ラリー・モンテカルロのデイ3は、ギャップのサービスパークの西側エリアで、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は120.40kmと、4日間で最長の一日でした。前日に続き天気は良く路面は基本的にドライコンディションでした。しかし湿っているセクションも多く、早朝は霜やアイスに覆われた路面もあるなど、引き続きトリッキーなコンディションでの戦いになりました。
前日のデイ2で総合2位に順位を上げたオジエは、デイ3オープニングのSS9で遅れをとり総合3位に後退しました。しかし、続くSS10ではベストタイムを記録。午後の再走ステージ1本目となるSS12でもベストタイムを刻み、総合2位に復帰しました。さらに、続くSS13も制したオジエは0.8秒差ながらティエリー・ヌービル(ヒョンデ)を抑えて首位に。オジエにとっては記念すべき700回目のステージ優勝となりました。しかし、最終のSS14でヌービルがベストタイムを刻みトップに復帰し、土曜日の18ポイントの権利を獲得しました。
ヒュンダイi20 Nのスター、ヌービルは間違いなく午前中の勝者でした。昨晩3番手をキープしていたヌービルは、この日最初の氷が敷かれたステージでオジェから2位を奪い、昼前にはトップのエルフィン・エヴァンスからタイム差を縮めてトップに躍り出る事に成功。
しかしながら、オジェが午後のループの序盤でステージ連勝を果たし一時主導権を握る事に成功しましたが、ヌービルが終盤の数キロでオジェを上回り、3.3秒のアドバンテージを日曜日に持ち越しました。
ラリー・モンテカルロでは新しいWRCポイント体系が導入され、ヌービルは日曜日のステージを完走すれば18ポイントを獲得できます。オジェは15ポイント、トップから34.9秒差の3位につけたエヴァンスは13ポイント。
スーパーサンデーでは、ラリー最終日のウルフ・パワーステージで獲得できる5つのボーナスポイントに加え、最終日の上位入賞者が最大7ポイントを獲得できるチャンスがあります。
Thierry Neuville
“これ以上のものはない。最終ステージは最初から最後まで完璧だった。タイムは素晴らしいと感じたし、マルティンもステージ中に、最後までこのリズムをキープするように言っていたから、うまくいっているのは分かっていた。今朝はギャップを縮めることを目標に3位で出発したが、こんなに早くトップに立てるとは思っていなかった。クルマがうまく機能してくれたことと、グラベルのクルーたちが素晴らしい仕事をしてくれたおかげだ。彼らは僕に多くの信頼と、最終ステージでもっとプッシュするチャンスを与えてくれた。アドバンテージは3秒しかないので、明日は速く走る必要がある。クレバーに走り、どれだけポイントを獲得できるかを見極めなければならないが、安定した走りで1位をキープし、最大限のポイントを獲得することができれば素晴らしい結果になるだろう”
レ・ノニエール~シシリアンヌでのオジェのステージ優勝は、彼のキャリア通算700勝目。この偉業により、彼はフィンランドのレジェンド、ユハ・カンクネン(ステージ優勝699回)を抜き、WRCの歴代優勝回数ランキング4位に浮上した。
Sébastien Ogier
“誰にとってもエキサイティングな一日だったと思いますが、それはクルマに乗っている自分たちも同様で、本当に楽しむことができました。唯一良くなかったのは朝の最初のステージで、慎重になり過ぎてかなりタイムを失ってしまいました。しかしその後はいい一日になり、まずまずのペースで走ることができました。優勝争いに復帰しようと全力でプッシュしましたし、戦いはまだ続いています。トップとの差は僅か3秒なので、明日もエキサイティングな展開になると思います。特に朝最初のステージは3回目の走行となるので、大きなチャレンジになるでしょう。とても楽しみですし、完璧な一日になるように頑張ります。”
エバンスはGRヤリスのハイブリッドブーストがかからない状態でSS10をクリア。この問題を解決しても、彼は仲間の突然のスピードに答えを見つけることができませんでした。
Elfyn Evans
“今日はベストな一日ではありませんでした。午前中の一本目はブラックアイスが多くあり、見極めが難しいステージでした。2本目はハイブリッドパワーを得ることができず、理想的とは言い難い状況でした。そして午後は、どういうわけかペースが上がらなかったので、その原因を探る必要があります。それまでのような良いフィーリングを得られなかったのですが、実際のタイムほどは悪くありませんでした。とにかく、明日は新しいフォーマットで行われる新しい一日のようなものなので、上手く対処して再び戦いに加われるように準備したいと思います。”
ヒュンダイのオット・タナックは、ペラフォール/アニエール・アン・デヴォルイでステージ優勝を飾ったアドリアン・フルモーを引き離し、4位をキープ。SS12でM-SPORTの僚友、グレゴワール・ミュンスターがコースオフしたため、フルモーは保守的なアプローチをとっています。
ミュンスターの脱落により、アンドレアス・ミケルセンがヒュンダイのマシンで6位を獲得した。
8位はニコライ・グリャジンで、彼は現在、WRC2の覇権をめぐるスリリングな争いでペペ・ロペスをリード。ヨハン・ロッセルもまた、サポートカテゴリーの争いに加わり、トップ10入りを果たしました。
ラリー最終日となる1月28日(日)のデイ4は、早朝ギャップのサービスパークを出発した後、SS15として今大会三度目となる「ラ・ブレオル/セロネ」のステージを走行。続いてクラシックステージのSS16「ディーニュ=レ=バン/ショドン=ノラント」、有名なチュリニ峠を含むSS17「ラ・ボレーヌ=ベジュビー/コル・デ・チュリニ」という3本のステージを走行した後、モナコでフィニッシュを迎えます。なお、最終のSS17はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3本のSSの合計距離は52.12km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は320.86kmとなります。
End of day three (Saturday):
1 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) 2h37m58.5s
2 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.3s
3 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +34.9s
4 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +1m46.9s
5 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Ford Puma Rally1 HYBRID) +2m54.0s
6 Andreas Mikkelsen/Torstein Eriksen (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +4m21.2s
7 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +7m34.0s
8 Nikolay Gryazin/Konstantin Aleksandrov (Citroën C3 Rally2) +8m55.7s
9 Pepe López/David Vázquez (Škoda Fabia RS Rally2) +8m55.9s
10 Yohan Rossel/Arnaud Dunand (Citroën C3 Rally2) +9m02.6s