ueno Rally del Paraguayの最終日(デイ3)は、サービスパークの北および北西エリアを舞台に、2本のステージをミッドデイサービスを挟まず各2回走行。再走前に独立した1本(SS20)を加え、合計5本・66.35kmと3日間で最短のitineraryとなりました。降雨の影響で一部が湿ったり泥状になったトリッキーなコンディションの中、大きなドラマが次々と生まれました。
オープニングのSS18では降雨により一部が湿潤・泥状の難コンディションとなり、セバスチャン・オジエがベストタイムを記録。ほぼドライに戻ったSS19とSS20ではオリバー・ソルベルグが連続ベストをマークしました。デイ2終了時点でヘイデン・パッドン(Hyundai)に24.1秒のリードを築いていたサミ・パヤリは、確実性を重視したクリーンな走りを続け、3本終了時点で差を26.1秒にわずかに広げました。
しかしリピートステージの1本目となるSS21で、出走順トップだった勝田貴元がハイスピードセクションでクラッシュ。勝田とコ・ドライバーのアーロン・ジョンストンは無事でしたが、念のため病院で検査を受け、問題なしと確認されて午後に退院しました。このアクシデントによりステージはキャンセルされ、ドライバーたちは最終のパワーステージSS22「エンカルナシオン2」(10.21km)へ向かいました。
パワーステージではソルベルグがベストタイム、オジエが2番手タイムを記録。パヤリは最終ステージでも慎重なアプローチを崩さず7番手タイムでまとめ、パッドンに25.8秒差をつけて優勝を飾りました。24歳のパヤリとマルコ・サルミネンは、今シーズン地元ラリー・フィンランドでWRC初優勝、続くエストニアでも優勝し、今回でキャリア最初の3勝を3戦連続で達成したWRC史上初のクルーとなりました。エストニアやフィンランドの高速路とは全く異なる、バンプや圧縮、粘土質路面に隠れた鋭い岩、高い気温、雨の脅威が常に付きまとう厳しい南米の道を、無理なリスクを避けたクレバーなドライビングで乗り切りました。

デイ2終了時点で総合3位だったエルフィン・エバンスは、アドリアン・フルモー(Hyundai)に3.3秒のリードでスタートしましたが、SS18で総合4位に後退。最終的にフルモーに5.1秒差の総合4位でフィニッシュしました。それでもパワーステージ4番手タイムとスーパーサンデー5位により貴重なボーナスポイントを獲得し、ドライバー選手権首位を守り、パヤリを20ポイントリードして残り3戦に臨みます。
ソルベルグはパワーステージをオジエに2.2秒差で制し総合5位。スーパーサンデーではオジエと同タイムとなり、合計9ポイントのボーナスを獲得して勝田を抜きドライバー選手権3位に浮上しました。オジエはデイ1のデイリタイアが響き総合34位でしたが、ボーナス9ポイントを手にしました。TGR-WRTはマニファクチャラー選手権で首位を守り、2位との差を173ポイントに拡大。残り3戦で獲得可能な最大ポイントは180ポイントのため、次戦次第ではタイトル決定の可能性も残しています。
WRC2では地元パラグアイのディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペニャーテ組(MSi Racing Team)が首位を守り切り、初優勝を飾りました。2位にガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン組(RaceSeven)、3位にアレハンドロ・ガランティ/マルセロ・トヨトシ組が入り、GR Yaris Rally2が初の1-2-3フィニッシュを達成。TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀はSS19で5番手、SS22で6番手タイムを記録するなど速さを示し、デイ1の技術的問題によるデイリタイアで大幅にタイムロスしながらも14位で自身初の南米戦を完走しました。
1位 サミ・パヤリ(GR YARIS Rally1 5号車)
本当に嬉しく、誇らしい瞬間です。これまで誰も成し遂げたことのないようなことを達成したのだと知り、本当に特別な気持ちです。改めて、チームに心から感謝します。ドライバーにとってもチームにとっても決して簡単なラリーではなかったからこそ、これほど信頼性の高いクルマを作り上げられたことが、今回の成功の鍵となりました。このラリーはエストニアやフィンランドとは全く異なり、常に全開で走るのではなく、様々な状況に対応し、クレバーに運転することを心がけました。本当に厳しいラリーでしたが、だからこそ優勝できた喜びは格別です。チャンピオンシップ争いでも好位置につけています。まだポイント差はありますが、これからもできる限りベストを尽くし続けます。
2位 ヘイデン・パッドン(Hyundai i20 N Rally1)
この表彰台は本当に価値のあるものに感じます。多くの人が私たちを見限っていたかもしれませんが、信じてくれた人たちもいて、自分たち自身も信じていました。決して諦めないことが大事だと示せました。初日からのギャップ管理を続け、厳しいコンディションを乗り切りました。
3位 アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1)
金曜日に1分50秒以上差をつけられながら、最終的に表彰台まで戻れたのは信じられないほど素晴らしい週末でした。ペースには自信があり、もっと上を狙える内容でしたが、パンクが響きました。それでも大きな前進です。
4位 エルフィン・エバンス(GR YARIS Rally1 33号車)
金曜日の午前中は順調なスタートを切りましたが、午後にタイヤの問題が発生してからは、なかなか良いリズムで走れず、非常に好調だったアドリアンを抑えるだけのペースがありませんでした。金曜日の波乱の後、コンディションが過酷だったこともあり、少し慎重になりすぎたのかもしれませんが、リスクとリターンのバランスを取るのは容易ではありませんでした。今週末の結果に完全に満足しているわけではありませんが、より厳しい状況に陥ったドライバーたちもいましたし、私たちはまずまずのポイントを獲得できたと思います。
5位 オリバー・ソルベルグ(GR YARIS Rally1 99号車)
