サファリ・ラリーの最終日デイ4は、ナイバシャのサービスパークを中心に「マレワ」「オセレンゴニ」「ヘルズゲート」という3本のグラベル(未舗装路)ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は74.38kmでした。ナイバシャ周辺は朝から全体的に天気が良く、ステージは概ねドライコンディションでしたが、朝までに降った雨により一部湿った路面もありました。
デイ3終了時点で総合2位の勝田に2分以上のリードを築いていたロバンペラは、大きな石が大量に転がる荒れた路面でパンクなどのトラブルを避けるため、確実性の高いドライビングを実行。ステージを重ねるごとにリードは目減りしていきましたが、ロバンペラは忍耐強く自分自身の走りを貫き、最終的には総合2位の勝田に1分37.8秒差をつけて優勝。2年ぶりにサファリ・ラリーの表彰台の最上段に立ち、キャリア12勝目を飾りました。
ロバンペラは、ナイバシャ湖周辺の岩だらけの金曜のステージをすべて制した後、約1分のリードを築き、後続がマシントラブルやタイヤ損傷に見舞われるなか、2分差で土曜を終了。
ケニアのウィリアム・ルート大統領も出席したヘルズ・ゲートでの素晴らしい景色の中でクライマックスを迎えた日曜日の最終レグでは、このバッファーのおかげで2度のWRCチャンピオンはフィニッシュに向けて余裕を持ってドライブすることができました。
勝田貴元は、オープニングのSS14でスローパンクチャーを喫しタイムロス。しかし、その後は3番手タイムを刻むなど挽回し、午後はリスクを排したクレバーな走りで最後の3本のステージを走破。総合2位でフィニッシュし、昨年のラリー・フィンランド以来となる表彰台を獲得しました。
また、Mスポーツ・フォード・プーマのエイドリアン・フールモーは47.3秒差で2年連続の表彰台を獲得しています。
Kalle Rovanperä
“サファリで2回目の優勝を手にするというのは、特別なことです。本当にタフなイベントですが、それと同時にトヨタにとっては伝説的なラリーです。チームはサファリで常に強さを発揮してきましたし、優勝記録はなおも更新中です。ここアフリカでは「前を走るクルマは常にトヨタだ」と、よく言われています。チームは自分たちのクルマが存分に力を発揮できるように、最善を尽くしてくれました。チームのみんなには本当に感謝しています。今回は何も問題が起こらず、クレバーなドライビングを続けるなど、サファリでこれ以上は不可能と思えるほど、自分たちはいい仕事をできたと思います。最終日の今日は大きなリードを築いている状況で、WRCのカレンダーでもっとも荒れたステージを、あらゆるものを避けながら2回も走るのは簡単ではありませんでした。ただ自分たちのプランに従って走るしかありませんでしたが、結果的にうまく走れたと思います。”
Takamoto Katsuta
“総合2位を獲得し、ケニアでまた表彰台に立つことができて本当に嬉しいです。いつもと同じようにタフなラリーだったので、万全な準備でとてもいいクルマを用意してくれたチームには本当に感謝しています。昨日はいくつかミスを犯し、パンクも喫してしまいましたが、クルマは常に信頼して走れる状態でした。プッシュする必要があるときにはプッシュできましたし、いいタイムも出ました。信頼性はトヨタの強みですし、このクルマに乗れることをとても誇りに思います。”
Adrien Fourmaux
“素晴らしい週末だった。チームはずっと本当にいい仕事をしてくれたし、マシンは本当に信頼できるものだった。 チームには本当におめでとうと言いたい。 僕らにとっては2度の表彰台だ。 僕らにとっては、2つのラリーで2つの表彰台を獲得し、シーズン開幕戦としては本当に素晴らしいスタートを切ることができた。 スノーで1回、グラベルで1回表彰台を獲得しているので、あとはターマックで1回だけだ!”
エルフィン・エヴァンスは金曜日を表彰台争いで終えたが、土曜日はステージサイドでのホイール交換のために2度ストップするなど波乱があり、チームメイトのロバンペラから4分以上遅れて総合4位でフィニッシュした。 ドライバーズ選手権では、トップのティエリー・ヌービル(6分差で5位)に次ぐ2位をキープ。
ヌービルは、土曜日に発生した燃料圧力の問題で数分の遅れを喫し、日曜日にはレーシングライン上の石がサスペンションにダメージを与え、さらに不運が重なったが、彼の同僚であるエサペッカ・ラッピとオット・タナックはもっと悪い結果に終わった。
ラッピは2度のギアボックスの破損に見舞われ、タナクは金曜日にサスペンションを破損したため、WRC2のガス・グリーンスミスとオリバー・ソルベルグに次ぐ総合8位まで後退。
トップ10には、プーマのジェントルマンドライバー、ジュルダン・セルデリディスとシュコダ・ファビア・ラリー2のスター、カジェタン・カジェタノヴィッチが入った。
WRC次戦は、4月18日から21日にかけて、クロアチアの首都ザグレブを中心に開催される「クロアチア・ラリー」です。2021年にWRCとして初開催され、今年で4年目を迎えるこのイベントはターマック(舗装路)が舞台。ステージはハイスピードなセクションとテクニカルなセクションが入り交じり、舗装のコンディション変化が大きいためグリップが変わりやすいことが特徴です。また、コーナーのイン側をショートカットする「インカット走行」により、路肩から大量の泥や砂利が舗装路面に掻き出されるため、非常に滑りやすく難易度の高いラリーとして知られています。
Final Overall Classification – Safari Rally Kenya
1 | K. Rovanperä | J. Halttunen | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | 3:36.04.0 |
2 | T. Katsuta | A. Johnston | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +1:37.8 |
3 | A. Fourmaux | A. Coria | Ford Puma Rally1 Hybrid | +2:25.1 |
4 | E. Evans | S. Martin | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +4:20.2 |
5 | T. Neuville | M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +10:17.5 |
6 | G. Greensmith | J. Andersson | Škoda Fabia RS | +18:05.4 |
7 | O. Solberg | E. Edmondson | Škoda Fabia RS | +19:28.5 |
8 | O. Tänak | M. Järveoja | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +21:02.0 |
9 | J. Serderidis | F. Miclotte | Ford Puma Rally1 Hybrid | +26:13.3 |
10 | K. Kajetanowicz | M. Szczepaniak | Škoda Fabia RS | +26:34.4 |
2024 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings
After round 3
1 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team | 131 |
2 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 127 |
3 | M-Sport Ford World Rally Team | 72 |
2024 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings
After round 3
1 | T. Neuville | 67 |
2 | E. Evans | 61 |
3 | A. Fourmaux | 46 |
4 | O. Tänak | 33 |
5 | K. Rovanperä | 31 |
6 | T. Katsuta | 30 |
8 | E. Lappi | 23 |
9 | O. Solberg | 12 |
10 | A. Mikkelsen | 6 |