ラリー・イスラス・カナリアス2026のデイ3は、グラン・カナリア島の高速で滑らかなターマックステージで、Toyota Gazoo Racing WRT勢による激しい首位争いが繰り広げられた一日となりました。デイ3終了時点で、首位のセバスチャン・オジエ(Toyota Gazoo Racing WRT)と2位のオリバー・ソルベルグ(Toyota Gazoo Racing WRT)の差はわずか3.8秒。3位のエルフィン・エバンス(Toyota Gazoo Racing WRT)との差も18.1秒と、トップ3が接戦状態で最終日を迎えました。
朝のステージは前日までの降雨や霧の影響で湿ったセクションが多く、グリップが不安定でした。ソルベルグは積極的にアタックを続け、オープニングステージでベストタイムを記録するなどオジエに強いプレッシャーをかけ、デイ3を通じて差を一時2.2秒まで縮めました。
しかし、最大のドラマは最終日のパワーステージ前、SS17のリピートで発生しました。ソルベルグがクレストを飛び越えた後の右コーナーで着地が乱れ、左フロントをガードレールに接触。クルマに大きなダメージを負いリタイアとなってしまいました。ドライバーとコ・ドライバーは無事でしたが、このアクシデントにより優勝争いが一気に決着。オジエはベストタイムを刻み、エバンスとの差を24.3秒に広げました。
ソルベルグ本人は「1回目は雨の影響で速度が低かったが、ドライとなった2回目は読みが甘く、ジャンプで飛びすぎた」とコメントしています。この一瞬のミスは、高速ターマックでのタイヤマネジメントとライン取りの難しさを象徴するシーンとなりました。
Hyundai Shell Mobis WRT勢は全体的に苦戦を強いられました。ダニ・ソルドはSS16でスローパンクチャーを発生させ、路面が予想以上にドライだった影響で攻撃的な走りができず、ティエリー・ヌービルに7位を譲る結果となりました。アドリアン・フルモーは最終ステージでジャンプスタートペナルティを受けつつも、3ハード+3ソフトのタイヤ戦略を活かして5位を死守しました。
M-Sport Ford WRTのジョシュ・マクレアンはクリーンな走りで8位を維持し、ジョン・アームストロングは接触やメカニカルトラブルを乗り越えて11位で完走。
WRC2では地元スペインのアレハンドロ・カチョン(GR Yaris Rally2)が2位で総合10位に入り、ヨハン・ロッセル(Lancia Ypsilon HF Rally2)がクラス優勝で総合9位を獲得しました。
Toyota Gazoo Racing WRTはデイ3を通じてステージベストタイムを多数記録し、最終的に1-2-3-4フィニッシュを達成。マニュファクチャラーズポイントを59ポイント獲得し、リードを98ポイントに広げました。
1位 セバスチャン・オジエ(Sébastien Ogier / Toyota Gazoo Racing WRT)
デイ3でソルベルグの猛追を経験豊富なリズムでしのぎ、最終的に今シーズン初勝利を飾りました。
コメント:「本当に楽しいラリーでした。チームは素晴らしいクルマを用意してくれたので、運転していてとても楽しかったです。オリバーとは本当に接戦でした。彼のアクシデントは気の毒ですが、私たちは結果に満足しています。」
2位 エルフィン・エバンス(Elfyn Evans / Toyota Gazoo Racing WRT)
金曜日の出遅れからデイ3で挽回し、ソルベルグのリタイアで2位を継承。パワーステージ1位とスーパーサンデー1位で10ポイントを獲得し、ドライバーズ選手権首位に復帰しました。
コメント:「最終日は良い戦いができました。金曜日の出遅れを立て直せたのは良かったです。セブにおめでとうを言いたいです。」
3位 サミ・パヤリ(Sami Pajari / Toyota Gazoo Racing WRT)
4戦連続表彰台を達成。堅実な走りでボーナスポイントを獲得し、選手権3位に浮上しました。
コメント:「4戦連続表彰台は素晴らしいですが、もう少し力を出し切れたはずです。チーム全体のパフォーマンスには満足しています。」
4位 勝田貴元(Takamoto Katsuta / Toyota Gazoo Racing WRT)
厳しい金曜日からデイ3でドライビングスタイルを調整して挽回。4位でフィニッシュし、選手権2位を維持しました。
コメント:「土曜日から良くなり、最終日はスタイルを変えたところが上手くいきました。ラリージャパンに向けて良いアイデアを得られました。」
5位 アドリアン・フルモー(Adrien Fourmaux / Hyundai Shell Mobis WRT)
Hyundai勢最高位。タイヤ戦略を活かして5位をキープし、ジャンプスタートペナルティを受けつつポイントを獲得しました。
コメント:「Hyundaiとして最高位でポイントを獲得できたのはポジティブです。この週末はパフォーマンス面で期待通りとはいきませんでしたが、自分のアプローチには満足しています。金曜日の朝はもう少し良くスタートできたはずですが、その後は特にチームメイトに対して良い走りができました。次戦のポルトガルではもっと競争力が出せるはずです。」
6位 ティエリー・ヌービル(Thierry Neuville / Hyundai Shell Mobis WRT)
デイ3でソフトタイヤを活かしてソルドを抜き6位。パワーステージで1ポイントを獲得しました。
コメント:「厳しい週末でした。メインライバルに対してタイムが遅く、フラストレーションが溜まりました。セットアップをいろいろ試しましたが、時にはかなり離されることもありました。それでもパワーステージで少しプッシュして1ポイントを取れたのは良かったです。」
7位 ダニ・ソルド(Dani Sordo / Hyundai Shell Mobis WRT)
地元凱旋ながらスローパンクチャーなどの影響を受け7位。Toyota勢との差を感じるレースとなりました。
コメント:「Rally1クラスに戻ってこれらのステージを走るのはとても楽しかったです。クルマとの相性に少し苦労し、Toyota勢と戦うのは非常に難しかったです。Hyundaiの3台で良いバトルを繰り広げましたが、最終的には自分たち同士で戦うだけではいけません。ポルトガルでは良いスタートポジションが得られるので、競争力のある走りを目指します。」
