最初の2日間はマシンのセットアップに取り組み、とにかくミスをしないように気をつけた。 このクルマでオウニンポジャをドライブするのは本当に素晴らしかった。ラリーを表彰台で締めくくるというのは、必ずしも期待していたものではなかったけれど、週末を通して集中したドライビングができたことで、万が一、他のライダーたちに何かあっても、僕たちはそこにいることができた!この週末と今年4度目の表彰台には本当に満足している。
今回ドライバーとしてGR Yaris Rally2のステアリングを握った、TGR-WRTチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、前日よりもさらに総合順位を上げ6位でフィニッシュ。WRC2カテゴリーでは2位を獲得しました。
Jari-Matti Latvala
私もユホも、ラリーの最後に最高の気分を味わうことができました。我々の目標はWRC2でトップ5に入ることでしたが、ラリー開始直後からほぼずっと総合2位をキープし、表彰台フィニッシュを達成することができました。ステアリングを握る週末は本当に楽しく、自分のパフォーマンスにもとても満足しています。しかしながら、チームにとっては辛い日曜日になりました。ここで再び優勝できたのは素晴らしいことですが、日曜日に2台のクルマがリタイアしたのは、選手権を考えると痛手です。しかし、我々のチームは決してあきらめないということを私は知っていますし、今後のラリーも全力を尽くして戦います。
WRC次戦は、9月5日(木)から8日(日)にかけて、ギリシャで開催される第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」です。2021年にWRCのカレンダーに復帰したこのグラベル(未舗装路)ラリーは、1951年に初めて開催され、WRC初年度の1973年からシリーズの一戦に組み込まれたクラシック・イベントです。ステージの路面はここ3戦のスムースでフラットなグラベルと大きく異なり、大きな石が転がる山岳ステージは路面が荒れているところも多く、通常は気温も高いため、クルマにもタイヤにも選手にも厳しい「ラフグラベル・ラリー」として知られています。
Final Overall Classification – Rally Finland
1 | S. Ogier | V. Landais | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | 2:25:41.9 |
2 | T. Neuville | M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +40.1 |
3 | A. Fourmaux | A. Coria | Ford Puma Rally1 Hybrid | +1:14.1 |
4 | S. Pajari | E. Mälkönen | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +1:54.5 |
5 | O. Solberg | E. Edmondson | Škoda Fabia RS | +8:15.5 |
6 | J. Latvala | J. Hänninen | Toyota GR Yaris Rally2 | +8:54.5 |
7 | L. Joona | J. Hussi | Škoda Fabia RS | +9:29.4 |
8 | M. Heikkilä | K. Temonen | Toyota GR Yaris Rally2 | +9:32.0 |
9 | N. Gryazin | K. Aleksandrov | Citroën C3 | +9:51.2 |
10 | G. Linnamäe | J. Morgan | Toyota GR Yaris Rally2 | +10:07.0 |
2024 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings
After round 9
1 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 395 |
2 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team | 375 |
3 | M-Sport Ford World Rally Team | 207 |
2024 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings
After round 9
1 | T. Neuville | 168 |
2 | S. Ogier | 141 |
3 | O. Tänak | 137 |
4 | E. Evans | 132 |
5 | A. Fourmaux | 119 |
6 | K. Rovanperä | 86 |
7 | T. Katsuta | 76 |
8 | E. Lappi | 33 |
9 | A. Mikkelsen | 29 |
10 | D. Sordo | 27 |