オジエvsソルベルグ、3.8秒の激闘 WRC 2026 Rally Islas Canarias DAY2

ラリー・イスラス・カナリアス2026、デイ2は島の北側を中心に6本のステージ(合計112.22km)を走行する、4日間の中で最も長い一日となりました。デイ1で首位に立ったセバスチャン・オジエ(Toyota GR Yaris Rally1)と、8.9秒差の2位につけていたオリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1)の戦いは、この日さらに激しさを増しました。雨や湿った路面がコンディションを複雑にし、コンマ1秒単位のバトルが繰り広げられる中、ソルベルグが徐々にリードを詰め、最終的にオジエのアドバンテージはわずか3.8秒に縮まるという、息をのむ展開となりました。 

午前中のループでは、特にSS10(Arucas – Firgas – Teror)とSS11(Moya – Gáldar、28.9kmの最長ステージ)で局地的な雨に見舞われ、グリップが刻々と変化するトリッキーな状況に。エヴァンスがオープニングステージでベストタイムを記録し、勢いを見せた一方、ソルベルグはSS11でオジエを0.1秒差で上回るベストタイムをマークし、リードを5.3秒まで縮めました。ミッドデイサービス後の午後ループではコンディションがややドライ寄りになったものの、緊張感はさらに高まりました。SS13ではソルベルグとオジエが全く同じタイムを記録するなど、互いの走りが極めて拮抗。デイ最後のSS14(Moya – Gáldar再走)ではソルベルグが1.4秒速いベストタイムを叩き出し、ギャップを3.8秒にまで詰め寄りました。ソルベルグは「ケニアのリタイアは不運で、クロアチアは自分のミスだった。パニックにはならないが、プレッシャーをかけ続けている」と振り返り、明日への意欲を燃やしています。

Toyota Gazoo Racingはデイ1に続き圧倒的な速さを見せ、トップ5を独占。GR Yaris Rally1はデイ2でも多くのステージで上位を占め、特にSS10を除くステージでトップ5タイムを独占するなど、安定したパフォーマンスを発揮しました。一方、Hyundai i20 N Rally1勢はタイヤ選択とマネジメントに苦労しつつ、Fourmauxがトップ5独占を破るなど健闘。M-Sport FordのJosh McErleanは9位に浮上しましたが、チームメイトのJon Armstrongは最終ステージでコースオフを喫し、観客の助けを借りて復帰するもダメージを負いました。WRC2ではYohan Rosselがリードを維持し、Alejandro Cachón(Toyota GR Yaris Rally2)が2位を守る中、山本雄紀はSS14でタイヤダメージにより2分以上失い、大きく後退しました。

大きなクラッシュや深刻なマシントラブルは報告されませんでしたが、雨による路面変化とタイヤマネジメントが全クルーの鍵となり、戦略的な駆け引きがドラマを生みました。オジエは「午前中は少し遅れを取ったが、まだリードしている。明日の新しいステージも楽しみ」とコメント。エヴァンスも「昨日より良い一歩を踏み出せた」と前進を強調しつつ、改善の余地を認めました。勝田貴元はフィーリングの向上を実感した一方、タイヤマネジメントの課題を指摘。サミ・パヤリは午前の難しいコンディションでタイムを失ったものの、午後に挽回を試みました。

1位:セバスチャン・オジエ(Toyota GR Yaris Rally1)

デイ1からのリードを守りつつ、ソルベルグの猛追を3.8秒差で振り切りました。午前中は安全策を取る場面もありましたが、全体として安定した走りを見せ、「今日は本当に楽しい一日。このような戦いこそ望んでいたもの。明日は全力で攻めるだけ」と語っています。9勝目を狙う経験豊富なベテランらしい落ち着きが光りました。

2位:オリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1)

デイ2最大の活躍者。雨のSS11でベストタイムを奪い、午後のSS14でも1.4秒上回るなど、リードを8.9秒から3.8秒に大幅に縮めました。「セブはヒーロー。このクルマでの経験が少ない中で戦えるのは素晴らしい。明日も戦い続けたいが、ポイント獲得が目標」と謙虚にコメント。ヒーローとのバトルを楽しむ姿勢が印象的です。

