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12年ぶりに復活のラリージャパン 勝田/木村組がアクシデントを乗り越え完走

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTGR。GRヤリスをベースとする「GR YARIS GR4 Rally」を2021年から投入し、最上位カテゴリーであるJN-1クラスに挑戦しています。今回、12年ぶりにWRC日本開催の実現を受けて、チームはGR YARIS GR4 Rallyを国際格式規定に合わせ、ラリージャパンへの参戦を決めました。

これまでのモータースポーツ参戦を通じて得られたデータや知見をもとに、チームは全日本ラリー選手権(JRC)の終盤戦と並行してWRC参戦に向けた車両を準備。ターマック(舗装)仕様をベースにFIAの安全規定に準拠した仕様とし、チームのエースである勝田選手にGR YARIS GR4 Rallyを託しました。

2022年のWRCラリージャパンは、愛知県と岐阜県にまたがるエリアで開催。舗装された林道を中心に19のスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間)が設定されました。4日間の総SS走行距離は283.27kmにもなり、JRC最大規模の大会であるラリー北海道の倍以上の距離を誇ります。クルマやタイヤだけでなく、クルーやチームにとっても非常に厳しい戦いとなることが予想されました。

10日金曜日、ラリーはサービスパークが設置された豊田スタジアムでのセレモニアルスタートで華々しく幕を開けました。多くの選手が曲がりくねった狭いSSに苦戦し、アクシデントやトラブルが多発するなか、勝田選手は確実なペースで走り切り、2日目を終えてWRC2勢に割って入る総合18位、ナショナルクラスの首位につけました。

順調なペースで走行を続けていた勝田選手でしたが、11日土曜日のSS12で横転。フロントガラスを破損するなど車両のダメージは大きく、その日の競技続行を諦めざるを得ませんでした。しかしチームは車両の損傷箇所を修理し、最終日に再びGR YARIS GR4 Rallyを出走させることに成功。雨となった最終日、勝田選手はフィニッシュまでトラブルなく走り切り、チームに貴重なデータを持ち帰りました。

勝田範彦(ドライバー)

GR YARIS GR4 Rallyはとても良いフィーリングで、序盤から好ペースで走ることができたのですが、思わぬところに落とし穴がありました。自分としても反省点が残るラリーだったと思います。リタイアしてもおかしくない状況でしたが、チームがクルマを直してくれました。だからこそ、応援してくれる皆さんやチームのためにも絶対に完走したいと思いましたし、頑張ろうと思って走りました。もともと家族のようなチームですが、このラリージャパンで、さらにみんなの想いがひとつになったと思います。そして、タカ。3位おめでとう! プレッシャーも大きかったはずですが、子どもの頃から大きな大会に強いタカのことですし、僕みたいなポカはやらないと思っていたので(苦笑)、本当に良かったです。