WRC Acropolis Rally Greece 2021 DAY1
アクロポリス・ラリー・ギリシャは、1951年に初めて開催され、WRCには初年度の1973年からシリーズに組み込まれていた、非常に長い歴史と人気を誇るラリーです。2013年の大会を最後にWRCとしては開催されていませんでしたが、今年8年ぶりにカレンダーに復帰しました。ラリーは9日木曜日の午前中に、サービスパークが置かれる中央ギリシャの都市「ラミア」の近くで、全長4.25kmのシェイクダウンが行われました。通常アクロポリスのグラベル(未舗装路)ステージはドライコンディションでの走行となることが多いですが、ラリーウイーク前半のレッキ(ステージの事前下見走行)の段階から降雨が続き、ステージの多くの区間が泥状に。シェイクダンのステージも同様に雨でぬかるみ、非常に滑りやすく難しいコンディションでした。
その後、選手たちはラミアから約200km南東に離れた首都アテネに移動。アクロポリスの丘にそびえるパルテノン神殿の下で夕方5時半からセレモニアルスタートが行われ、その直後にアテネ中心部のシンタグマ広場で全長0.98kmのターマック(舗装路)のオープニングのSS1がスタート。
翌日の朝から本格的なグラベル(未舗装路)ステージでの戦いがスタート。アテネを起点に、5本合計89.40kmのステージが日中のサービスを挟むことなく行なわれました。舞台となったルートラキ周辺は好天に恵まれ、気温は日中30度程度まで上昇。路面コンディションはドライとなり、出走順が早い選手達にとっては不利な走行条件となりました。
路面には滑りやすい砂利や石が散乱し、それを掃き飛ばしながらの困難な走行となり、出走順が早い選手にとっては不利なコンディションの中、SS3でベストタイムを刻んだロバンペラが総合1位に順位を上げ、さらにSS4でもベストタイムをマークしてリードを守りました。
SS2終了時点で総合3位につけていたエバンスは、SS3でギヤチェンジに関するトラブルに見舞われ3速しか使えない状態となりタイムロス。
またヒュンダイのヌービルは、朝のスタート時点から電気系統のトラブルに見舞われ、さらにパワーステアリングにも問題が発生。タイヤフィッティングゾーンで問題に気が付き修復を試みましたが時間が足りず、サービスが無い中、残り2ステージを前に復旧完了。今日はドライバーというよりもメカニックのようで、最終的にマシンを復旧出来た事を誇りに思うと振り返りました。
Kalle Rovanperä
とてもいい一日でした。朝最初のステージは少し慎重に走りましたが、その後は少しずつプッシュできるようになり、楽しんで走ることができました。路面は非常に難しいコンディションで、自分の前を走る予定だった選手達が後退し、途中で出走順が2番手になって以降は、かなり多くのルーズグラベルを掃き飛ばしながら走らなければなりませんでした。ドライになった今日の路面は、予想を越えるコンディションでしたし、二回目に走ったステージは本当に荒れていたため、クルマとタイヤをケアしながら走る必要がありました。明日は、今週前半にレッキをした時とは天気が大きく異なるので、今日とは全く違う展開になるかもしれません。1本のステージはほぼ深い霧の中でレッキを行いペースノートを作成したのでとても大変でしたし、グリップが変化する場所が増えたり、湿っている場所が変わっているかもしれません。
1 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota Yaris WRC) 1h01m57.1s
2 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 Coupe WRC) +3.7s
3 Sébastien Ogier/Julien Ingrassia (Toyota Yaris WRC) +3.9s
4 Dani Sordo/Candido Carrera (Hyundai i20 Coupe WRC) +23.9s
5 Adrien Fourmaux/Renaud Jamoul (Ford Fiesta WRC) +54.2s
6 Gus Greensmith/Chris Patterson (Ford Fiesta WRC) +1m23.3s
7 Marco Bulacia/Marcelo Der Ohannesian (Škoda Fabia Rally2 evo) +2m40.9s
8 Andreas Mikkelsen/Elliott Edmondson (Škoda Fabia Rally2 evo) +2m46.3s
9 Chris Ingram/Ross Whittock (Škoda Fabia Rally2 evo) +2m52.7s
10 Kajetan Kajetanowicz/Maciej Szczepaniak (Škoda Fabia Rally2 evo) +3m03.1s
デイ2は、ラミアのサービスパークを中心に、日中のサービスを挟んで6本のステージが行われます。そのうち「パヴリャニ」と「エレフテロホリ」は各2回走行し、残る2本のステージはそれぞれ1回のみの走行となります。6本のステージの合計距離は132.56kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は450.38kmとなります。