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WRC RALLY FINLAND 2023 Preview

8月3日(木)から6日(日)にかけて、フィンランドのユバスキュラを中心に開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」。ユバスキュラ周辺の森林地帯や丘陵地帯に展開するラリー・フィンランドのステージは、WRCイベントの中でもっとも平均速度が高いグラベル(未舗装路)ラリーとして知られており、大きなジャンプやクレスト(丘越え)もある、非常にダイナミックで人気が高いイベントです。

今年のラリー・フィンランドは全体的な構成が昨年大会と大きく異なり、まず8月2日(水)の夜8時からユバスキュラでセレモニアルスタートが行われます。ラリーカーがステージを走行するのは3日(木)からとなり、朝9時過ぎからのシェイクダウンを経て、夜7時過ぎから競技がスタート。ユバスキュラの中心部で、毎年恒例のスーパーSS「ハルユ」が1本行われます。

森林地帯での本格的な戦いは4日(金)の朝からとなり、デイ2としてサービスパークの北東エリアで「ラウカー」「ランカマー」「ミヒンパー」「ハルトゥーラ」という4本のクラシックステージを各2回走行。ラウカーとランカマーは大幅にモディファイされ、ミヒンパーは2015年以来、ハルトゥーラは1995年以来のステージ復帰となります。さらに、一日の最後にはハルユのステージが行われます。

5日(土)のデイ3は、サービスパークの南西エリアが戦いの舞台に。2001年大会以来となる「ヴァスティラ」のステージがオープニングを飾り、その後「パイヤラ」「ラプスラ」「ヴェックラ」というクラシックなステージを走行。ミッドデイサービスを経て午後はその4本のステージを再走します。8本のステージの合計距離は160.68kmと非常に長く、4日間で最長の一日となります。

6日(日)のデイ4は競技最終日となり、昨年までとは異なりサービスパークの南西エリアで「モクシ-サーロイネン」「ヒモス-ヤムサ」の2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。SS20の再走となる最終のSS22「ヒモス-ヤムサ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。なお、今回ラリーの本表彰式はSS22のステージエンド、スキーリゾートであるヒモスで行われます。

ステージは全部で22本で、合計320.56km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1471.63kmとなります。


サービスパークが置かれるユバスキュラにファクトリーを構えるTGR-WRTと、ユバスキュラ出身のロバンペラ、ユバスキュラに住み移りラリードライバーとして経験を積んできた勝田にとって、このラリーはホームイベントとなります。

また、今回はTGR-WRT会長である豊田章男の要請により、チーム代表であるラトバラが久々にラリー・フィンランドに出場します。ラトバラが最後にWRCに出場したのは2020年2月のラリー・スウェーデンとなりますが、彼は過去3回ラリー・フィンランドを制しています。なお、ラトバラがドライバーとして出場する今回は、豊田TGR-WRT会長がチーム代表を務めます。

Jari-Matti Latvala (Team Principal)

ラリー・フィンランドは、チームにとって常に特別な大会です。今年は私自身がWRCイベントに再び出場できることになったので、特別な思いがあります。ドライバーとしての目標は、速く走ることもさることながら、何よりもまず経験を楽しむことです。チームの目標はいつものように優勝ですが、それについてはレギュラーの選手たちにかかっています。世界王者であり、選手権リーダーでもあるカッレとヨンネには素晴らしいサポートがあると思いますし、エストニアでの勝利は彼らにとって良い後押しになることでしょう。とはいえ、ラリー・フィンランドのステージはグリップレベルが異なりますし、ミヒンパーのようにカッレが走ったことのないステージも復活するので、より大きなチャレンジになると思います。一方、エルフィンはフィンランドで勝つために何が必要かを知っているので、再び勝利に挑むことができると期待していますし、貴元もいつも走りを楽しめている道で、自信を持ってドライブできることを期待しています。接戦が予想されるこのラリーで、ドライバーたちに最高のクルマを提供するため、チームは今週、一生懸命テストに取り組んできました。