2024年シーズン唯一のWRC初開催イベントとなるラリー・ラトビアは、バルト海に面する「リエパーヤ」を中心とするグラベル(舗装路)ラリーです。ステージは国境を接するエストニア、前戦のポーランド、そして次戦のフィンランドといった他のWRCイベントと非常によく似ており、流れるような高速コーナーが連続する、ハイスピードグラベルラリーに分類されます。WRC初開催ということもあり、ラトビアのステージを走行するのは今回が初めてというドライバーが多く、18日(木)の朝7時半過ぎからリエパーヤの郊外で行なわれたシェイクダウンは、貴重なテスト走行の機会になりました。
シェイクダウンを走り終えた選手たちは、その後リエパーヤから約200km離れた首都リガへと移動。リガの歴史的地区で夕方6時15分からセレモニアルスタートが行われ、ラリーは開幕しました。
リガのスタートランプを離れた選手たちは、そこから約12km西方に離れたグラベルのラリークロス・サーキットに移動。様々な舗装路面を含む特設ステージで、午後8時過ぎからスーパーSSが1本行なわれました。通常のスーパーSSと比べるとかなり長い、全長11.13kmのこのステージでは各チームでグラベル用タイヤの選択が異なりましたが、ロバンペラが、2番手タイムを分け合ったオジエとヌービルに2.4秒差をつけてトップに立ちました。
Kalle Rovanperä
ラトビアに戻ってくることができて、とても嬉しいです。自分としては故郷に帰ってきたような気分です。キャリアの初期にこの国でラリーに出場したのは非常に良い思い出ですし、今週末は新たないい思い出を作りたいと思っています。ラトビアには多くのラリーファンがいますが、今晩のリガでも多くのファンに会えて嬉しかったです。今晩のステージはラリーのオープニングとしてはかなり長く、グラベル用のタイヤとセットアップでターマックステージを走行するのは、それほど簡単ではありませんでした。そのため、最初から気を引き締めて走り、良いスタートを切る必要がありました。また、朝のシェイクダウンのコンディションはかなりトリッキーで、グリップとフィーリングを向上させるために、クルマのアジャストを試みました。ラリー本番に向けてはまだいくつかオプションが残っているので、どうなるか様子を見たいと思います。
競技2日目となる7月19日(金)のデイ2は、リガのパルクフェルメを起点にリガの北西方面で7本のステージを走行。日中にミッドデイサービスの設定がなく、簡易的な整備作業のみ可能な「タイヤフィッティングゾーン」しか設定されないため、耐久的な要素も強い一日となります。また、デイ2は7本のステージのうち3本は一度しか走行しないため、出走順が早いドライバーたちは、他のグラベルラリー以上に「路面の掃除役」としての負担が多く、路面がドライの場合は不利なコンディションでの戦いになります。7本のステージの合計距離は120.92kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は528.64kmとなります。
End of day one (Thursday):
1 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) 7m28.5s
2 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +2.4s
= Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.4s
4 Mārtiņš Sesks/Renārs Francis (Ford Puma Rally1 HYBRID) +2.9s
5 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.9s
6 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.6s
7 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +5.9s
8 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Ford Puma Rally1 HYBRID) +8.4s
9 Esapekka Lappi/Janne Ferm (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +10.6s
10 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1 HYBRID) +11.0s