土砂降りで大波乱のWRC 2026 Rally Finland Day1-2

WRC世界ラリー選手権第10戦セクト・ラリー・フィンランドは、開催75周年を迎える伝統の超高速グラベルイベントとして、7月30日(木)から8月2日(日)まで、フィンランド中央部のユヴァスキュラを拠点に繰り広げられています。サービスパークはTGR-WRTのホームタウンに置かれ、地元ファンの熱い声援が選手たちを後押しする中、初日のデイ1と最長距離となるデイ2でドラマチックな展開が続きました。

デイ1は午前中に連続ジャンプで知られるリーヒマキでシェイクダウンが行われ、勝田貴元が1番手タイムをマーク。ソルベルグが3番手、エバンスが4番手、前戦エストニアでWRC初優勝を果たした地元のパヤリが5番手をシェアするなど、TGR勢の勢いが感じられるスタートとなりました。オジエはコ・ドライバーのヴァンサン・ランデが欠場したため、かつての盟友ジュリアン・イングラシアと久々にコンビを組み、11番手タイムでした。

午後7時過ぎからはユヴァスキュラ市街地の伝統的なスーパーSSハルユ1(2.58km)がスタート。ターマックとグラベルが混在するトリッキーなステージを、大勢の観客が見守る中で走行。このラリーで2度の優勝経験があるエバンスとオジエがトップと1.2秒差の3番手タイムをシェアし、勝田が5番手、パヤリが6番手、ソルベルグが7番手でオープニングステージを終えました。総合首位はアドリアン・フルモー(ヒョンデ)、2位にティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が続き、TGR勢が3〜7位を固めました。

サポート選手権WRC2では、GR Yaris Rally2で出場するTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀がトップと1.3秒差の5番手タイムを記録し、同クラスに出場するチーム代表ヤリ=マティ・ラトバラのタイムを0.1秒上回りました。

デイ2はサービスパーク北側から東側の森林地帯で4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走り、最後に市街地のスーパーSSを加えた全9本、合計127.72kmと4日間で最長の一日となりました。午前中は爽やかな青空の下で進行しましたが、午後は天気が急変。SS7の途中から雨が強く降り始め、SS8では完全なウェットとなり、コンディションが刻々と変わる中で出走タイミングが大きく結果を左右するドラマが生まれました。

前夜のハルユでエバンスと3番手タイムを分け合ったオジエは、SS2でベストタイムを記録して首位に浮上。さらにSS4とSS5でもベストをマークし、午前終了時点で総合2位のフルモーに5.3秒のリードを築きました。パヤリはSS3でベストを記録し、フルモーと2.7秒差の総合3位で午前を終えました。

午後のループではSS6でパヤリが再びベストをマークし、首位オジエと5.4秒差の総合2位に浮上。続くSS7では強い雨が降り始め、出走順トップのエバンスがベストタイム、2番手の勝田が2番手、3番手のパヤリが3番手を記録。選手権リーダーとしてドライのグラベルで不利益を被ってきたエバンスが、降雨のタイミングでアドバンテージを得ました。このステージでパヤリは首位との差を3.3秒に縮め、エバンスは総合3位、勝田は総合4位に上げました。

SS8では前ステージで激しい雨の中を走ったソルベルグがベストタイムを刻み総合4位に復帰。エバンスはパヤリを抜いて総合2位に上がり、首位オジエとの差は26.1秒に。オジエはトリッキーなコンディションで確実性重視の走りを続け、SS9で差を18.6秒に縮めました。最終のスーパーSSでは勝田がヌービルとベストタイムをシェアし、0.3秒差の3番手を記録したエバンスが差を16.3秒に縮めて総合2位で一日を終えました。パヤリはエバンスと10.4秒差の総合3位、ソルベルグはパヤリと14.6秒差の総合4位となり、TGR-WRTのドライバーがトップ4を独占する圧巻の結果となりました。

一方、総合4位まで上げていた勝田は大雨に見舞われたSS8で極度の視界不良により2分以上の遅れをとり、総合8位で終了。フルモーは雨の最悪のタイミングで約90秒を失い6位に転落、ヌービルは午前のSS5で隠れた岩に当たりサスペンションを損傷して大幅に遅れ、9位まで落ちました。ラッピはSS4でクラッシュしてロールケージ損傷によりリタイア(再スタート不可)、アームストロングもSS7でリタイアとなりました。

1位 セバスチャン・オジエ / ジュリアン・イングラシア(Toyota GR YARIS Rally1)

