11月21日(木)から24日(日)にかけて、愛知県および岐阜県で開催される、2024年を締めくくる一戦、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」、ここまで12戦を戦い7勝をあげてきたTGR-WRTと、勝田貴元選手にとって、ホームイベントであるラリージャパンに、大きな期待がかかっています。
2024年のラリージャパンは、過去2大会と同じく、今年も愛知県豊田市の「豊田スタジアム」にサービスパークが置かれ、スタジアム内には昨年とレイアウトが異なるスーパーSSのステージが設けられます。
ラリーはまず21日(木)の午前9時過ぎから豊田市の「鞍ケ池公園」でシェイクダウンが行われ、その後豊田スタジアムでのセレモニアルスタートに続き、午後7時過ぎからデイ1として競技がスタート。全長2.15kmの「トヨタスタジアムSSS1」が行われます。
山岳地帯の舗装路を舞台とする本格的なステージは22日(金)のデイ2から始まり、愛知県の豊田市および設楽町で「イセガミズ・トンネル」、「イナブ/シタラ」という昨年と同じルートを使用する2本のステージを走行。その後、新城市に新たに設けられた「シンシロ」を走ります。このうち、全長23.67kmのイセガミズ・トンネルは、前年に続き今大会最長のステージとなります。デイ2はミッドデイサービスの設定がなく、「稲武どんぐり工房」に設定されるTFZ(タイヤフィッティングゾーン)での簡易的なサービスを経て、午後は、午前中の3ステージを再走。一日の最後には、岡崎市の中央総合公園でスーパーSS「オカザキSSS」が2本連続で行われます。そして、一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが実施されます。なお、デイ2のステージの合計走行距離は126.00kmと長く、4日間で最長の一日となります。
競技3日目、23(土)のデイ3は岐阜県が主舞台となり、今年新たに恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」で一日がスタート。その後「ネノウエ・コウゲン」、「エナ」という前年大会と大部分が重なる2本のステージを走行します。デイ3もまたミッドデイサービスの設定はなく、中津川公園でのTFZを経て3本のステージを再走。その後豊田市へと向かい、豊田スタジアムでの2回目のスーパーSSで一日が終了します。
競技最終日、24(日)のデイ4は豊田市と岡崎市で「ヌカタ」、「レイク・ミカワコ」の2本のステージを各2回走行。その途中には豊田スタジアムでのミッドデイサービスに続く形で、3回目のスーパーSSが行われます。最終ステージとなるレイク・ミカワコの再走ステージ、SS21はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは昨年よりも1本少ない全21本で、その合計距離は302.59km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1024.34kmとなります。
シーズン最終戦までもつれ込んだタイトルは、Hyundai Shell Mobis World Rally Teamが3つのタイトルをすべて獲得する可能性があり、ドライバーズタイトルとコ・ドライバーズタイトルの行方は、ティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダゲ組とオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組のどちらに軍配が上がるのか、ラリーがゴールするまでかわからない状況。
ヌービルはシーズン第1戦のモンテカルロから首位を独走しており、王座獲得に必要なポイントはわずか5ポイント。 一方、先月のセントラル・ヨーロピアン・ラリーで今季2勝目を挙げたタナクも2度目の個人タイトル獲得の可能性を残すため、ラリージャパンでも好成績を狙っています。
マニュファクチャラーズタイトル争いはさらに熾烈で、ライバルのトヨタとの差はわずか15ポイントしかありません。
またWRC2カテゴリでは、タイトル獲得を目指すサミ・パヤリ(プリントスポーツ)がGR Yaris rally2で出場。2位以内に入れば選手権王者となります。
今大会がホームイベントとなる勝田貴元は、マニュファクチャラーズポイント獲得資格を持つドライバーとして出場します。昨年、勝田は序盤にクルマにダメージを負いましたが、その後9本のステージでベストタイムを記録(救済タイム1本分を含まず)するなど、地元愛知県で素晴らしい速さを発揮しました。また、勝田は前戦のセントラル・ヨーロピアン・ラリーでも総合4位に入り、日曜日のみの合計タイムで争われる「スーパーサンデー」を制覇。さらにはパワーステージでもベストタイムを記録するなど、ラリージャパンと同様ターマック(舗装路)路面を舞台に行なわれた前哨戦で高いパフォーマンスを示し、期待が高まります!