トヨタが上位独占の展開 WRC 2026 Rally Islas Canarias DAY1

WRC第5戦は、前戦クロアチア・ラリーと同様、ターマック(舗装路)のステージが戦いの舞台に。ラリー・イスラス・カナリアスは昨年初めてWRCの一戦として行われ、今年で開催50周年を迎えました。ラリーはまず、23日(木)の午前11時過ぎから実際に競技が行われるステージに近い特徴を持つ全長6.26kmのターマックコースでシェイクダウンが行われ、その後、敷地内にサービスパークも設定されるラス・パルマスのグラン・カナリア・スタジアムで、夕方6時過ぎから新ステージのサッカースタジアム内に設けられた全長1.89kmのタイトかつテクニカルなターマックステージでスーパーSS1「ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア1」がスタートしました。

前日の夕方にグラン・カナリア・スタジアムで行なわれたスーパーSSで戦いの火蓋が切って落とされたラリー・イスラス・カナリアスは、金曜日の朝から山岳地帯で一日を通しての本格的な戦いがスタート。3本のステージを、サービスパークでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行した後、前日に走ったスーパーSSを再走するスケジュールでしたが、オーガナイザーによって午前中のSS3がキャンセルされたため、合計6本のステージが行なわれました。朝の山岳地帯は気温がかなり下がりましたが、一日を通して好天が続き、ドライコンディションのターマック(舗装路)ステージで熱い戦いが繰り広げられ、トヨタ勢が圧倒的な強さを発揮する一日となりました。

前日のスーパーSSで総合6位タイだったセバスチャン・オジエが、デイ1オープニングのSS2でベストタイムをマークし、首位にジャンプアップしました。その後もオジエは安定した走りを見せ、4本のフルステージでベストタイムを記録。午後には抜群のタイヤマネジメントを発揮し、連続ベストタイムを叩き出してリードを広げました。一方、前日首位の勝田貴元は午前中からフロントエンドのグリップに苦戦し、順位を下げていきました。オリバー・ソルベルグは午後にフィーリングを改善して2位に浮上、サミ・パヤリとエルフィン・エバンスもポジションを入れ替えながらトップ争いに加わりました。

大きなトラブルやクラッシュはほとんど発生しませんでした。ハイエンド勢ではマシンの不具合やリタイアはなく、全車が無事にサービスパークに戻っています。M-Sport FordのJon ArmstrongはSS4でエスケープロードへの飛び出し、SS7でホイールリム損傷、SS8でトランスミッショントラブルに見舞われましたが、何とか完走を果たしました。全体として、トヨタ・ガズー・レーシングのGR Yaris Rally1がトップ5を独占する圧倒的な一日となり、ハイエンド勢はセットアップ変更を繰り返しながら対応を迫られる展開でした。

1位:セバスチャン・オジエ(Toyota GR Yaris Rally1)

朝のクルマバランスに完全には満足していませんでしたが、午後にはフィーリングが向上。タイヤマネジメントを活かして安定したベストタイムを連発し、8.9秒のリードを築いて一日を終えました。「満足できる一日でした。午後にはポジティブな進歩が見られました」とコメントしています。

2位:オリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1) +8.9秒

午前中はフィーリングを掴めずに苦戦しましたが、サービスでの変更で改善。SS5でベストタイムをマークして2位に浮上し、オジエと僅差の争いを繰り広げました。「午後ははるかに良い走りができました。スピードがあることが分かり嬉しいです」と手応えを語っています。

3位:サミ・パヤリ(Toyota GR Yaris Rally1) +15.9秒

セットアップ変更が期待通りにいかない場面もありましたが、SS8で勝田貴元とベストタイムを分け合い、総合3位に復帰。エバンスをわずか0.5秒差でかわしました。チームメイトとの激しい争いの中で「まだそれほど離されてはいないので、プッシュし続けます」と前向きです。

4位:エルフィン・エバンス(Toyota GR Yaris Rally1) +16.4秒

フラッシュのような速さは見せたものの、全体的に一貫性が不足。ターンインのフィーリングに苦労しましたが、午後のセッティング変更で最後の山岳ステージでは改善が見られました。「完全には満足できませんでしたが、最後はポジティブな材料がありました」と振り返っています。

5位:勝田貴元(Toyota GR Yaris Rally1) +29.7秒

前日首位から後退。午前中からフロントグリップの信頼性が低く、思い切ったドライビングができずに苦戦しました。SS8でベストタイムを分け合ったことは明るい材料で、「いくつかアイデアはあるので、明日に向けて改善したい」とコメントしています。

6位:ダニ・ソルド(Hyundai i20 N Rally1) +52.0秒

今季初のRally1出場ながら好ペースを維持。午前中はチームメイトより速かったものの、午後に差が詰まりました。「まだ競争力があることを確認できて嬉しい。トヨタとの差を縮めるためにチームで協力します」と語っています。

7位:アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1) +54.8秒

午後のセットアップ変更でハンドリングが改善。いくつかのステージで3番手タイムを記録し、チーム内での「Hyundai Cup」を意識した走りを見せました。ステージの美しさを楽しみつつ、タイヤオーバーヒートへの対応を課題に挙げています。

8位:ティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1) +1:03.6

朝のバランスに苦しみましたが、午後に大きな変更を加えて改善。チーム内で情報共有を進めながら完走を果たしました。「難しいスタートでしたが、午後に少しバランスが良くなりました」と述べています。

9位:ジョシュ・マクリーン(Ford Puma Rally1) +1:41.1

安定した走りで9位をキープ。目立ったトラブルはありませんでした。

10位:ヨハン・ロッセル(Lancia Ypsilon HF Rally2) +1:59.5

WRC2クラスをリード。強いフィーリングでクラス首位を守り、全体トップ10にも食い込みました。「チームにとって素晴らしい一日でした。クルマのフィーリングが最高でした」と満足げです。


4月25日(土)は、島の北側と南側で3本のステージを、グラン・カナリア・スタジアムでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち全長28.9kmのSS11およびその再走ステージであるSS14は、今大会最長のステージとなります。6本のステージの合計距離は112.22kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は523.18kmが予定されています。

Pos.Driver / Co-DriverCarTime / Gap
1Sébastien Ogier / Vincent LandaisToyota GR Yaris Rally154:27.5
2Oliver Solberg / Elliott EdmondsonToyota GR Yaris Rally1+8.9
3Sami Pajari / Marko SalminenToyota GR Yaris Rally1+15.9
4Elfyn Evans / Scott MartinToyota GR Yaris Rally1+16.4
5Takamoto Katsuta / Aaron JohnstonToyota GR Yaris Rally1+29.7
6Dani Sordo / Cándido CarreraHyundai i20 N Rally1+52.0
7Adrien Fourmaux / Alexandre CoriaHyundai i20 N Rally1+54.8
8Thierry Neuville / Martijn WydaegheHyundai i20 N Rally1+1:03.6
9Josh McErlean / Eoin TraceyFord Puma Rally1+1:41.1
10Yohan Rossel / Arnaud DunandLancia Ypsilon HF Rally2+1:59.5