
WRC世界ラリー選手権2026年第3戦、Safari Rally Kenyaが3月12日から15日にかけてケニア・ナイバシャ周辺で開催されます。1953年に初めて開催されたこのラリーは、長い歴史と人気を誇るクラシックイベントであり、約20年のブランクを経て2021年WRCのカレンダーに復帰しました。
総競技距離350.52km、20ステージで構成され、ケニアのサバンナを舞台にした過酷なグラベルイベントです。粉末のようなフェシュフェシュ、深いウォータースプラッシュ、突然の豪雨による泥濘、岩石や野生動物の脅威など、予測不能な条件がドライバーとマシンを厳しく試します。スピードよりも信頼性とクリーンな走りが鍵となり、各チームはスノーケルや高車高設定、強化ボディなどの対策を施して臨みます。
今年のサファリ・ラリーは、前年よりもコンパクトなパッケージとなり、首都ナイロビでのセレモニアルスタートおよび、ナイロビ郊外のカサラニで行われてきたオープニングステージは姿を消しました。サービスパークは引き続き、ナイロビの北東約100kmに位置するナイバシャ湖の近くに置かれ、競技は12日の木曜日からスタート。木曜日はまず午前中にサービスパークの近くでシェイクダウンが行われ、午後4時過ぎからデイ1としてSS1「キャンプ・モラン1」、SS2「ムザビブ1」という2本合計33.21kmのステージが行われます。
競技2日目となる13日金曜日のデイ2は、一日を通してステージが設定されるフルデイの初日。前日のSS1の再走となるSS3「キャンプ・モラン2」に続き、ナイバシャ湖周辺で「ロルディア」「ケンゲン・ジオサーマル」「ケドング」という定番のステージを、ミッドデイサービスを挟んで、午前と午後に各2回走行します。そのうち全長25.04kmのロルディアは、今大会最長のステージとなります。さらに、一日の最後にはSS2の再走となるSS10「ムザビブ2」を走行。8本のステージの合計距離は137.19kmと、4日間で最長の一日となります。
競技3日目となる14日土曜日のデイ3は、風光明媚なエレメンタイタ湖の周辺で「ソイサンブ」「エレメンタイタ」「スリーピング・ウォリアー」という、やはり定番の3ステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は122.72kmとなります。
競技最終日となる15日、日曜日のデイ4は、ナイバシャ湖の南側エリアで「オセレンゴニ」と「ヘルズゲート」という名物ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。4本のステージの合計距離は57.40km、最終ステージとなるヘルズゲートの2本目、SS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全20本で、合計距離は昨年大会よりも約33km短い350.52km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1217.64kmが予定されています。
トヨタ・ガズー・レーシング(Toyota Gazoo Racing)
GR Yaris Rally1を5台投入する強力布陣で、2021年から2025年まで5連勝を達成し、チーム史上計13勝を誇るSafariのスペシャリスト集団です。過酷な地形に強い堅牢なマシンを武器に、今年もポディウムスウィープを狙います。シュノーケル(外部吸気装置)を装着し、水や砂の侵入を防ぐ対策を徹底。シーズン序盤2戦でポディウムを独占した勢いを活かし、コンパクトになったステージレイアウト(昨年比約33km短縮)に対応します。
• エルフィン・エバンス / スコット・マーティン(#33):昨年初優勝。エバンス選手は「昨年は悪天候の中で勝ちましたが、今年も岩や隠れた水溜まりに注意し、連続優勝を目指します」とコメント。チームの経験を最大限に活かした安定走行が期待されます。
• セバスチャン・オジエ / ヴァンサン・ランデ(#1):過去2勝。オジエ選手は「アフリカのファンに会えるのが楽しみ。湿った条件になる可能性もあるので、謙虚に走ります」と語り、早いシーズンでのケニア参戦に意欲を見せています。
• オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン(#99):GR Yaris Rally1初ケニア。ソルベルグ選手は「クリーンな走りで大量ポイントを獲得したい。チームのマシンは信頼性が高いです」と力強くコメント。
• 勝田貴元 / アーロン・ジョンストン(#18):過去3回ポディウム。勝田選手は「スウェーデンの好調をキープし、スピードを抑えてコントロール重視で好結果を」と意気込みます。
• サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン(#5、TGR-WRT2):昨年4位。パヤリ選手は「昨年学んだ経験を活かし、攻撃と守りの判断を賢くしてポディウムを目指します」と語っています。
チーム代表代理のユハ・カンクネン氏は「厳しい地形ですが、トヨタは常に強いマシンを準備してきました。5連勝の記録を更新したい」と抱負を述べました。
ヒュンダイ・シェル・モビス・ワールドラリーチーム(Hyundai Shell Mobis World Rally Team)
Hyundai i20 N Rally1 Evo仕様車を初めてケニアに投入する3台体制。昨年はダブルポディウム(2位・3位)を達成しており、信頼性向上を最優先にマシンを強化。高車高設定、強化アンダーボディ、シュノーケル+専用ウォータースプラッシュ吸気システム、拡張スペアパーツ搭載で岩・泥・フェシュフェシュ対策を徹底。ヨーロッパでのシミュレーション走行(人工水越えや高地テスト)で準備を進めました。雨によるステージ破壊を避ける4番手スタート(フルモー選手)も有利です。
• ティエリー・ヌービル / マルティン・ワイデッグ(#11):昨年3位で初ポディウム。ヌービル選手は「昨年ポディウムを取れたので、トラブルフリーで再び表彰台へ。パンク回避とセットアップ最適化が鍵です」とコメント。
• アドリアン・フルモー / アレクサンドル・コリア(#16):フルモー選手は「4番手スタートは強み。タイヤ管理とクリーンラリーでポディウムを狙います。雨で泥や大きなウォータースプラッシュが増えそうですが、慎重に」と語っています。
• エサペッカ・ラッピ / エンニ・マルコネン(#4):スウェーデン好調継続。ラッピ選手は「純粋なパフォーマンスより信頼性が大事。デミストシステムを強化し、フェシュフェシュはフルスロットルで乗り切ります。エンニの過去レッキ経験も活かします」と意欲的です。
WRCスポーティングディレクターのアンドリュー・ウィートリー氏は「信頼性と忍耐が勝利の鍵。Evo仕様車のポテンシャルを活かしてトップ争いに戻ります」と強調。エンジニアのマッシモ・カリエロ氏は「シュノーケルや強化グリルでエンジン保護を徹底。欧州テストで可能な限り再現しました」と説明しています。
Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチーム(M-Sport Ford World Rally Team)
Ford Puma Rally1を2台投入。経験豊富なマクレーン選手とケニアデビューのアームストロング選手を中心に、ミスなくクリーンな走りを徹底する作戦です。高車高設定、スノーケル、強化フロントグリルで過酷な地形に対応。ワークショップでの徹底準備とリサーチを重ね、生存率を高めます。
• ジョシュ・マクレーン / イーオン・トレイシー(#55):昨年経験あり。マクレーン選手は「ケニアは最難関の一つ。賢く車を守り、コンスタントに走って好結果を」とコメント。
• ジョン・アームストロング / シェイン・バーン(#95):ケニア初挑戦。アームストロング選手は「準備とリサーチを重ね、クリーンランでベストを尽くします」と意気込んでいます。
チーム代表のリチャード・ミレナーは「マクレーン選手の経験と新人の挑戦が楽しみ。環境を尊重したミスフリー走行で固い結果を狙います」と語りました。
| Year | Driver / Co-Driver | Team / Car |
|---|---|---|
| 2021 | Sébastien Ogier / Julien Ingrassia | Toyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1 |
| 2022 | Kalle Rovanperä / Jonne Halttunen | Toyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1 |
| 2023 | Sébastien Ogier / Vincent Landais | Toyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1 |
| 2024 | Kalle Rovanperä / Jonne Halttunen | Toyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1 |
| 2025 | Elfyn Evans / Scott Martin | Toyota Gazoo Racing / GR Yaris Rally1 |




