
シーズン唯一の「フルスノーイベント」であるラリー・スウェーデンは、より安定したスノーコンディションを求め、2022年に北部最大の都市「ウーメオー」にホストタウンを移動。以降、3大会連続でウーメオーを中心に開催され、今年もウーメオーにサービスパークが設けられます。ウーメオーは、TGR-WRTチームの本拠地であるフィンランドからボスニア湾を船で渡ってすぐの場所に位置し、気候的にも共通する部分が多いこともあり、TGR-WRTにとってはホームラリーに近い感覚で臨むことができる一戦です。
首都ストックホルムの約600km北にあるウーメオーは、北極線の南側約400kmとかなり北部に位置することから、ステージは理想的なウインターコンディションとなることが多く、加えてハイスピードなステージも多いため、スノーラリーを開催するには格好の場所といえます。森林地帯の未舗装路は氷と雪で覆われていますが、雪道専用に準備された、金属製のスタッド(=スパイク)が打ち込まれた「スタッドタイヤ」により、ラリーカーは非常に高いグリップを得て走行することができます。そのため、ラリー・スウェーデンはWRC全戦の中でも毎年トップ3に入るほどステージの平均速度が高い、超高速イベントとして知られています。
2025年のラリー・スウェーデンは13日(木)の午前中にシェイクダウンが、夕方7時過ぎからウーメオーの市街地近くで全長5.16kmのSS1「ウーメオー・スプリント1」が行われます。
森林地帯の雪道での本格的な戦いは翌日14日(金)の朝からスタートし、デイ2としてウーメオーの北側エリアで3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。一日の最後には2回目のウーメオー・スプリントがSS8として行われます。デイ2のステージの合計距離は124.32kmとなり、4日間で最長の一日となります。
15日(土)のデイ3は、ウーメオーの西側エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。一日の最後には、ウーメオー・スプリントの走行距離を約2倍に延ばした10.08kmの「ウーメオー1」がSS15として行われます。
ラリー最終日となる16日(日)のデイ4は、ウーメオーの北東で「ベステルビーク」のステージをSS16/17として2回走行。全長29.35kmのベステルビークは、今大会最長のステージとなります。最終ステージのSS18「ウーメオー2」は、土曜日のSS15の再走となり、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全18本で合計300.22km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1060.05kmが予定されています。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、プライベーターのロレンツォ・ベルテリ/シモーネ・スカットリン(37号車)と、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦を予定。
Hyundai Motorsportは、ヌービル、タナク、フルモーの3台。過去1年間に開発されたアップグレードパッケージを搭載したHyundai i20 N Rally1をこのイベントで初公開します。
M-Sport Ford World Rally Teamは、グレゴワール・ミュンスターとジョシュ・マッケリーンに加え、マールティン・セスクスとジュルダン・セルデリディスもこのイベントに復帰し、4台のFord Puma Rally1がウメオに集結します。
Recent winners
2024 | Esapekka Lappi/Janne Ferm | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid |
2023 | Ott Tänak/Martin Järveoja | Ford Puma Rally1 Hybrid |
2022 | Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen | Toyota GR Yaris Rally1 |
2020 | Elfyn Evans/Scott Martin | Toyota Yaris WRC |
2019 | Ott Tänak/Martin Järveoja | Toyota Yaris WRC |