午前中に3本のベストタイムで首位を固め、午後の激雨でも損失を最小限に抑えて16.3秒のリードを保持。確実性とペースの両立で一日を支配しました。

「午後の雨で状況は一変しましたが、リードを広げられたのでうまく対処できたと思います。非常にポジティブです」

2位 エルフィン・エバンス / スコット・マーティン(Toyota GR YARIS Rally1)

出走順トップの不利を雨のタイミングで逆転。SS7でベストを記録し総合2位に浮上、最終的に差を16.3秒まで縮めました。

「午後は少しのくじ引きのような状況でしたが、この順位で終えられたことを嬉しく思います。セブとのギャップを埋めるのは大変ですがベストを尽くします」

3位 サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン(Toyota GR YARIS Rally1)

午前・午後でベストタイムを記録し一時2位まで迫りましたが、SS8での視界不良で遅れ、26.7秒差の3位。表彰台圏内を死守。

「3本目で状況が一変し、視界が著しく悪化してタイムを失いました。それでも表彰台圏内に留まっています」

4位 オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン(Toyota GR YARIS Rally1)

午前は慎重に進め、午後のSS8でベストをマークして4位に復帰。雨の影響を受けつつも41.3秒差でまとめました。

「土砂降りのタイミングはアンラッキーでしたが、その後速さを発揮して挽回できました。今日の結果にはかなり満足しています」

5位 マールティンシュ・セスクス / レニー・フランシス(Ford Puma Rally1)

雨の混乱の中で最高位のM-Sport勢として浮上し、1分4.9秒差の5位。安定した走りで上位に食い込みました。

6位 アドリアン・フルモー / アレクサンドル・コリア(Hyundai i20 N Rally1)

午前まで2位を争いましたが、SS7の激雨で約90秒を失い6位に転落。その後SS9でベストを奪い返すなど粘りを見せました。

「雨は信じられないほどで、20メートル先も見えずアクアプレーニング状態でした。タイムを失ったら取り戻すのは不可能です」

7位 ジョシュ・マッカーリーン / エオイン・トレシー(Ford Puma Rally1)

視界不良と戦いつつ2分29秒差の7位でデイ2を終え、勝田と僅差の位置につけました。

8位 勝田貴元 / アーロン・ジョンストン(Toyota GR YARIS Rally1)

午後のセッティング変更でフィーリングが向上し一時4位まで上げましたが、SS8の極度の視界不良で2分以上遅れ8位に。マッカーリーンと1.7秒差。

「午後はクルマのフィーリングが格段に良くなりましたが、ウインドウが曇って前がほとんど見えなくなり2分以上失いました。かなり不運でしたがプッシュし続けます」

9位 ティエリー・ヌービル / マーティン・ヴィーデガ(Hyundai i20 N Rally1)

午前のSS5で岩に当たりサスペンションを損傷し大幅に遅れ、午後も雨の影響を受けつつも最終SSでベストをシェアして9位まで挽回。

「少し楽観的なペースノートでミスをし、石に当たってしまいました。午後の雨でも大きなタイムロスでしたが、まだラリーは終わっていません」

10位 ロバート・ヴィルヴェス / ヤッコ・ヴィッロ(Škoda Fabia RS Rally2)

Rally2勢として最上位で総合10位。安定した走りでトップ10に入りました。


8月1日(土)は、サービスパークの南西エリアで「パルッコラ」「パイヤラ」「バスティラ」「レウストゥ」という定番の4本のステージを、ユヴァスキュラでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。パイヤラとバスティラについては進行方向が以前と逆になります。8本のステージの合計距離は125.70kmと非常に長く、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は595.62kmとなります。

WRC セクト・ラリー・フィンランド 2026 デイ2終了時点 総合順位(Top 10)

PosDriver / Co-driverTeam / CarTime / Gap
1S. Ogier / J. IngrassiaToyota GR Yaris Rally11:03:47.4
2E. Evans / S. MartinToyota GR Yaris Rally1+16.3
3S. Pajari / M. SalminenToyota GR Yaris Rally1+26.7
4O. Solberg / E. EdmondsonToyota GR Yaris Rally1+41.3
5M. Sesks / R. FrancisFord Puma Rally1+1:04.9
6A. Fourmaux / A. CoriaHyundai i20 N Rally1+1:24.0
7J. McErlean / E. TreacyFord Puma Rally1+2:29.0
8T. Katsuta / A. JohnstonToyota GR Yaris Rally1+2:30.7
9T. Neuville / M. WydaegheHyundai i20 N Rally1+2:36.2
10R. Virves / J. ViiloŠkoda Fabia RS Rally2+3:08.7