WRC Rallye Monte-Carlo 2021 Day 4
ラリー・モンテカルロのデイ4は、モナコのパルクフェルメを基点に、フランス山中で2本のステージを各2回走行。その合計距離は54.48kmでした。ラリー最終日はサービスの設定がなく、タイヤに関しても早朝ステージに向かう時に装着、搭載していたタイヤ以外は使用することができません。そのため、最終ステージにかけて路面コンディションがどのように変わっていくのかを、モナコを出発するまでに見極める必要がありました。
この日を首位でスタートしたオジエは、パワーステージでも今大会8回目のベストタイムを刻み優勝。2年ぶり、通算8回目(2009年のIRC開催大会も含む)となるラリー・モンテカルロ優勝を飾り、WRC通算50勝を達成しました。
トヨタとしても、過去ラリー・モンテカルロでは優勝3回。TOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamとしてWRCに復帰した2017年はヤリ-マティ・ラトバラが総合2位に入り、以降毎年表彰台を獲得してきましたが、今回ついにヤリスWRCがウイニングマシンとなりました。トヨタにとっては、1991年に初めてラリー・モンテカルロを制してから30年目となる記念すべき大会での、4回目の優勝となりました。
豊田 章男 (チームオーナー)
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの5シーズン目がスタートしました。この禍の中でも例年と変わることなくWRCの道で走る機会を準備してくださった皆さまに、まずは心からの感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。そして、その初戦モンテカルロで、ワンツーフィニッシュという素晴らしい結果を残してくれたチームのみんなにも“おめでとう”と“ありがとう”を伝えたいと思います。特に、1号車の誇りと責任を背負いながら、今回も確実に結果を残してくれたセブとジュリアン。地元での勝利、そして「50勝目」おめでとう! エルフィン、スコットも2位でのポイント獲得ありがとう! カッレとヨンネも最終日のパンクは悔しいけれど素晴らしい走りを見せてくれました。貴元もダンと共に走りきり、更なる成長を重ねてくれたと思います。自己最上位おめでとう。
昨秋からチームは新会社、新体制への移行に全力を注いでくれていました。クリスマス休暇も返上し、新体制でのシーズン開幕、そして、その勝利のために働き続けてくれたメンバーも少なくありません。現場からも「チームの誰か一人でも欠けていたらモンテカルロには間に合わなかった」という声が聞こえてきました。トミと戦い抜いてきた4シーズンを通じて培われた個々人のプロフェッショナリズムとチームワークの良さを、私も改めて感じることができ、嬉しく思いました。
モンテカルロの1週間前、新代表のヤリ-マティから、フィンランド、エストニア、ドイツ、日本にいる全てのチームメンバーに「全員の力が合わさって、はじめてヤリスが良いコンディションで走れる」という想いの共有があったそうです。ラリー中にもヤリ-マティは、チーム全員と話し、なんでも言い合える家庭的な雰囲気を作ろうとしてくれていたと聞きます。インタビューで「チーム運営に不安はないか?」という問いにヤリ-マティが「チームのみんながいるから全く不安はない」と即答してくれていた姿を見ました。私が目指すチームの雰囲気をヤリ-マティが作ろうとしてくれていること嬉しく思います。
ヤリ-マティも、チームメンバーも、そして私も、新体制でのシーズンスタートには少なからず不安があったかと思います。しかし、モンテカルロでのチームの姿を見て、私は、その不安が一切なくなりました。ヤリ-マティはこのチームをもっといいチームにし続けてくれるでしょう。そして、ドライバー、コドライバー、チームメンバーは、ヤリスを“もっといいクルマ”にしていってくれると確信しています。
ファンの皆さま、応援ありがとうございました。2021年シーズンも引き続きTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team をよろしくお願いいたします。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
チームを心から誇りに思います。何という素晴らしい結果でしょうか。この役職に就いて初めて挑んだラリーでいきなり1、2、4フィニッシュを飾り、貴元も6位に入りました。しかも、パワーステージでは最大のポイントを獲得したのですから信じられません。本当に素晴らしいチームと最高のドライバーたちです。ラリー開始直後から彼らは速く、その後セブは他を圧倒するようなステージタイムを何度も記録し、勝利を得ました。エルフィンはとても安定した走りを続け、週末を通してミスをしませんでした。また、カッレは今朝タイヤに不運なダメージを負って後退するまでは、表彰台争いに加わるチャンスがありました。それでも、総合4位は彼にとって良いスタートになったといえます。全体的に、最高の形でシーズンをスタートすることができたと思います。
タナクに対しては、長距離をホイールだけで走行した事が危険行為と判断されて、かなり厳しい裁定が下されています。
Final Overall Classification – Rallye Monte-Carlo
1 | S. Ogier | J. Ingrassia | Toyota Yaris WRC | 2:56:33.7 |
2 | E. Evans | S. Martin | Toyota Yaris WRC | +32.6 |
3 | T. Neuville | M. Wydaeghe | Hyundai i20 Coupe WRC | +1:13.5 |
4 | K. Rovanperä | J. Halttunen | Toyota Yaris WRC | +2:33.6 |
5 | D. Sordo | C. del Barrio | Hyundai i20 Coupe WRC | +3:14.2 |
6 | T. Katsuta | D. Barritt | Toyota Yaris WRC | +7:01.3 |
7 | A. Mikkelsen | O. Fløene | Škoda Fabia R5 | +7:23.6 |
8 | G. Greensmith | E. Edmondson | Ford Fiesta WRC | +8:21.1 |
9 | A. Fourmaux | R. Jamoul | Ford Fiesta R5 | +9:15.8 |
10 | E. Camilli | F. Buresi | Citroën C3 R5 | +10:41.0 |
2021 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings
After round 1
1 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team | 52 |
2 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 30 |
3 | M-Sport Ford World Rally Team | 10 |
4 | Hyundai 2C Competition | 8 |
2021 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings
After round 1
1 | S. Ogier | 30 |
2 | E. Evans | 21 |
3 | T. Neuville | 17 |
4 | K. Rovanperä | 16 |
5 | D. Sordo | 11 |
6 | T. Katsuta | 8 |
WRC次戦は、2月26日から28日にかけて開催されるWRC第2戦「アークティック・ラリー・フィンランド」です。本来第2戦はラリー・スウェーデンとなる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により中止となり、その代替イベントとして、同じくスノーラリーのアークティック・ラリー・フィンランドが初めてWRCのカレンダーに組み込まれました。このラリーはアークティック=北極圏という名の通り、フィンランド最北端の地域が舞台となり、ロバニエミを中心に開催される予定です。例年、1月から2月にかけては豊富な積雪があり、路面は雪と氷に覆われ、理想的なウインターコンディションが期待されます。