今朝最初のステージでは、クルマが走るごとに路面がどんどん泥だらけになっていったため、少しタイムを失ってしまいました。しかし、その後は走行した全てのステージで優勝することができたので、その点については満足しています。メカニックたちは、信じられないくらい荒れた展開となった今回のイベント期間中、クルマを走り続けさせるために、素晴らしい仕事をしてくれました。チームにはとても感謝しています。金曜日は細かな部分で少し不運があり、それがタイムロスにつながったと思いますが、それでもファンの皆さんの情熱と応援を肌で感じて笑顔になれた、素晴らしい週末でした。
6位 ジョシュ・マッカーリーン(Ford Puma Rally1)
総合6位で自身のベストタイ記録を更新。厳しいコンディションの中で粘り強く走り切り、ポジティブな週末となりました。ギアステックのトラブルもツールで応急対応して完走しました。
7位 ディエゴ・ドミンゲス(GR Yaris Rally2)
地元パラグアイでWRC2初優勝を飾り、総合7位。大統領からの激励も受けたホームでの勝利に「信じられない。特に父に捧げます」と感極まりました。GR Yaris Rally2の1-2-3を牽引する活躍でした。
8位 ガス・グリーンスミス(GR Yaris Rally2)
WRC2で2位(総合8位)。ドミンゲスに22.7秒差で続き、RaceSevenが用意したクルマで安定した走りを見せました。GR Yaris Rally2の初の1-2-3フィニッシュの一翼を担いました。
9位 アレハンドロ・ガランティ(GR Yaris Rally2)
地元パラグアイのガランティ/マルセロ・トヨトシ組がWRC2 3位(総合9位)。TOYOTA GAZOO Racing Paraguayのマシンでホームでの表彰台を獲得し、GR Yaris Rally2の1-2-3を完成させました。
10位 テイラー・ギル(Škoda Fabia RS Rally2)
総合10位でフィニッシュ。WRC2勢として上位グループに食い込み、厳しいパラグアイの道を完走しました。
次回のイベント情報
WRC次戦は、9月10日(木)から13日(日)にかけて南米のチリで開催される、第12戦「ラリー・チリ・ビオビオ」です。約1週間のインターバルを経て行われるこのラリーは、今年でWRC開催5回目。チリ中南部ビオビオ州の州都「コンセプシオン」を中心に、グラベルラリーとして3日間にわたり競技が行われます。太平洋を見渡す森林地帯に設定されるコースは中高速のステージが大部分を占め、路面は全体的にスムースですが、タイヤの摩耗に厳しいセクションも多くあります。
最終総合順位(Power Stage後)
| Pos | Driver / Co-driver | Team / Car | Time / Gap |
|---|---|---|---|
| 1 | Sami Pajari / Marko Salminen | TOYOTA GAZOO Racing / GR YARIS Rally1 | 3h13m28.5s |
| 2 | Hayden Paddon / John Kennard | Hyundai Shell Mobis WRT / i20 N Rally1 | +25.8s |
| 3 | Adrien Fourmaux / Alexandre Coria | Hyundai Shell Mobis WRT / i20 N Rally1 | +40.0s |
| 4 | Elfyn Evans / Scott Martin | TOYOTA GAZOO Racing / GR YARIS Rally1 | +45.1s |
| 5 | Oliver Solberg / Elliott Edmondson | TOYOTA GAZOO Racing / GR YARIS Rally1 | +2m57.0s |
| 6 | Josh McErlean / Eoin Treacy | M-Sport Ford WRT / Puma Rally1 | +4m19.0s |
| 7 | Diego Domínguez / Rogelio Peñate | MSi Racing / GR Yaris Rally2 | +7m40.5s |
| 8 | Gus Greensmith / Jonas Andersson | RaceSeven / GR Yaris Rally2 | +8m03.2s |
| 9 | Alejandro Galanti / Marcelo Toyotoshi | TOYOTA GAZOO Racing Paraguay / GR Yaris Rally2 | +10m23.0s |
| 10 | Taylor Gill / D. Brkic | Toksport WRT 2 / Škoda Fabia RS Rally2 | +10m36.9s |
ドライバー選手権順位(第11戦終了時点)
| Pos | Driver | Points |
|---|---|---|
| 1 | Elfyn Evans | 216 |
| 2 | Sami Pajari | 196 |
| 3 | Oliver Solberg | 175 |
| 4 | Takamoto Katsuta | 160 |
| 5 | Adrien Fourmaux | 149 |
| 6 | Sébastien Ogier | 148 |
| 7 | Thierry Neuville | 129 |
| 8 | Hayden Paddon | 38 |
| 9 | Josh McErlean | 29 |
| 10 | Esapekka Lappi | 25 |
マニファクチャラー選手権順位(第11戦終了時点)
| Pos | Team | Points |
|---|---|---|
| 1 | TOYOTA GAZOO Racing WRT | 554 |
| 2 | Hyundai Shell Mobis WRT | 381 |
| 3 | TOYOTA GAZOO Racing WRT 2 | 210 |
| 4 | M-Sport Ford WRT | 138 |
※公式発表に基づく。TGR-WRTのリードは173ポイント。残り最大獲得可能ポイントは180ポイント。