WRC世界ラリー選手権のラリー・エストニアは、非常にスムースでハイスピードなグラベルステージが特徴の高速戦です。2026年7月17日のデイ1では、シェイクダウンに続いて103.42kmの7本のステージが設定され、ドライコンディションの下で激しい戦いが繰り広げられました。
走行初日となるデイ1は、午前中にシェイクダウンが行われた後、午後1時過ぎから競技がスタート。サービスパークの南側エリアで3本のステージを、タイヤフィッティングゾーンを挟んで各2回走り、一日の最後にはエルヴァの市街地で全長1.72kmのスーパーSSをSSS7として走行。7本のステージの合計距離は103.42kmでした。ステージは全体的にドライコンディションとなり、ルースグラベルが道の表面を覆う非常に滑りやすいセクションも多くありました。そのため、出走順が早い選手達はルースグラベルを掃き飛ばしながらの不利な条件での走行を余儀なくされました。

Hankookタイヤを装着したToyota GR Yaris Rally1を駆るサミ・パヤリは、開幕ステージSS1から最終スーパーSSまで全7ステージでベストタイムを記録。これは前シーズンのKalle Rovanperä以来の快挙です。出走順4番手という有利なポジションを活かし、ルースグラベルを掃き飛ばす不利を最小限に抑え、午前中の3ステージで早くもリードを築きました。タイヤフィッティングゾーン後の再走ステージでも勢いは止まらず、総合2位のオリバー・ソルベルグとの差を14.7秒に広げてデイ1を終えました。
パヤリ本人は「ステアリングを握っている時の感覚が最高で、自然に良い流れの中で運転できた」と語り、大きなリスクを感じることなくコントロールできていたと振り返っています。唯一SS5で小さなミスがあったものの、圧倒的なペースでカバーしました。
フルモーはSS2のジャンプで草をフロントに詰まらせる場面がありましたが、終日トップ3タイムを連発する安定感で3位。チームメイトのティエリー・ヌービル(4位)を7.5秒引き離しました。
セバスチャン・オジエは5位でデイ1を走破。5年ぶりのエストニア出場で出走順3番手の不利を考慮すれば上々の結果です。
エルフィン・エバンス(選手権首位)は出走順1番手の道路掃除役で苦戦し9位。Mārtiņš Sesks(Ford Puma Rally1)はシェイクダウンのペナルティを跳ね返して6位に入りました。
Esapekka Lappiはセットアップ変更が功を奏し、SS6でJosh McErleanとエバンスを抜いて7位に浮上。Jon ArmstrongはSS1のジャンプ着地でタイヤダメージを受け10位です。
1位: Sami Pajari / Marko Salminen (Toyota GR Yaris Rally1)
全ステージ勝利という圧巻のパフォーマンスで14.7秒のリード。デビュー以来最高の1日を過ごし、「全ステージを制して首位に立てたのは本当に良かったです。感覚が最高でコントロールできていると感じていました。まだ長い戦いが残っていますが、明日が楽しみです。」
2位: Oliver Solberg / Elliott Edmondson (Toyota GR Yaris Rally1) +14.7秒
昨年優勝者ですが、パヤリのペースにやや苦戦。スイートスポットを見つけきれず「難しい1日でした」と振り返りました。
3位: Adrien Fourmaux / Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) +16.5秒
安定した走りでチーム最高位。SS2のジャンプミスも影響少なく、好調を維持。「3位でとても満足しています。サミとの戦いも序盤は接戦でした。クルマのフィーリングが素晴らしく、明日も攻撃的にいきます。」
4位: Thierry Neuville / Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +24.0秒
クルマのバランスに苦しみながらも4位をキープ、「タフな1日でしたが、明日変更を加えて挽回します。限界で走る中で信頼性が課題でした。」
5位: Sébastien Ogier / Vincent Landais (Toyota GR Yaris Rally1) +33.3秒
久々のエストニアで確実な走り。改善の余地を残しつつ上位争いに加わっています。
6位: Mārtiņš Sesks / Renars Francis (Ford Puma Rally1) +44.7秒
シェイクダウンペナルティを克服して好位置を確保。
7位: Esapekka Lappi / Enni Mälkönen (Hyundai i20 N Rally1) +46.5秒
セットアップ変更で後半挽回し7位に浮上。「SS6で改善が見られ、チームメイトに近いタイムを出せました。明日も同様の方向でいきます。」
8位: Josh McErlean / Eamonn Treacy (Ford Puma Rally1) +46.6秒
僅差の争いの中で8位。
9位: Elfyn Evans / Scott Martin (Toyota GR Yaris Rally1) +49.8秒
道路掃除役の不利が大きく影響。「序盤は厳しかったですが、午後は改善。明日出走順が良くなるので状況は向上します。」
10位: Jon Armstrong / Stephen Byrne (Ford Puma Rally1) +1:04.3
SS1のタイヤダメージでタイムを失うも10位完走。
競技2日目となる18日(土)のデイ2は、サービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行。ミッドデイサービスを経て、午後はサービスパークの南側エリアで2本のステージを2回走った後、サービスパークのすぐ近くで1.76kmのスーパーSSをSSS16として走行します。9本のステージの合計距離は149.6kmと3日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は478.13kmとなります。
| Pos | Driver / Co-Driver | Team / Car | Time / Gap |
|---|---|---|---|
| 1 | S. Pajari / M. Salminen | Toyota GR Yaris Rally1 | 49:43.5 |
| 2 | O. Solberg / E. Edmondson | Toyota GR Yaris Rally1 | +14.7 |
| 3 | A. Fourmaux / A. Coria | Hyundai i20 N Rally1 | +16.5 |
| 4 | T. Neuville / M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 | +24.0 |
| 5 | S. Ogier / V. Landais | Toyota GR Yaris Rally1 | +33.3 |
| 6 | M. Sesks / R. Francis | Ford Puma Rally1 | +44.7 |
| 7 | E. Lappi / E. Mälkönen | Hyundai i20 N Rally1 | +46.5 |
| 8 | J. McErlean / E. Treacy | Ford Puma Rally1 | +46.6 |
| 9 | E. Evans / S. Martin | Toyota GR Yaris Rally1 | +49.8 |
| 10 | J. Armstrong / S. Byrne | Ford Puma Rally1 | +1:04.3 |