パヤリがカオスのパラグアイ初日を制す WRC 2026 ueno Rally del Paraguay DAY1

南米を舞台に行われるグラベル2連戦の初戦、ueno Rally del Paraguayは、WRC開催2年目となる今年も首都アスンシオンから南東に約360km離れたエンカルナシオンを拠点に開催されています。27日(木)午前にシェイクダウンが行われ、勝田貴元選手が1番手タイムを記録。夜のセレモニアルスタートで華やかに開幕した大会は、28日(金)から本格的な競技に入りました。

競技は28日(金)の朝から始まり、デイ1として、サービスパークの東側エリアを中心に、4本のステージをエンカルナシオンでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうちSS3/7は全長34.08kmと今大会最長、そして今シーズンここまでのところ最長のステージでした。また、8本のステージの合計距離は153.78kmと、3日間で最も長い一日となりました。パラグアイのグラベルステージは、粘土質の赤土の道が特徴であり、非常に多くの隆起や窪みがあり、土の中には鋭い岩や石が隠れています。そのため、スタート前からクルマ、タイヤ、ドライバーにとって非常に厳しいラリーになることが予想されていましたが、オープニングステージのSS1から多くのドライバーがトラブルやアクシデントに遭遇。

オープニングのSS1で勝田貴元選手(Toyota GR Yaris Rally1)がコースオフを喫し横転。ダメージを負ってデイリタイアとなりました。続くステージではセバスチャン・オジエ選手(Toyota GR Yaris Rally1)がジャンプ着地でパンクし、さらに電気系統のトラブルも発生。集中力が切れたままオーバースピードでクレストを越え土手に接触、左フロントサスペンションを破損してデイリタイアに追い込まれました。ティエリー・ヌービル選手(Hyundai i20 N Rally1)もSS1でジャンプ着地後に石に乗りパンク、ブレーキラインとサスペンションを損傷してリタイアしています。

序盤を支配したのはオリバー・ソルベルグ選手(Toyota GR Yaris Rally1)でした。SS1・SS2で連続ベストタイムを記録し、ヘイデン・パッドン選手(Hyundai i20 N Rally1)に7.1秒差をつけて首位に立ちます。しかしSS3のシケインでパワーダウンに見舞われストップ。観客の助けを借りて再始動したものの、その後スローパンクチャーでタイヤ交換を行い、約4分を失って総合17位まで後退しました。

ドライバー選手権首位のエルフィン・エバンス選手(Toyota GR Yaris Rally1)は不利な1番手スタートを担いながらも、SS3でタイヤの問題を抱えつつ上手く乗り切り、午前終了時点でパッドン選手と26.7秒差の総合3位。サミ・パヤリ選手(Toyota GR Yaris Rally1)は午前中に水漏れが発生してペースを落とさざるを得ませんでしたが、エバンス選手と6.5秒差の総合4位でサービスに戻りました。

午後のループではエバンス選手が速さを発揮し、SS5で2番手、SS6でパヤリ選手と2番手タイムをシェアして首位に浮上。しかしSS7で右リアタイヤがデラミネーションを起こし、最終的に完全に破壊されて約1分をロス。総合3位に後退しました。一方、パヤリ選手は同ステージでベストタイムを記録して首位に立ち、最終のSS8も4番手タイムでまとめ、パッドン選手に11.9秒、エバンス選手に56.3秒のリードを築いてデイ1を終えました。パッドン選手もSS6とSS7でタイヤトラブルに見舞われましたが、首位からわずか11.9秒差の2位をキープ。アドリアン・フルモー選手(Hyundai i20 N Rally1)は4本のステージベストを記録する速さを見せながらも、SS3とSS7でのパンクでタイムを失い総合4位。ジョシュ・マクリーン選手(Ford Puma Rally1)が5位につけています。

WRC2では地元パラグアイのディエゴ・ドミンゲス選手(Toyota GR Yaris Rally2)が首位を独走し、総合でも6位。ガス・グリーンスミス選手、マルコ・ブラチア選手とGR Yaris Rally2がトップ3を独占しました。TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀選手はSS6終了後に技術的な問題でデイリタイアとなっています。

ソルベルグ選手は午後に挽回を図り総合8位で初日を終え、首位から3分33.3秒差。雨が予想される土曜日はさらにトリッキーなコンディションになる可能性が高く、誰もが生き残りを強いられる展開が続きそうです。

