2026年WRC第6戦ラリー・ポルトガル最終日(デイ4)は、サービスなしでSS20/22「ヴィエイラ・ド・ミーニョ」とSS21/23「ファフェ」の2ステージを各2回走行する過酷な1日となりました。合計距離65.56kmという距離に加え、予報通りの不安定な天候が全てを変えました。一日を通して雨脚が強まり、特にオープニングステージ途中からの大雨と、深い轍に岩が散乱する路面がドライバーたちを襲いました。
この日はまさに「ラリーのドラマ」を象徴する展開となりました。デイ2・デイ3で激しい接戦を制し首位を守ってきたセバスチャン・オジエ(Toyota Gazoo Racing WRT)が、SS22で右リアタイヤにパンクを喫し、ステージ途中で交換を余儀なくされました。約2分近いタイムロスで総合6位へ急落。一方、同じステージで総合3位につけていたサミ・パヤリ(Toyota Gazoo Racing WRT)も石に当たってパンクし、2分以上を失って総合7位へ後退しました。
これにより上位陣が一気に崩れ、ティエリー・ヌービル(Hyundai Shell Mobis World Rally Team)が首位に浮上。オリバー・ソルベルグ(Toyota Gazoo Racing WRT)が2位、エルフィン・エバンス(Toyota Gazoo Racing WRT)が3位でフィニッシュしました。パワーステージ(SS23)ではソルベルグが4番手、エバンスが3番手タイムを記録し、ボーナスポイントを獲得。スーパーサンデーでもトヨタが1-2フィニッシュを飾るなど、トヨタ勢の強さは光りましたが、最終日の波乱が全ての勝負を狂わせました。
1位:ティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1)
雨と泥の厳しいコンディションを一貫した走りで乗り切り、クロアチアでの最終ステージクラッシュのリベンジを果たしました。「この勝利はとても特別です。クロアチアでの出来事やこれまでの苦戦の後だけに、チーム全体にとって大きな意味があります。私たちは決して諦めませんでした。一貫して速いドライバーたちと戦い、ミスをせず、最後まで諦めなかったことが勝利につながりました。」
2位:オリバー・ソルベルグ(Toyota GR YARIS Rally1)
自身も波乱のラリーでしたが、チームメイトのトラブルを活かしてモンテカルロ以来の表彰台を獲得。スーパーサンデートップ+パワーステージ4番手で7ポイント獲得し、ドライバーズランキング3位へ上昇。「ジェットコースターのようなラリーでした。チームメイトたちの不運は気の毒ですが、ようやく表彰台に戻れてホッとしています。チームとメカニックに感謝します。」
3位:エルフィン・エバンス(Toyota GR YARIS Rally1)
安定した走りで表彰台をキープし、選手権首位を12ポイント差に拡大。パワーステージ3番手+スーパーサンデー2位で7ポイント獲得。「厳しいコンディションの浮き沈みの激しい大会でした。もっと良いペースを出せた時もありましたが、チームメイトの不運で順位を上げた形です。このポイントを受け入れ、日本でさらに上を目指します。」
4位:アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1)
序盤リード後金曜ダブルパンクで後退も、粘り強く4位。パワーステージ最速タイムを記録。「チームにとって素晴らしい週末で、20ポイント獲得できて嬉しいです。準備の成果が出てきました。ファンにも感謝します。」
5位:勝田 貴元(Toyota GR YARIS Rally1)
厳しい週末ながら最終日に5位浮上。選手権2位を維持。「序盤のリスクあるセットアップがうまくいきませんでしたが、徐々に改善しました。チームメイトの不運もありポイントを獲得でき、日本がとても楽しみです。」
6位:セバスチャン・オジエ(Toyota GR YARIS Rally1)
優勝目前で痛恨のパンク。「コントロールできる部分はチームと共にうまくやれました。あのような状況では仕方ありません。もっと良い結果に値する戦いでしたが、ラリーではこういうこともあります。日本で再び勝利を目指します。」
7位:サミ・パヤリ(Toyota GR YARIS Rally1)
5戦連続表彰台目前でパンク禍。「それまではすべて順調でパフォーマンスも最高でした。石に当たってどうすることもできませんでした。この週末のポジティブな点を活かして、次戦でさらに強くなります。」
8位:ダニ・ソルド(Hyundai i20 N Rally1)
難しい週末を完走しチーム勝利を支える。「パフォーマンスには満足していませんが、チームの勝利をとても嬉しく思います。特にクロアチアの後だけに、皆がこの勝利に値します。」
