昨年初めてWRCとして開催されたこのラリーは、全ステージがターマックで行われる、今シーズン最初のフルターマックラリーです。
ターマックとはいっても路面の舗装状態は刻々と変わり、路面のグリップも大きく変化。そのうえ、コーナーイン側の未舗装部分まで踏み込んで直線的なラインどりをする「インカット走行」により、掻き出された砂利や泥がターマック路面に広がり、非常に滑りやすくなります。さらに、デイ1は天候不良により午前中の4本のステージは雨が降る中で行なわれ、午後の再走ステージも中盤まで雨が残り、一日を通して雨用のウェットタイヤを装着しての戦いとなりました。
ラリー・スウェーデンで優勝し、ドライバー選手権首位に立ったロバンペラは、雨のターマックラリーでは有利とされる出走順1番手で走行。それでも濡れた路面は滑りやすく、大きな水溜まりも所々にあり、一部区間では濃い霧が立ちこめるなど、非常にトリッキーなコンディションでした。また、午後の再走ステージの路面は、ロバンペラが走行する時点で既に掻き出された大量のグラベルで覆われ、午前中よりもさらに滑りやすい状態でした。
そのような状況で、ロバンペラはSS1、SS2と連続でベストタイムを記録し総合1位に。SS3は2番手タイムでしたが、その後SS4からSS7までベストタイムを刻み続け、全8本のステージのうち6ステージを制し、総合2位に1分04秒という大きな差をつけ首位でデイ1を走り切りました。
Kalle Rovanperä
“今日はとてもいい一日でした。午前中は、このようなコンディションに合っている出走順を最大限に活用しようと試みました。午後は、予想通り路面コンディションはさらに悪くなりました。午前中にインカットされた場所はどこも泥だらけだったので、午後は出走順が一番手であることのアドバンテージはあまりなかったように思います。また、いくつかのステージでは霧が出て雨も降っていましたが、それでもうまくプッシュしていいタイムを記録することができました。首位に立てたことは嬉しいですが、明日も長い一日ですし、何が起こるかわからないので、集中力を維持してペースをキープし、問題が起こらないようにする必要があります。コンディションがドライになり、より楽しんで走れるようになることを期待しています。 “
ティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダゲ組は、午前中のループで有利なポジションを確保していましたが、SS4(ペチルコヴォ・ブルド-ムレジニスキ・ノヴァキ)間でオルタネータートラブルに見舞われ、午後のフレキシビリティサービスを利用することになりました。
オルタネーターのトラブルにより、ロードセクションで2度ストップし、2度目はサービスエリアから1kmも離れていないところで発生した。ベルギーチームは最後の800mまでマシンを手でプッシュし、4分遅れのタイムコントロールで40秒のペナルティを受けましたが、最終テストでのステージ優勝を含め、午後は順調に走行し、ヌービルとワイダゲはペナルティによるタイムロスを克服し、総合2位で1日を終えました。
Thierry Neuville
“チャレンジングな一日でした。午前中のループの最終ステージの後、ロードセクションで技術的な問題が発生しました。何とか修理しましたが、サービスパークに近づいたところでまた止まってしまいました。800mプッシュしたんだ。とてもタフだったけど、僕たちはいつも “決してあきらめない “と言っている。大きなリスクを冒さなければ、ロバンペラのスピードに追いつくことはできなかったと思うし、それは僕らのターゲットではなかったから、2位という結果には満足している。チームのため、そして自分たちのためにも、常にベストを尽くしたい。だから、このまま続けて、この週末から強いポイントを獲得することが重要なんだ。”
競技2日目となる4月23日(土)のデイ2は、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。4本のうち3本のステージはデイ1と同じくザグレブの南西エリアが舞台となりますが、SS11/15は西に大きく移動し、アドリア海に面したリエカの町の近郊で行われます。8本のステージの合計距離は116.98km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は774.86kmとなります。
End of day one (Friday):
1 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) 1h15m35.5s
2 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +1m04.0s
3 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1) +1m23.3s