1位 サミ・パヤリ(Toyota GR Yaris Rally1)

午前中に水漏れが発生してペースを落とさざるを得ませんでしたが、サービスで修理後は本来の性能を発揮。SS7でベストタイムをマークして首位に浮上し、初日をリードで終えました。「クレイジーな一日でしたが、首位に立てて嬉しい。ただこのラリーではそれほど大きな意味はない。天気予報を見る限り、これからが最も過酷な日々になるかもしれません」と語っています。

2位 ヘイデン・パッドン(Hyundai i20 N Rally1)

午前中のループをほぼ無難にこなし、SS3でベストタイムを記録して一時首位に。午後にSS6・SS7でタイヤトラブルに見舞われながらも、大きなタイムロスを抑え2位をキープしました。「今日はみんな問題を抱えていた。2本のステージをパンクで走り切りながらも差が少ないのは不運と幸運の両方。明日が本当に厳しい日になるだろう」とコメントしています。

3位 エルフィン・エバンス(Toyota GR Yaris Rally1)

1番手スタートの不利を抱えつつクリーンな走りを心がけ、午後に一時首位に浮上。しかしSS7で右リアタイヤが完全に破壊され約1分をロスしました。「ほぼ全員にとってドラマチックな一日。タイヤにとって厳しいコンディションでタイムを失いましたが、他の選手よりはマシでした。明日の雨でまた違う困難が待っているかもしれません」と述べています。

4位 アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1)

SS3でパンクして順位を落としながらも、その後4本のステージベストを記録する圧倒的な速さを披露。SS7でも再度パンクしながら4位で終えました。「ペースとタイヤマネジメントには満足しています。デラミネーションが課題ですが、明日雨が降れば本当に難しい一日になるでしょう」と振り返っています。

5位 ジョシュ・マクリーン(Ford Puma Rally1)

午前中は2位まで浮上する好走を見せ、SS6終了時点でも首位とわずか9.8秒差。しかしSS7でタイヤ交換のためストップし2分以上を失いました。

6位 ディエゴ・ドミンゲス(Toyota GR Yaris Rally2)

地元ドライバーとしてWRC2首位を独走し、総合でも6位につける大健闘。大統領からセレモニアルスタートで激励を受け、国旗を高々と掲げました。

7位 ガス・グリーンスミス(Toyota GR Yaris Rally2)

ドミンゲス選手に39.4秒差のWRC2 2位。安定した走りで総合7位を確保しています。

8位 オリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1)

SS1・SS2で連続ベストを記録し首位に立つも、SS3でエンジンストップとパンクで約4分をロス。午後はクリーンに走り順位を挽回しました。「予想以上にトリッキーな一日。タイムロスは残念ですが、まだ何も終わっていません。天候が荒れれば何が起こるかわかりません」と前向きに語っています。

9位 マルコ・ブラチア(Toyota GR Yaris Rally2)

WRC2 3位で総合9位。安定したペースで上位をキープしました。

10位 ロメット・ユルゲンソン

総合10位で初日を終えました。


競技2日目となる8月29日(土)のデイ2は、サービスパークの北東エリアで4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、一日の最後にはSS17として新たにエンカルナシオン市街地に設けられた全長3.1kmのスーパーSSを走ります。9本のステージの合計距離は135.74km、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は413.44kmとなります。

PosDriver / Co-driverTeam / CarTime / Gap
1Sami Pajari / Marko SalminenToyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally11:28:28.7
2Hayden Paddon / John KennardHyundai Shell Mobis WRT / i20 N Rally1+11.9
3Elfyn Evans / Scott MartinToyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1+56.3
4Adrien Fourmaux / Alexandre CoriaHyundai Shell Mobis WRT / i20 N Rally1+1:51.3
5Josh McErlean / Eoin TreacyM-Sport Ford WRT / Puma Rally1+2:23.1
6Diego Domínguez / Rogelio PeñateToyota GR Yaris Rally2+2:36.0
7Gus Greensmith / Jonas AnderssonToyota GR Yaris Rally2+3:15.4
8Oliver Solberg / Elliott EdmondsonToyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1+3:33.3
9Marco Bulacia / José MuradoToyota GR Yaris Rally2+4:01.4
10Romet Jürgenson / Siim OjaFord Fiesta Mk II+4:36.9