FIA世界ラリー選手権(WRC)2026シーズン第12戦ラリー・チリ・ビオビオは、9月12日(土)にデイ2を迎えました。ビオビオ川西側の太平洋を望むエリアで、前年と同じ3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。合計139.2kmと3日間で最長の一日となり、タイヤ摩耗の激しいアブレシブな路面がドライバーたちを苦しめました。各ループ最終の今大会最長28.31km「マリア・ラス・クルセス」前には、使用済みタイヤと交換する形で最大2本の追加タイヤ供給が認められ、戦略が鍵を握りました。
デイ1を10.1秒差で首位スタートしたオリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1)は、午前の最初の2ステージでやや慎重に走りつつも、SS9でベストタイムをマークして差を維持。午後の最終SS12でも3.7秒差のベストタイムを叩き出し、総合2位のエルフイン・エバンスとの差を19.1秒まで広げて一日を終えました。「リスクとリターンのバランス、タイヤのケア、プッシュすべきタイミングをうまく見極められた。明日も難しい一日になるが、最高の日曜日にしたい」とソルベルグはコメントしています。これでキャリア3勝目、そしてチリでのRally1初勝利に王手をかけました。
一方、セバスチャン・オジエ(Toyota GR Yaris Rally1)が4本のステージウィンを記録する猛チャージを見せました。午前のSS7・SS8、午後のSS10・SS11を制し、一時はエバンスに0.3秒差まで迫るなど総合2位争いを激化させました。最終ステージではエバンスが1.0秒差で抑え、オジエは20.4秒差の総合3位でフィニッシュ。「全力を尽くし、タイヤ選択も最大化できた。表彰台争いはまだ続いている」とオジエ。エバンスは「クリーンな一日だったが、午後はもう少し攻められたはず。最終日もポイントを最大限取りにいく」と振り返っています。
アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1)は最終ステージでの3本ソフトタイヤ戦略が裏目に出て10.7秒を失い、オジエから10.7秒差の総合4位。サミ・パヤリ(Toyota GR Yaris Rally1)は全ステージ5番手前後の安定走行で総合5位をキープしたものの「ペースが欲しいところに届かなかった」と悔しがっています。エサペッカ・ラッピ(Hyundai)が6位、ジョシュ・マクアーリン(M-Sport Ford Puma Rally1)が7位と続きました。
ドラマも多発しました。ティエリー・ヌービル(Hyundai)は午前SS7で高速ロールを喫してリタイア、翌日出走なし。ジョン・アームストロング(M-Sport Ford)もSS8でロールし戦線離脱。デイ1でリタイアしていた勝田貴元(Toyota)は再出走し、1番手走行の不利をものともせずトップ6タイムを連発して総合順位を大きく挽回。TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は検査で怪我なしと判明して退院した一方、コ・ドライバーのトピ・ルフティネンは椎骨2箇所と胸骨骨折で土曜日に手術を受け、成功。チームは早期回復を願っています。
ジュニアWRCでは選手権リーダーのカレ・カールバーグがSS11で激しいロールを喫してリタイア。アリ・トゥルッカンが4本のステージウィンを挙げ、リーヴィ・ラッシラに21.9秒差で首位に浮上し、タイトル争いで優位に立ちました。WRC2ではニコライ・グリヤジンが午前にロールアウトし、ヨアン・ロッセルがリードを奪い、ロバート・ヴィルヴェスが58.0秒差の2位で追う展開です。
日曜日は新ステージ「カランパンゲ」と「ビオビオ」を各2回、計71.2km。最終SSはウルフ・パワーステージとなります。ソルベルグの初チリRally1勝利か、エバンス・オジエ・フルモーの表彰台争いか、選手権ポイント争いか。最終日もドラマが待っています。
1位 オリバー・ソルベルグ(Toyota GR Yaris Rally1)

タイヤマネジメントを徹底しつつ要所でプッシュ。午前SS9と午後最終SS12でベストタイムを記録し、リードをほぼ倍増させました。「良いバランスを見つけられた一日。明日も準備をしっかりして最高の日曜日にしたい」と自信を見せています。
2位 エルフイン・エバンス(Toyota GR Yaris Rally1)
選手権リーダーとして安定した走りを続け、最終ステージでオジエを抑え2位を守りました。「クリーンだったが午後はもう少し攻められたはず。最終日もポイントを取りにいく」と語っています。
3位 セバスチャン・オジエ(Toyota GR Yaris Rally1)
4本のステージウィンで猛追。一時はエバンスに0.3秒差まで迫りました。「全力を尽くしタイヤも最大化できた。明日もプッシュし続ける」と意気込みは十分です。
4位 アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1)
最終ステージのタイヤ戦略が裏目に出てタイムを失いましたが、表彰台圏内をキープ。「まだ12秒差。新ステージもあるし諦めていない」とコメントしています。
5位 サミ・パヤリ(Toyota GR Yaris Rally1)
全ステージを安定してまとめましたが、上位との差を詰められず。「ペースが届かなかった。明日もプッシュしてポイントを狙う」と悔しさをにじませています。
6位 エサペッカ・ラッピ(Hyundai i20 N Rally1)
トラブルなく完走し順位を上げました。セットアップ変更が奏功し「予想以上に良い一日だった」と振り返っています。
7位 ジョシュ・マクアーリン(M-Sport Ford Puma Rally1)
安定した走りで7位を確保。チーム内で存在感を示しました。
8位 ヨアン・ロッセル(WRC2 / Citroën)
グリヤジンのリタイアを受けWRC2首位に浮上し、総合でも上位に入りました。
9位 ロバート・ヴィルヴェス(WRC2 / Škoda)
選手権リーダーとして58.0秒差の2位をキープし、総合9位。
10位 ガス・グリーンスミス(WRC2 / Škoda)
安定したペースで総合10位に入りました。
ラリー最終日となる9月13日(日)のデイ3は、デイ2と同様にサービスパークの南側、ビオビオ川と太平洋に挟まれたエリアが戦いの舞台となります。最終日はサービスの設定がなく、2本のステージを各2回走行。デイ2と同様、デイ3でも、リフューエルゾーンでの予備タイヤへの交換機会が設けられています。SS13/15はWRCでは初めて使用される新ステージとなり、SS14の再走となる最終のSS16「ビオビオ2」は今年も、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は71.2kmと3日間でもっとも短く、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は314.66kmが予定されています。
Rally Chile Biobío 2026 – Overall Classification after Day 2 (Saturday)
| Pos | Driver / Co-driver | Team / Car | Time / Gap |
|---|---|---|---|
| 1 | Oliver Solberg / Elliott Edmondson | Toyota Gazoo Racing WRT Toyota GR Yaris Rally1 | — |
| 2 | Elfyn Evans / Scott Martin | Toyota Gazoo Racing WRT Toyota GR Yaris Rally1 | +19.1s |
| 3 | Sébastien Ogier / Vincent Landais | Toyota Gazoo Racing WRT Toyota GR Yaris Rally1 | +20.4s |
| 4 | Adrien Fourmaux / Alexandre Coria | Hyundai Shell Mobis WRT Hyundai i20 N Rally1 | +31.1s |
| 5 | Sami Pajari / Marko Salminen | Toyota Gazoo Racing WRT Toyota GR Yaris Rally1 | +1:15.5 |
| 6 | Esapekka Lappi / Enni Mälkönen | Hyundai Shell Mobis WRT Hyundai i20 N Rally1 | +4:10.1 |
| 7 | Josh McErlean / Eoin Treacy | M-Sport Ford WRT Ford Puma Rally1 | +5:18.2 |
| 8 | Yohan Rossel / — (WRC2) | Citroën C3 Rally2 | +6:54.6 |
| 9 | Robert Virves / — (WRC2) | Škoda Fabia RS Rally2 | +7:52.6 |
| 10 | Gus Greensmith / — (WRC2) | Škoda Fabia RS Rally2 | +8:20.7 |