サミ・パヤリWRC初優勝 WRC 2026 RALLY ESTONIA DAY3

ラリー・エストニア最終日デイ3は、サービスパーク南側エリアで今大会最長の24.39km「カーリク」ステージを2回走行するコンパクトながらも激しい一日となりました。SS18はWolf Power Stageに指定され、ボーナスポイントが懸かった重要なステージです。小雨の影響で一部路面が湿る中、首位を守るサミ・パヤリ(Toyota GR Yaris Rally1)と2位オリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1)の僅差バトルが最大の見どころとなり、ドラマチックな展開を見せました。 

パヤリはデイ2終了時点でソルベルグに25秒のリードを築いていましたが、SS17でソルベルグがベストタイムをマークし、差を24.6秒に縮めます。しかし、パヤリは冷静に2番手タイムで対応。最終SS18(Power Stage)でもソルベルグがトップタイムを奪いましたが、パヤリは6番手で十分に総合優勝を決め、19.5秒差でWRC初勝利を飾りました。これはフィンランドに199回目のWRC勝利をもたらし、TGR-WRTではカッレ・ロバンペラ(2021年)、ソルベルグ(2025年)に続くエストニアでの初優勝者誕生となりました。また、今シーズンTGR-WRT所属の5人全員が勝利を達成する歴史的なチーム快挙です。 

雨の影響で路面コンディションが変化した中、Toyota勢のワン・ツー・フィニッシュはファンに未来を感じさせる爽快な光景でした。一方、ヒョンデのイントラチームバトルやM-Sport Ford勢の粘り強い走りも光り、タイトル争いへの影響も大きい一日となりました。

1位: Sami Pajari / Marko Salminen (Toyota GR Yaris Rally1)

デイ2からリードを守りきり、スタートからフィニッシュまで圧倒的な安定感を発揮。SS17で僅差を許しましたが、全体をコントロールしSuper Sundayでも3位に入る好走で28ポイント獲得。ドライバーズ選手権3位に浮上しました。

「本当に素晴らしい気分です。モリゾウさん、そしてTGR-WRTのみんなのサポートと自分を信じてくれたことにありがとうございます。困難な時も支えてくれた家族や友人、応援してくれたすべての人に感謝します。また、諦めずにプッシュし続けた自分自身にも感謝したいです。…ホームイベントであるラリー・フィンランドに向けて、今この瞬間を楽しみましょう!」(パヤリ)

2位: Oliver Solberg / Elliott Edmondson (Toyota GR Yaris Rally1)

最終日2本のステージを制覇し、Power StageとSuper Sundayで1位を獲得(27ポイント)。昨年優勝者の意地を見せ、表彰台復帰。

「とても良い週末でした。…サミとマルコは驚異的な速さを発揮し、素晴らしい仕事をしました。今日はほんの数パーセントだけペースを上げ、日曜日に獲得できる最大のポイントを勝ち取ることができたので、とても満足しています。」(ソルベルグ)

3位: Adrien Fourmaux / Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1)

ヌービルとの激しい3位争いを制し、2戦連続表彰台。SS17で7.9秒差を広げる好走が決め手となりました。 

「表彰台に戻れてとても良い気分です。今日のティエリーとのバトルでは特に1本目でしっかりプッシュしました。…全体として非常にポジティブなラリーで、高速ラリーでの良いスタートになりました。フィンランドでもこのパフォーマンスを繰り返せればと思います。」(フォルモー)

4位: Thierry Neuville / Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1)

土曜日のセットアップ変更で挽回し、Power Stage 2位の好走も、SS17のヒアリングシステムトラブルでリズムを崩し惜しくも4位。

「ラリー序盤にいくつか問題があり…アドリアン(フォルモー)が3位を取るのにふさわしい走りでした、おめでとう。彼に拍手です。チームとしては良い結果です。」(ヌービル)

5位: Sébastien Ogier / Vincent Landais (Toyota GR Yaris Rally1)