9位:マルティンス・セスクス(M-Sport Ford Puma Rally1)
パンクなどのトラブルを乗り越え9位。日曜ファフェで好走。「週末を通じて一貫したパフォーマンスを見せられ、多くのポジティブな点を得ました。次戦ギリシャにつなげます。」
10位:テーム・スニネン(Toyota GR Yaris Rally2)
WRC2優勝。GR Yaris Rally2が1-2フィニッシュ(2位:ローぺ・コルホネン)を達成し、総合10位完走。
WRC次戦は、5月28日(木)から31日(日)にかけて開催される第7戦「ラリージャパン」です。ターマック(舗装路)ラリーとしては2026年シーズン最後のイベントとなり、現行のRally1カーが走る最後のターマックラリーでもあります。ステージの多くはこれまでと同じエリアに設けられますが、今年は開催時期が11月から5月末に移動したため、路面温度やコンディションが大きく変わる可能性があります。また、新たに加えられたステージもあり、ドライバーたちにとっては新たなる挑戦となります。セレモニアルスタートは、今回初めて愛知県の名古屋市で行われる予定ですが、サービスパークは今年も愛知県豊田市の豊田スタジアムに置かれ、愛知県と岐阜県の山岳ロードが主舞台となります。
最終総合順位(トップ10)
| Pos | Driver | Team / Car | Time / Gap |
|---|---|---|---|
| 1 | Thierry Neuville | Hyundai Shell Mobis WRT | – |
| 2 | Oliver Solberg | Toyota Gazoo Racing WRT | +16.3s |
| 3 | Elfyn Evans | Toyota Gazoo Racing WRT | +29.1s |
| 4 | Adrien Fourmaux | Hyundai Shell Mobis WRT | +54.8s |
| 5 | Takamoto Katsuta | Toyota Gazoo Racing WRT | +1:12.5 |
| 6 | Sebastien Ogier | Toyota Gazoo Racing WRT | +2:45.2 |
| 7 | Sami Pajari | Toyota Gazoo Racing WRT | +3:05.8 |
| 8 | Dani Sordo | Hyundai Shell Mobis WRT | +3:48.6 |
| 9 | Mārtiņš Sesks | M-Sport Ford WRT | +4:22.4 |
| 10 | Teemu Suninen | Toyota GR Yaris Rally2 | +5:18.7 |
ドライバーズ選手権順位(第6戦終了時点)
| Pos | Driver | Points |
|---|---|---|
| 1 | Elfyn Evans | 101 |
| 2 | Takamoto Katsuta | 99 |
| 3 | Sami Pajari | 72 |
| 4 | Oliver Solberg | 68 |
| 5 | Adrien Fourmaux | 59 |
| 6 | Sebastien Ogier | 58 |
| 7 | Thierry Neuville | 35 |
| 8 | Esapekka Lappi | 21 |
| 9 | Yohan Rossel | 20 |
| 10 | Léo Rossel | 18 |
| 11 | Hayden Paddon | 15 |
| 12 | Robert Virves | 10 |
| 13 | Jon Armstrong | 10 |
| 14 | Gus Greensmith | 8 |
| 15 | Nikolay Gryazin | 8 |
| 16 | Alejandro Cachón | 7 |
| 17 | Dani Sordo | 6 |
| 18 | Fabrizio Zaldivar | 6 |
| 19 | Roberto Daprà | 6 |
| 20 | Joshua McErlean | 6 |
マニュファクチャラーズ選手権順位(第6戦終了時点)
| Pos | Team | Points |
|---|---|---|
| 1 | Toyota Gazoo Racing WRT | 265 |
| 2 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 167 |
| 3 | Toyota Gazoo Racing WRT2 | 75 |
| 4 | M-Sport Ford World Rally Team | 63 |