RallyFunJapan > WRC > WRC 2026 > 3_SAFARI2026 > 過酷な1日を乗り切り勝田貴元がリード:WRC 2026 SAFARI Rally Kenya Day3
RallyFunJapan | 過酷な1日を乗り切り勝田貴元がリード:WRC 2026 SAFARI Rally Kenya Day3

サファリ・ラリー・ケニアのデイ3は、近年WRCで最も過酷な1日となったと言っても過言ではありません。エレメンタイタ湖周辺に設定された「ソイサンブ」「エレメンタイタ」「スリーピング・ウォリアー」の3ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行する予定でしたが、午後の激しい雨と路面の極端な悪化により、最終ステージであるスリーピング・ウォリアー2回目が安全上の理由でキャンセル。予定されていた122.72kmの競技区間は大幅に短縮されました。

朝方は比較的晴れ渡り、路面もドライ基調に見えましたが、実際には深い泥に覆われた極めて滑りやすい箇所や、大きな岩や石が散乱する荒れ果てた区間が続き、多くの車両が深刻なダメージを受けました。

この日の最大のドラマは午前のループで発生しました。総合首位を守っていたオリバー・ソルベルグをわずか1秒差で追っていたセバスチャン・オジエがオープニングステージ(SS11 ソイサンブ1)でタイヤに大きなダメージを負い、交換作業で約2分をロスして総合5位に後退。一方で、エルフィン・エバンスが好タイムで2位に浮上し、ソルベルグとの差を23.6秒に縮めました。

続くSS12エレメンタイタ1ではソルベルグがタイヤの空気圧を失いながらも首位を死守しましたが、SS13スリーピング・ウォリアー1でエバンスが右リヤサスペンションを破損してストップ。2024年アクロポリス・ラリー以来となるデイリタイアを強いられました。

さらに衝撃的な出来事がリエゾン(移動区間)で起きました。ステージを終えてサービスに戻る途中で、ソルベルグとオジエの両車が同時にストップ。原因はスリーピング・ウォリアーの粘り気のある深い泥がオルタネーター内部に侵入し、バッテリーへの充電が停止したことでした。ソルベルグ車はさらにトランスミッションにもダメージを負っていました。これによりトヨタの1-2-3体制が一瞬にして崩壊。慎重にトラブルを回避してきた勝田貴元が突然首位に浮上するという劇的な展開となりました。

午後に入っても混乱は続き、ヒュンダイのティエリー・ヌービルがSS14ソイサンブ2でトリプルパンクチャーを喫してリタイア。代わってチームメイトのフルモーが2位に浮上しました。一方、朝に5分以上のタイムロスを喫していたサミ・パヤリは午後のエレメンタイタ2でステージベストを記録し、3位に急浮上。勝田は慎重かつ堅実な走りでリードを1分25.5秒まで広げ、波乱のデイ3を首位で終えました。

この日はまさに「生き残った者が勝者」というサファリ・ラリーの本質を象徴する1日でした。多くのRally1車両が泥による技術的トラブルに見舞われ、チームはデイリタイアした3台(エバンス、ソルベルグ、オジエ)を修理し、日曜日のデイ4(スーパーサンデー)に再出走させる予定です。

1位:勝田貴元(Toyota GR YARIS Rally1 18号車)

朝はダブルパンクチャーの影響を避け、午前をトラブルフリーで走破。午後も「全ての岩を避ける」慎重走行でリードを拡大し、1分25.5秒差の首位でフィニッシュ。初優勝目前の快挙です。「午前中はトラブルを避ける戦略に従い、午後は状況をコントロールしました。生き残ることが最優先でしたが、タイムはまずまずでした。明日も集中力を保ち、フィニッシュまで運びます。」

2位:アドリアン・フォルモー(Hyundai i20 N Rally1)

朝は安定走行でポジションを上げ、SS14ソイサンブ2でステージ勝利。ヌービルのリタイアで2位へ。午後はマシンを守る走りに徹し、1分25.5秒差で首位を追います。「今日ほどタフな日はキャリアでも稀です。メカニックに感謝。明日もポディウムを守りつつスーパーサンデーポイントを目指します。」

3位:サミ・パヤリ(Toyota GR YARIS Rally1 5号車)

朝のエレメンタイタで高速タイヤ爆発により5分以上ロスし大きく後退しましたが、午後の同ステージでベストタイムを記録し3位へ急浮上。「ファンの皆さんにはエキサイティングな1日だったと思います。午後は順位を上げステージ優勝も果たせ、非常にポジティブでした。明日もクリーンに完走を目指します。」

4位:エサペッカ・ラッピ(Hyundai i20 N Rally1)

アンダーステアとフロント左パンクチャーに苦しみながら午後を耐え、4位でフィニッシュ。完走優先の走りでした。「SS1からサバイバルモード。ラジエーターの泥詰まりやクラッチへの泥侵入で毎ステージオーバーヒート。明日も完走が目標です。」

5位:ロバート・ヴァーヴェス(Škoda Fabia RS Rally2)

WRC2クラスで完璧なペース管理を見せ、クラス首位を55.3秒差で守り総合5位。

6位:ガス・グリーン スミス(Toyota GR Yaris Rally2)

WRC2クラス2位をキープし総合6位。厳しい条件を耐え抜きました。

7位:ファブリツィオ・ザルディヴァル(Škoda Fabia RS Rally2)

WRC2クラスで上位を守り、総合7位フィニッシュ。

8位:アンドレアス・ミケルセン(Škoda Fabia RS Rally2)

WRC2クラスで粘りの走りを見せ総合8位。

9位:ディエゴ・ドミンゲス(Toyota GR Yaris Rally2)

WRC2クラスで9位相当の総合9位を確保。

10位:オリバー・ソルベルグ(Toyota GR YARIS Rally1 99号車)

朝は首位を守る好走でしたが、SS13後のリエゾンでオルタネーター故障によりストップ。大ギャップで10位に後退も、チーム修理で明日再出走予定。「朝はクリーンな走りでリードを広げられましたが、泥だらけのステージ後にトラブル発生。本当に辛いです。明日は全力で巻き返します。」


競技最終日となる3月15日(日)のデイ4は、ナイバシャ湖の南側エリアで「オセレンゴニ」と「ヘルズゲート」という2本の定番ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。最終ステージとなるヘルズゲートの2本目、SS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は57.40km、リエゾンも含めた総走行距離は285.45kmが予定されています。

End of day three (Saturday):
1 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) 2h41m00.2s
2 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) +1m25.5s
3 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +5m29.1s
4 Esapekka Lappi/Enni Mälkönen (Hyundai i20 N Rally1) +6m18.5s
5 Robert Virves/Jakko Viilo (Škoda Fabia RS Rally2) +9m42.1s
6 Gus Greensmith/Jonas Andersson (Toyota GR Yaris Rally2) +10m37.4s
7 Fabrizio Zaldivar/Marcelo Der Ohannesian (Škoda Fabia RS Rally2) +10m43.8s
8 Andreas Mikkelsen/Jørn Listerud (Škoda Fabia RS Rally2) +11m24.4s
9 Diego Domínguez/Rogelio Peñate (Toyota GR Yaris Rally2) +11m57.8s
10 Oliver Solberg/Elliott Edmondson (Toyota GR YARIS Rally1) +18m21.0s

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください