シーズン後半戦の初戦となるアクロポリス・ラリー・ギリシャは、25日(木)の午前中にルートラキのサービスパークから約8km離れたエリアのグラベル(未舗装路)中心の全長3.34kmのステージでシェイクダウンが行われ、その後、選手とクルマは東に約100km離れた首都アテネ郊外の「エリニコン・スポーツ・パーク」へと移動。午後7時過ぎから今大会のために設けられたターマック(舗装路)の全長1.56kmの特設ステージで2台同時走行のスーパーSSが行なわれました。
セバスチャン・オジエ(Toyota GR Yaris Rally1)が勝田貴元に1秒差をつけるベストタイムをマークし初日首位。サミ・パヤリとオリバー・ソルベルグが4番手タイムを分け合い、エルフィン・エバンスは6番手でスタートを切りました。
その後、クルマはルートラキのサービスパークに戻り、15分間のサービスを受けた後、コリントス港でカーフェリーに乗船しました。今回、木曜日の夜から金曜日の朝にかけてはカーフェリーがパルクフェルメ(車両保管場)に設定されているため、デイ1は船内で終了。フェリーはコリントス湾の対岸に位置し、デイ2の起点となるイテアへと向かいました。

26日(金)の朝から中央ギリシャのグラベル(未舗装路)ステージで本格的な戦いが始まりました。早朝、コリントス湾に面したイテアに停泊していたフェリーから下船したラリーカーは、船着き場に設けられたパルクフェルメ(車両保管場)に移動。朝8時半にパルクフェルメが解除されると、順次山岳地帯のステージへと向かいました。

デイ2は朝から青空が広がり、気温もかなり上昇。クルマ、タイヤ、選手にとって非常に厳しい走行環境になりました。路面は一日を通してドライコンディションが保たれ、道の表面はルースグラベルやルースストーンに覆われ、出走順が早いドライバーたちは十分なグリップが得られず大きなハンデを負うことに。また、金曜日は6本合計129.22kmのステージのうち、1本しか走行しないステージが4本設定されていたことも、出走順が早いドライバーたちにとっては不利に働きました。
最大のドラマは朝のループで展開。アドリアン・フルモー(Hyundai i20 N Rally1)がSS2とSS3で連続ステージ優勝を飾り一時リードを奪いましたが、SS4(Stiri)で前右タイヤのパンクに見舞われ4位に後退。一方、ティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1)は安定した走りで首位に浮上し、オジエが2位に続きました。ダニ・ソルド(Hyundai i20 N Rally1)もSS3でパンクを喫し約2分を失うなど、Hyundai陣営もタイヤトラブルに見舞われました。
午後のループではオジエがSS4再走でベストタイムを記録し、ヌービルとの差を9.7秒に縮めました。Toyota勢は出走順の不利を跳ね返そうと奮闘。勝田貴元は丁寧なタイヤマネジメントで総合6位、エバンスは7位で一日を終え、明日以降の挽回を狙います。パヤリは技術的トラブルで時間を失いつつ10位まで回復。ソルベルグはSS7の右コーナーで大きく外側に膨らみ路肩に乗り上げ、後退を試みるもギヤボックスが壊れデイリタイアとなりましたが、再出走可能です。M-Sport Ford勢ではJon Armstrongが朝に好走もパンクとパワーロスでリタイア。一方、Josh McErleanが4位、Mārtiņš Sesksが5位で健闘しました。
WRC2ではアンドレアス・ミケルセンがクラス首位をキープ。TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀はWRC2クラス13位で一日を終えました。
この日のハイライトは、SSS1の華やかなスタートからグラベル本戦でのタイヤトラブルと出走順の影響による激しい順位変動です。ヌービルが9.7秒差でオジエを抑え、フルモーが3位でHyundaiの強さを示しました。一方、Toyotaはトラブルを最小限に抑えつつ上位に食らいつき、長いラリーの真価が問われる展開となっています。
1位: ティエリー・ヌービル (Hyundai i20 N Rally1)
ヌービルは朝から好調で、チームメイトのフルモーとの激しいバトルを制し首位を奪取。午後も安定したペースを維持しました。「今日は素晴らしい一日でした。クルマの調子がとても良く、ステージで自信を持って走れました。リズムを管理し、クリーンな部分でプッシュし、荒れた部分ではスムーズに走ることを心がけました。トラブルなく走り切れたのは少しの幸運もありますが、ラリーはまだ長いので、明日も同じパフォーマンスを繰り返したいです。」
2位: セバスチャン・オジエ (Toyota GR Yaris Rally1)
出走順の利を最大限に活かし、SS4でベストタイムを記録するなど安定感を発揮。「路面を覆うルースグラベルの量を考えればチームにとって難しい一日になることは明らかでした。チーム内ではベストな出走順だったので、それを活かそうとしました。全体としては満足できる結果です。良いリズムで走ることができ、タイヤに厳しいステージでもトラブルを回避できました。今のところ計画通りに進んでいます。」
3位: アドリアン・フルモー (Hyundai i20 N Rally1)
朝にSS2・SS3で連続ステージ優勝を飾り一時リードを奪うも、SS4のパンクで後退。午後に強く挽回し3位へ。「今日は非常に競争的な一日でした。6ステージ中3回トップタイムを記録するなど、クルマのポテンシャルをしっかり発揮できました。パンクで約30秒失いましたが、チームのハードワークの成果を感じます。まだ長い戦いなので、勝ちを狙って戦い続けます。」
4位: Josh McErlean (Ford Puma Rally1)
トラブルを最小限に抑え堅実な走りで4位を守りました。「今日は固い一日でした。トラブルを避けることに集中し、明日のための良いロードポジションを確保できたと思います。」
5位: Mārtiņš Sesks (Ford Puma Rally1)
M-Sportの強力な一日を象徴する安定した5位フィニッシュ。
6位: 勝田貴元 (Toyota GR Yaris Rally1)
岩だらけの過酷なコンディションの中でタイヤマネジメントに徹し総合6位。「今日は全体的にクリーンな走りができた一日でした。タイヤにダメージを負う場面もありましたが、このような厳しい状況では起こり得ることです。出走順2番手としては今夜の6位はかなり良い結果だと思います。明日は前の2台をキャッチすることを目指し、トラブルを避けるように努めます。」
7位: エルフィン・エバンス (Toyota GR Yaris Rally1)
出走順トップの重圧でクリーニング役を担い苦戦も、7位で一日を終えました。「出走順がトップだったので厳しい一日になることは分かっていましたが、予想以上に過酷でした。何本かのステージでは路面のクリーニング効果が極めて顕著でした。今年は非常に乾燥しており岩が多く、タイヤの摩耗に厳しい路面でした。明日も皆にとって厳しい一日になると思いますので、全力を尽くします。」
8位: ダニ・ソルド (Hyundai i20 N Rally1)
SS3でのパンクで大きくタイムを失うも、午後に挽回して8位。「今日は私のベストな一日ではありませんでした。2番目のステージでパンクを拾って時間を失い、その後自信を少し失いましたが、何とかポジションを回復できました。明日はもっと良い一日になるはずです。」
9位: アンドレアス・ミケルセン (Skoda Fabia RS)
WRC2クラス首位をキープする安定した走りを見せました。
10位: サミ・パヤリ (Toyota GR Yaris Rally1)
午前のループは好調でしたが、トラブルで約2分を失いながらも10位まで挽回。「午前のループは出走順を考えればかなり良いペースだったと思います。トラブルを避けようとしながらまずまずの走りができていましたが、残念ながら技術的な問題などでトータル約2分を失いました。現実的には優勝争いからは脱落しましたが、まだ2日間の戦いが残っています。最後まで走り続けます。」
27日(土)は、ルートラキのサービスパークを中心に、コリントス運河によってギリシャ本土と隔てられたペロポネソス半島で、6本のステージをミッドデイサービスを間に挟んで走行。そのうちSS9「コリネス」とSS10/13「メナロ・マウンテン」はWRCでは初走行のステージとなり、SS8/12「ギムノ」とSS11「ケファラリ」は2013年大会以来初めて使われます。また、SS9およびSS11は1回のみの走行となります。6本のステージの合計距離は108.69km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は734.31kmが予定されています。
| Pos | Driver / Co-Driver | Team / Car | Time / Gap |
|---|---|---|---|
| 1 | T. Neuville / M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 | 1:26:48.2 |
| 2 | S. Ogier / V. Landais | Toyota GR Yaris Rally1 | +9.7 |
| 3 | A. Fourmaux / A. Coria | Hyundai i20 N Rally1 | +42.4 |
| 4 | J. McErlean / E. Treacy | Ford Puma Rally1 | +1:10.1 |
| 5 | M. Sesks / R. Francis | Ford Puma Rally1 | +1:16.9 |
| 6 | T. Katsuta / A. Johnston | Toyota GR Yaris Rally1 | +1:33.2 |
| 7 | E. Evans / S. Martin | Toyota GR Yaris Rally1 | +2:08.4 |
| 8 | D. Sordo / C. Carrera | Hyundai i20 N Rally1 | +2:49.5 |
| 9 | A. Mikkelsen / J. Listerud | Skoda Fabia RS | +3:10.6 |
| 10 | S. Pajari / M. Salminen | Toyota GR Yaris Rally1 | +3:13.1 |