3位:エルフィン・エヴァンス(Toyota GR Yaris Rally1)

デイ1からの巻き返しが顕著で、3本のベストタイムを記録。総合3位を固め、パヤリに差をつけました。「午前中の最初の2本は順調だったが、コンディション変化で苦戦も。全体的に進歩に満足。明日はさらに改善したい」と前向きです。ウェールズ人らしい粘り強さが発揮されました。

4位:サミ・パヤリ(Toyota GR Yaris Rally1)

午前の難しいコンディションでタイムを失い、やや後退しましたが、午後に最大限の力を発揮。「午前のパフォーマンスにはがっかりしたが、諦めず努力した。明日もフルに力を出したい」とコメント。トップ5を維持し、Toyotaの強さを支えました。

5位:勝田貴元(Toyota GR Yaris Rally1)

フィーリングが大幅に向上し、クルマの扱いやすさを実感。「昨日よりずっと良く、雨のトリッキーな状況では良かったが、タイヤマネジメントが課題。明日改善したい」と語りました。総合5位を守り、チャンピオンシップリーダーらしい安定感を見せています。

6位:アドリアン・フォルモー(Hyundai i20 N Rally1)

Toyotaのトップ5独占をSS10で破るなど好走。チームメイトを上回り6位に浮上。「朝は良いステージタイムが出せ、午後はタイヤセーブ。ターマックスペシャリストのダニとティエリーの前にいるのは嬉しい。明日はタカ(勝田)と戦いたい」と自信を覗かせました。

7位:ダニ・ソルド(Hyundai i20 N Rally1)

朝の1本目は好感触でしたが、クロスタイヤでの後半で苦戦。「アドリアンが自信を持って走っていた。明日からプッシュし、セットアップを改善したい」と前向きです。地元スペイン勢として意地を見せました。

8位:ティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1)

セットアップの苦戦が続き、「車がターンせず、スライドする。パフォーマンスに疑問符がつく厳しい一日だったが、ステージ自体は楽しめた」とコメント。チーム内で僅差の7位争いを演じました。

9位:ジョシュ・マクリーン(Ford Puma Rally1)

安定した走りで9位に浮上。M-Sport勢のエースとして健闘しました。

10位:ヨハン・ロッセル(Lancia Ypsilon HF Rally2 / WRC2リーダー)

WRC2でリードを27.5秒に広げ、総合10位に。Alejandro Cachón(Toyota GR Yaris Rally2)が2位を守る中、山本雄紀はタイヤダメージで大きく後退しました。


ラリー最終日となる4月26日(日)は、島の東側エリアで2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。両ステージとも、前年大会のステージと一部が重なりますが、進行方向は逆になり新たなる区間も加えられました。なお、SS16の再走ステージとなる最終のSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は78.4km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は260.46kmが予定されています。

RALLY ISLAS CANARIAS 2026 – AFTER DAY 2 (SATURDAY)
PosDriver / Co-DriverCarTime / Gap
1Sébastien Ogier / Vincent LandaisToyota GR Yaris Rally11:58:05.7
2Oliver Solberg / Elliott EdmondsonToyota GR Yaris Rally1+3.8
3Elfyn Evans / Scott MartinToyota GR Yaris Rally1+21.9
4Sami Pajari / Marko SalminenToyota GR Yaris Rally1+52.7
5Takamoto Katsuta / Aaron JohnstonToyota GR Yaris Rally1+1:03.1
6Adrien Fourmaux / Alexandre CoriaHyundai i20 N Rally1+1:54.5
7Dani Sordo / Cándido CarreraHyundai i20 N Rally1+2:26.3
8Thierry Neuville / Martijn WydaegheHyundai i20 N Rally1+2:28.3
9Josh McErlean / James FultonFord Puma Rally1+3:53.8
10Yohan Rossel / Florian BarralLancia Ypsilon HF Rally2+4:55.0