WRC Ypres Rally Belgium 2022 DAY1
WRC開催2年目となるイープル・ラリー・ベルギーの初日は、イープル市街地に置かれたサービスパークを中心に、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は97.02kmでした。ステージは道幅の狭い農道が大部分を占め、直線をジャンクション(曲がり角)で結ぶようなジグザグとしたレイアウトが大きな特徴です。天気は一日を通して不安定で、午前中はドライコンディションでスタートしましたが、SS4の途中から雨が降り始め、午後は降雨の予報もありましたが、雨は降らずドライコンディションが保たれました。
今季8戦5勝でドライバー選手権をリードしているロバンペラは、オープニングのSS1でベストタイムを記録するなど、好調なスタートを切りました。しかし続くSS2で左コーナーを曲がり切れず、側溝で跳ね上げられて横転。ロバンペラとコ・ドライバーのハルットゥネンに怪我はありませんでしたが、クルマはダメージを負いデイリタイアとなりました。
ロバンペラに替わり首位に立ったエバンスは、SS4でベストタイムを記録するなど速さを示し、首位でミッドデイサービスにイン。その後もSS6まで総合1位の座を守り続けました。しかし、1本のタイヤにダメージを負ったエバンスは、ドライコンディションの路面ながら、スペアとして搭載していたレインタイヤを履いて何本かのステージを走ることになり、タイムをロス。総合3位に順位を下げ、さらに最後のステージのタイムコントロールに遅着したことで10秒のペナルティを課せられ、首位と13.7秒差でデイ1を終えました。
ヌービルはオープニングステージで10秒以上の遅れをとりましまが、午後の好調なループで3位から首位に浮上、テーナックと同タイムを含む5回のステージ優勝で、2.5秒のアドバンテージを獲得し初日を首位で終了しました。
Thierry Neuville
“しかし、午前中のトリッキーな状況から一転して、午後のループではマシンのハンドリングに満足できるようになった。グリップは予想以上に低く、天候も不安定だった。SS1で数秒遅れるなどミスもありましたが、それ以降は良いステージをいくつか作ってタイムを取り戻しました。マシンの性能をもっと引き出し、運転しやすくするために、まだ少し努力しなければなりませんが、繰り返し走行しているうちに、より快適に感じるようになりました。でもすでに良いステップを踏んで自信をつけているので、さらに速く走ることができる。天気予報の担当者は、このような日に重要な情報を的確に伝えてくれる強力な仕事をしてくれた。明日はまだパンクのリスクが高いので、まずはクリーンな走りを目指します”
SS3がスタートする直前には、GR Yaris H2が初めてWRCのステージを走行しました。TOYOTA GAZOO Racingのカーボンニュートラルへの取り組みを示す、この実験的なクルマは、水素を燃料とするエンジンを搭載。ドライバーとファンにとっての喜びであるサウンドやフィーリングはそのままに、ほぼゼロエミッションを実現しています。運転は、WRCで4回世界チャンピオンに輝き、1993年にトヨタで最後のタイトルを獲得したユハ・カンクネンが担当。非常に高いグリップ力を誇る市販タイヤ、ピレリP ZEROトロフェオRを装着してSS3を走りきり、水素を燃料とするクルマのパフォーマンスをファンに披露しました。
競技2日目となる8月20日(土)のデイ2は、イープルのサービスパークを中心に半時計回りで4本のステージを走行。ミッドデイサービスを経て、午後も同じステージを再走します。そのうち全長22.32kmのSS12/16「ホレベーケ」は、今大会最長となるステージです。8本のステージの合計距離は133.22kmと三日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は269.05kmとなります。
1 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) 49m50.4s
2 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +2.5s
3 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +13.7s
4 Esapekka Lappi/Janne Ferm (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +37.3s
5 Craig Breen/Paul Nagle (Ford Puma Rally1 HYBRID) +56.1s
6 Gus Greensmith/Jonas Andersson (Ford Puma Rally1 HYBRID) +1m34.5s
7 Oliver Solberg/Elliott Edmondson (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +2m01.2s
8 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Ford Puma Rally1 HYBRID) +2m09.5s
9 Stéphane Lefebvre/Andy Malfoy (Citroën C3 Rally2) +3m41.4s
10 Andreas Mikkelsen/Torstein Eriksen (Škoda Fabia Rally2 evo) +3m56.9s