ラリー・ラトビアは2024年に新しくWRCのカレンダーに加わった高速のグラベルラリーで、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組は、TGR-WRTのレギュラーメンバーである3クルーと共に、4台目のRally1をドライブする事が決定しました。
パヤリはフィンランド出身の22歳。現在、ラリー界で最も楽しみな、才能ある若手ドライバーの一人として注目されています。2021年には、世界中から才能ある若手ドライバーが集まるジュニアWRC選手権で史上最年少チャンピオンに輝き、2023年はラリー・フィンランドでWRC2カテゴリー初優勝を果たしています。
2024年は、TGRの新しいRally2車両、GR Yaris Rally2で、競争の激しいハイレベルなWRC2クラスに参戦しており、どのような路面でも上位を争えるスピードを見せてきました。また、エンジニアへの有効なフィードバックにおいても高い評価を得ています。先週末に行われたWRC第6戦、ラリー・イタリア・サルディニアではWRC2クラス優勝、総合6位という成績を収め、さらに勢いを見せています。
今回のパヤリへのRally1車両での参戦機会提供は、有望な若手選手が世界のトップレベルの舞台にステップアップする道筋を作れるようサポートをしたいというTGR-WRTの思いによって実現しました。TOYOTA GAZOO Racingは今後もグローバルなレベルで視野を広く持ち、若手ドライバーがスキルを伸ばす機会、夢をかなえる機会をサポートしていきたいと考えています。
Sami Pajari
TGRからこのような機会をいただき本当にうれしく思っています。トップカテゴリーで戦うことは、私が何年も目指してきたことですが、シートが限られている中で、チャンスが巡ってくることはなかなかありません。学ぶべきことが多く、私にとって非常に大きなチャレンジですし、トップレベルのスピードが非常に速いこともわかっています。結果を気にしすぎたり、プレッシャーを感じすぎず、楽しんで、将来に向けてできる限り経験を積みたいと考えています。ラトビアは、私がフィンランドで慣れているような、高速で流れるようなステージがほとんどですし、どの選手にとっても新しいイベントなので、そういう意味ではトップドライバーたちと同じところからのスタートとも言えます。ラトビアで良いパフォーマンスができれば、将来の良いことに繋がるかもしれないという期待もありますが、それは後から考えることであって、まずは今回のラリーに集中し、楽しみたいと思います。
Jari-Matti Latvala
TGRでは2015年のTGR WRCチャレンジプログラム設立以来、日本人若手ドライバーの育成を行っていますが、私たちはそれと同時に、WRCのサポートカテゴリーを戦っている有力な若手ドライバーにも注目しています。今年、サミ・パヤリはGR Yaris Rally2で素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、Rally1車両で彼の持つポテンシャルを見てみたいということになりました。ちょうど先週末のサルディニアでも、彼はさらに良い結果を出し、大きなステップを踏み出しました。彼はただ速いだけでなく、エンジニアへのフィードバックを通して、我々のもっといいクルマづくりにも貢献してくれています。ラリー・ラトビアは高速で流れるようなラリーで、ラリー・フィンランドに似ています。彼はバルト地域の道を得意としていますし、ラトビアは彼に合うと思っています。また、このような高速の道ではRally1車両の空力がどのように機能しているかを感じやすく、理解が深まるはずです。サミとエンニが良い経験をし、クルマについて学び、ステップアップをしてくれることを願っています。
サミ・パヤリのプロフィール
フィンランド出身
2001年12月1日生まれ、22歳
主な経歴
2019年: フィンランドラリー選手権 SM3クラスチャンピオン
2021年: ジュニアWRC選手権チャンピオン(2勝)
2022年: WRC3 ドライバーズ選手権2位(3勝)
2023年: WRC2 ドライバーズ選手権7位(1勝)
(WRC2 Challengerでは4勝で3位)
2024年: GR Yaris Rally2でWRC2参戦中(1勝)