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東京大学ヒストリックラリープロジェクト 2017 Team Wakatake のラリー参戦レポートが届きました

今年度海外ヒストリックラリー参戦プロジェクトはチーム名を「Team若武」とし、昨年度同様東京大学とホンダ学園ホンダテクニカルカレッジ関東のジョイントプロジェクトとして先週末(3月18・19日)にニュージーランド北島のロトルアで開催されたTarga Rotoruaに出場しました。

出場車両は下記3台で、結果は以下の通りです。

101号車 1975年式ホンダシビック1200RS
ドライバー;篠塚建次郎、コドライバー;大山健志

102号車 1972年式トヨタカローラレビン
ドライバー;川崎修司、コドライバー;川崎ひとみ

103号車 1975年式ホンダシビック1200RS
ドライバー;永瀬浩一、コドライバー;永井進

残念ながら102号車レビンは
車検においてロールケージ・ジョイント形状の不適合を指摘されCompetition部門からTarga Tour部門に変更となったため成績はつかなくなりました。

成績

「Team若武」が出場したのはクラシック2WD部門のカテゴリー1
クラシック2WDとは1986年1月1日以前にそのモデルの量産が立ち上がった車両で、過給システムやシーケンシャルシフトは許されていない。
カテゴリー1は2000㏄以下。(カテゴリー2が2001~3400㏄、3が3401㏄以上)

ライバルはトヨタSW型MR2(何故か1989年から製造を始めたSW型がクラシック2WD部門
だった)、
トヨタAE86レビン(TRD製の2Lレース用エンジンを搭載していたとのこと)、
トヨタAE82カローラFX-GT(1750㏄にボアアップした5AGと呼ばれるエンジンを搭載)の3台。

エントリー台数 55台。内クラシック2WD部門は14台。カテゴリー1は6台。
出走台数 54台。内クラシック2WD部門は13台。カテゴリー1は5台。
(Targa Tour部門は上記以外に31台の出走)
完走台数 48台。内クラシック2WD部門は12台。カテゴリー1は5台。

101号車 総合43位、クラシック2WD部門9位、カテゴリー1の3位
103号車 総合44位、クラシック2WD部門10位、カテゴリー1の4位
102号車のレビンはツアー部門を完走しましたが、タイムは計測されないため、順位
はつきませんでした。

概要

第7期となった今年は、第5期の学生たちが製作したTE27レビン(通称;レビン)と第6期の学生が製作したSB1シビック1200RS(通称;赤シビック)、
そして今期新たに製作したSB1シビッ1200RS(通称;学園シビック)の3台をTarga Rotoruaにエントリーさせ、第6期の学生が製作したもう1台のSB1シビック1200RS(通称;オレンジシビック)をスペアカーとして現地に持ち込みました。

これらの競技車以外に東大の公用車である三菱キャンター1台に加え、ニュージーランドホンダから借用したオデッセイ3台をサポートカーとして使用。

レビンはネッツトヨタ富山指導の下、1600㏄から1750㏄までボアアップを実施済み

学園シビックは昨年11月の新城ラリーで転倒してしまったため、部品取りに準備していたシビック1200GLのボディの一部を切り取って移植するなど渡航直前になって大きな修理を行いました。

更に昨年度出場した篠塚建次郎さんが「エンジンパワーが無い。ブレーキがプア。」と指摘されたことに対し、ボアアップによる出力向上を実施済みでしたが、ボディ修正で車両が動けないことに
合わせて更に圧縮比アップとブレーキの大径化を実施しました。

学生は、東京大学から9名、ホンダ学園から8名。
教員は、東大から2名、ホンダ学園から1名がが参加
その他、サポーターとして3名の方々にご参加いただきました。
また、ホンダ学園の教員2名が休暇でNZを訪れており、サービスをサポート。
以上のように今回の参加者は選手6名を含めると31名の大所帯となりました。

昨年度ニュージーランドで開催されたTarga Bambinaに出場した際は時間的余裕が無かったのでロールケージ製作を主催者の車検チーフに製作していただきましたが、今年はその経験を元に学生たちが製作

これが気がかりだったので、大会前の14日に主催者に相談したところ「Perfect」とのコメント
特にレビンに関しては車検チーフにもチェック頂き、スプリングワッシャを追加することを指摘されただけで「Perfect」とのことでした。

しかし16日(木)の19時過ぎになって車検チーフから電話が入り、「学園シビックとレビンはロールケージが規定に合致していないのでCompetition
への参加は認めない。シビックについてはオレンジシビックであれば参加可能である。」と言われました。

そこで急遽学園シビックのエンジンなどパワートレインとサスペンションをオレンジシビックに移植、レビンのロールケージを車検チーフ部下の指摘通りに改造することを決定。
17日(金)の車検までに規定に合致させることを目指す事に。

16日(木)は徹夜で学園シビックからオレンジシビックにパワートレインとサスペンションの移植する作業を進めるとともに、使わなくなる学園シビックのロールケージの一部を切り取ってレビンのロールケージ用部品製作を行い規定に合致するようにしました。

この結果、学園シビックに代わって出場することになったオレンジシビックは車検を通過することができましたが、レビンについては車検チーフ部下の指摘通りに修正したにもかかわらず、更なる指摘を受け車検不合格となりました。

「スタートまでに修正するからCompetition部門に出場させて欲しい」と交渉しましたが「できるわけないからダメだ」と言われ、仕方なくドライバーの了解をいただいてツアー部門に変更することにしました。

今回の車不合格の原因は、学生たちが参照していたのがJAFの翻訳したFIA規則であり、英文では明確に規定されていた内容に関して日本語版では解釈が分かれる書き方になっていたことです。
原文をしっかり確認するべきところを思い込みから省略してしまい、日本語版のみで製作を進めたことが大きな間違いであり、今後の彼らにとってとても良い経験になりました。

競技はペースノートの使用を禁止されたSS方式のラリーで、18日に7SS、19日に5SSの合計12SSが予定されていましたが、コースの安全の問題から2日目のSS9がキャンセルになり、11SSで競われました。
3台共競技中は大きなトラブルもなく、無事完走することができました。

学生たちは和服で表彰式パーティーに臨みましたが、そこでTarga Spirit賞をいただくことができました。
チーム全員が壇上に呼ばれ、東大側リーダーとホンダ学園側リーダーがスピーチを行いました。

成績的にはクラス統合により不利な状況での参戦となったため、クラス3・4位という成績に終わりましたが、今回も色々なトラブルに見舞われ、中でも車検前日にエンジンと足回りすべてを載せ
替え、更にはロールケージも作り直すという不可能と思えるような課題に対し、学生達は最後まで諦めることなく取り組み、最終的には3台を完走させることに成功しました。

皆様のご支援のおかげで今年のプロジェクトもここまで来ることができました。
どうもありがとうございました。

4月からは第8期の活動も開始されます。
今後とも「海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト」をよろしくお願い致します。