5年ぶりのエストニアで5位完走。Power Stage 4位・Super Sunday 4位で4ポイント獲得し、経験を活かした安定走行。

「サミとマルコ、初優勝おめでとう! …私自身は…最終日は多分コンマ数秒ほど及びませんでした。それでも、チャンピオンシップのためのポイントはそれなりに獲得できました。」(オジエ)

6位: Elfyn Evans / Scott Martin (Toyota GR Yaris Rally1)

道路掃除役の不利を跳ね返し6位。Power Stage 3位・Super Sunday 2位で7ポイントを加え、選手権首位を堅守(勝田との差を25ポイントに拡大)。

「最終日はまずまずでした。雨が降ったことで多少は状況がイコールになり…次のラリー・フィンランドが楽しみです。」(エバンス)

7位: Mārtiņš Sesks / Renārs Francis (Ford Puma Rally1)

Shakedownでのオフによる20秒ペナルティやSS9でのタイヤダメージを乗り越え、トップ10入り。M-Sport最高位として健闘。 

「全体としてポジティブな週末だったと思います。金曜日の走りは経験が少ない中でも良い仕事ができましたし、フィンランドに向けた良い準備になりました。」(セスクス)

8位: Esapekka Lappi / Enni Mälkönen (Hyundai i20 N Rally1)

Safari以来の出走で8位。フィンランドホーム戦に向けたデータ収集を優先した安定走行。

「ペースに苦戦する難しい週末でした…セットアップやタイヤに関する情報やデータを多く得ることができました。フィンランドでは良くなることを期待しています。」(ラッピ)

9位: Jon Armstrong / Shane Byrne (Ford Puma Rally1)

SS1での重着地によるタイヤダメージを克服し9位。チームメイトMcErleanも再出走で完走。

早い段階でのタイヤダメージを乗り越え、安定した走りで9位を確保しました。

10位: Josh McErlean / Eoin Treacy (Ford Puma Rally1)

土曜日の排気系トラブルでリタイアも日曜に再出走。完走を果たし、経験を積みました。


WRC次戦は7月30日(木)から8月2日(日)にかけて、フィンランドのユバスキュラを中心に開催される第10戦「ラリー・フィンランド」です。ラリー・フィンランドは、今回のラリー・エストニアと同じくハイスピードなグラベルラリーですが、エストニアよりもジャンプやクレスト(小さな丘越え)が多く、路面もやや硬いことが特徴です。また、ラリーのサービスパークはTGR-WRTのヘッドクォーターのすぐ近くに置かれるため、チームにとってはホームイベントといえるラリーです。

WRC 2026 Rally Estonia 最終総合順位
PosDriver / Co-DriverTeam / CarTime / Gap
1Sami Pajari / Marko SalminenToyota GR Yaris Rally12:31:16.5
2Oliver Solberg / Elliott EdmondsonToyota GR Yaris Rally1+19.5
3Adrien Fourmaux / Alexandre CoriaHyundai i20 N Rally1+53.8
4Thierry Neuville / Martijn WydaegheHyundai i20 N Rally1+59.7
5Sébastien Ogier / Vincent LandaisToyota GR Yaris Rally1+1:32.9
6Elfyn Evans / Scott MartinToyota GR Yaris Rally1+2:01.0
7Mārtiņš Sesks / Renārs FrancisFord Puma Rally1+2:35.3
8Esapekka Lappi / Enni MälkönenHyundai i20 N Rally1+3:02.3
9Jon Armstrong / Shane ByrneFord Puma Rally1+3:28.0
10Josh McErlean / Eoin TreacyFord Puma Rally1
2026 FIA WRC Drivers’ Championship (暫定 standings after Rally Estonia)
PosDriverPoints
1E. Evans177
2T. Katsuta152
3S. Pajari144
4S. Ogier139
5O. Solberg130
6T. Neuville111
7A. Fourmaux111
8E. Lappi25
9H. Paddon21
10Y. Rossel20
2026 FIA WRC Manufacturers’ Championship (暫定 standings after Rally Estonia)
PosTeamPoints
1Toyota Gazoo Racing World Rally Team464
2Hyundai Shell Mobis World Rally Team308
3Toyota Gazoo Racing World Rally Team 2157
4M-Sport Ford World Rally Team116