8位 ジョシュ・マクレアン(Josh McErlean / M-Sport Ford WRT)
クロアチアでの苦戦から挽回し、クリーンな走りで8位完走。チームメイトとのバトルを楽しみながら成長を示しました。
コメント:「本当にポジティブな週末でした。クリーンなラリーを完走できたのは大きな進歩です。チームは改善に尽力してくれました。ステージでバトルできたのは楽しかったです。ポルトガルが楽しみです。」
9位 ヨハン・ロッセル(Yohan Rossel / Lancia Ypsilon HF Rally2)
WRC2クラスで優勝を飾り総合9位。クロアチアに続く今シーズン2勝目を達成し、WRC2選手権リーダーとなりました。
コメント:「クロアチアに続いて勝てたのは素晴らしい気分です。正直、タイヤ選択からクルマのセットアップまで全てが完璧でした。チームとコ・ドライバーの仕事に本当に満足しています。2日目はクルマを限界までプッシュし、その後はペースを管理しようとしましたが、2位争いが非常に激しく簡単ではありませんでした。ポルトガルでも同じ目標で臨みます。この結果に満足しています。」
10位 アレハンドロ・カチョン(Alejandro Cachón / GR Yaris Rally2)
WRC2 2位で総合10位。地元スペインで好走を見せ、Toyota Spain / MSi Racingに貢献しました。
WRC次戦は、5月7日(木)から10日(日)にかけて、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスを中心に開催される第6戦「ラリー・ポルトガル」です。今シーズンもまた、ラリー・ポルトガルはヨーロッパ大陸で行われる最初のグラベル(未舗装路)イベントとなります。ポルトガルのステージは全体的に滑りやすい砂利や砂(ルースグラベル)に覆われている路面が多いため、ステージを1回目に走行する際は、出走順が早いドライバーはルースグラベルを掃き飛ばす作業を強いられ、タイムを失いやすくなります。また、2回目の再走時はルースグラベルが掃けて下から硬い岩盤や石が現れるなど、路面コンディションの変化が大きなラリーとしても知られています。
| Pos | Driver / Co-Driver | Team | Car | Total Time | Diff Prev | Diff 1st |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Sébastien Ogier / Vincent Landais | Toyota Gazoo Racing WRT | GR Yaris Rally1 | 2:43:18.9 | – | – |
| 2 | Elfyn Evans / Scott Martin | Toyota Gazoo Racing WRT | GR Yaris Rally1 | +19.9s | +19.9s | +19.9s |
| 3 | Sami Pajari / Marko Salminen | Toyota Gazoo Racing WRT | GR Yaris Rally1 | +1:40.8 | +1:20.9s | +1:40.8 |
| 4 | Takamoto Katsuta / Aaron Johnston | Toyota Gazoo Racing WRT | GR Yaris Rally1 | +1:51.2 | +10.4s | +1:51.2 |
| 5 | Adrien Fourmaux / Alexandre Coria | Hyundai Shell Mobis WRT | Hyundai i20 N Rally1 | +3:29.5 | +1:38.3 | +3:29.5 |
| 6 | Thierry Neuville / Martijn Wydaeghe | Hyundai Shell Mobis WRT | Hyundai i20 N Rally1 | +3:41.0 | +11.5s | +3:41.0 |
| 7 | Dani Sordo / Cándido Carrera | Hyundai Shell Mobis WRT | Hyundai i20 N Rally1 | +3:57.7 | +16.7s | +3:57.7 |
| 8 | Josh McErlean / Eoin Treacy | M-Sport Ford WRT | Ford Puma Rally1 | +5:45.4 | +1:47.7 | +5:45.4 |
| 9 | Yohan Rossel / Arnaud Dunand | Private | Lancia Ypsilon HF Rally2 | +7:24.3 | +1:38.9 | +7:24.3 |
| 10 | Alejandro Cachón | Toyota Spain / MSi Racing | GR Yaris Rally2 | +7:49.4 | +25.1s | +7:49.4 |
| Pos | Driver | Points |
|---|---|---|
| 1 | Elfyn Evans | 101 |
| 2 | Takamoto Katsuta | 99 |
| 3 | Sami Pajari | 72 |
| 4 | Oliver Solberg | 68 |
| 5 | Adrien Fourmaux | 59 |
| 6 | Sébastien Ogier | 58 |
| 7 | Thierry Neuville | 35 |
| 8 | Esapekka Lappi | 21 |
| 9 | Yohan Rossel | 20 |
| 10 | Léo Rossel | 18 |
| Pos | Manufacturer / Team | Points |
|---|---|---|
| 1 | Toyota Gazoo Racing WRT | 265 |
| 2 | Hyundai Shell Mobis WRT | 167 |
| 3 | Toyota Gazoo Racing WRT 2 | 75 |
| 4 | M-Sport Ford WRT | 63 |