WRC FORUM8 RALLY JAPAN 2022 DAY3
フォーラムエイト・ラリー・ジャパンは明日の最終日に向け、優勝を目指すトップ2クルーがわずか4秒差で争うスリリング な展開となりました。
この日首位に立ったのはHyundai Shell Mobis World Rally Teamのティエリー・ヌービル。一方で金曜日終了時点でトップ だったエルフィン・エバンスも、優勝の可能性を残しています。
エバンスは土曜日のレグをヌービルに3.0秒差をつけてスタート。SS8 Nukata Fores(t 20.56km)で勝利し、その差を5.9秒 に広げましたが、SS9 Lake Mikawakoではヌービルがエバンスを1.2秒上回り、4.7秒差まで迫りました。このステージはトヨタの セバスチャン・オジエが最速タイムを記録している。
エバンスはSS10 Shinshiro Cityシングルステージで優勝。 ヌービルに6.5秒のマージンを築いて昼のサービスに戻ってきました。
一方のヌービルはペースノートの問題で5番手タイム。それでもNukata Forestでの再走行で、ヌービル はオジエに次ぐ2番手となり、エバンスに3.9秒差まで接近。
ヌービルはSS12でさらに調子を上げ、オジエが再び最速を記録したものの、ヌービルはエバンスを5.9秒上回り、2.0秒 差でついに総合首位に立ち、この日最後のステージとなるOkazaki City SSSに臨むこととなりました。
「実はあまりいい走りではなかった」と、ヌービル。「ステージの走り自体は良かったけど、デフのスピンに悩まされた。こ れが今日最後の長いステージでよかったよ」
岡崎市テストでの優勝を含め、 ヌービルはこの日の走りをこう総括した。「いい一日だったけど、 かなりチャレンジングで もあったね。一日を通してバランスに悩まされた。午後には良くなったけどね。明日は何ができるか見てみよう」
SS5からリードしながら首位から陥落したエバンスは、「午後はフロントのフィーリングが少し悪くなってしまった」とコメント。このままではシーズン未勝利に終わることになります。
カッレ・ ロバンペラはトヨタのホームラウンドで厳しい2日目を過ごした。 金曜日の時点では2番手に2秒1差の3番手につ けていたが、SS8で岩肌に衝突して右フロントホイールを損傷、パンクを喫した。さらにSS9で唯一のスペアホイールを破損 して大幅なタイムロスを余儀なくされ、午前中のループを抜けて豊田スタジアムに戻った。
「右コーナーの何かに接触したけど、大きな衝撃はなかった。ただスペアもないし、クルマも右方向のコーナリングは完璧じゃない。思うように動いてくれないし、曲がってくれないんだ」
マシンの修復を終えたロバンペラは総合12位で午後のループに入ったが、首位から5分以上離された上にダメージを受 けたままで走行を続けたことでタイムペナルティも受けてしまう。しかしロバンペラはマシンセットアップに集中し、ペース が上がらないことはあまり気にしていなかった。
ロバンペラの不運によってオィット・タナクが総合3位、地元のヒーロー勝田貴元は4位に躍進した。
今年の勝田はWRCで最も安定した走りを見せるひとり。この日もSS10で総合3番手タイムを叩き出した。一方でSS9につ いては、「ものすごく滑りやすかった。ステージ終盤についての情報が何もなかったし、まともに走れませんでした」と、コ メントしています。
M-Sport Ford World Rally Teamのトップランナーであるガス・グリーンズミスは、パワーステアリングのトラブルにより6 位でフィニッシュした。金曜日の朝にクラッシュしたクレイグ・ブリーンは、FORD Puma Rally1の2号車で再スタートし、新た に組んだコ・ドライバーのジェームズ・フルトンと共にトップ6内のタイムを連発した。
エミール・リンドホルムのWRC2タイトル獲得の望みは、サミ・パヤリの遅れによってさらに可能性が増した。一方、グレ ゴワール・ミュンスターは、テーム・スニネンが技術的な問題でタイムペナルティを受けたことでクラス3位に浮上しました。
2022年WRCの最終日は、5つのステージ、距離69.82kmで構成され、珍しく土曜日の日程よりわずかに短いものとなっています。
旭高原(SS15/SS19、7.52km)がこの日最も短く、パワーステージを兼ねたトップ&テールランとなる。その間に恵那市を通過する2つの区間(SS16/SSS18、21.59km)があり、その中間に位置する根ノ上高原(SS17、11.60km)は控えめな設定となっています。