
WRCクロアチア・ラリー2026は、2026年4月9日(木)から12日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦です。
これまでクロアチア・ラリーは首都ザグレブを中心に開催されてきましたが、2026年大会は南西方向に約150km移動。アドリア海に面する「リエカ」がホストタウンを務め、やや内陸側に位置する「グロブニク・レーシングサーキット」にサービスパークが置かれます。その結果、ラリーのルートはこれまでと大きく変わることになり、3本を除く全てが新ステージとなります。。クロアチア・ラリーはこれまでも、ターマック・ラリーとしては非常に変化に飛んだステージが多く設定されていました。道幅が狭くツイスティなコーナーが続く低速路、緩やかな弧を描きジャンプやクレストも含む中高速路、そして泥や砂利が多い農道など、様々な特徴を持つステージが入り交じり、舗装のコンディションも頻繁に変化。また、イン側をショートカット可能なコーナーも多いため、路肩の土や砂利が舗装路面に掻き出されてグリップレベルが目まぐるしく変わるなど、非常に難易度の高いターマック・ラリーとして知られてきました。さらに、この時期は雨が降ることも多く、そうなると路面コンディションはさらにトリッキーに。今年は開催エリアが南西に移動することもあり、これまで以上に未知の要素が増えることが予想されます。
ラリーは4月9日木曜日の午前10時過ぎからシェイクダウンが行われ、同日の夜7時20分にリエカで予定されているセレモニアルスタートで幕を開けます。ステージでの戦いは10日金曜日の朝9時過ぎから始まり、リエカの西側エリアが舞台に。アドリア海に大きく突き出すイストリア半島で、デイ1として4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち全長23.78kmのSS3/7は今大会最長のステージとなります。また、8本のステージの合計距離は126.86kmに達し、3日間で最長のステージ距離を走行する長い一日となります。
競技2日目となる11日土曜日のデイ2は、リエカの東側エリアが戦いの舞台に。この日はミッドデイサービスの設定がなく、古都カルロヴァツに設定されたタイヤフィッティングゾーンでの15分間の簡易的な整備作業のみで、4本のステージを午前と午後で各2回走行。8本のステージの合計距離は115.96kmとなります。
ラリー最終日となる12日の日曜日は、リエカの南東エリアを走行。アドリア海の北部、風光明媚なクヴァルネル湾に向かう2本のステージを、ミッドデイサービスやタイヤフィッティングゾーンを挟むことなく各2回走行。4本のステージの合計距離は57.46kmと、3日間で最短の一日となります。そのうち、SS18の再走ステージとなる最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全20本でその合計距離は300.28km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1134.00kmが予定されています。
Toyota Gazoo Racing
トヨタはGR Yaris Rally1 Hybridを投入し、過去4大会(2021〜2024年)で勝利を収めている強豪です。今回のラリーでは連続勝利を目指し、セットアップの継続的な改善を図っています。特にウェットやマディなターマックを想定したテストを実施し、変化するグリップへの適応力を高めています。チームはマニュファクチャラーズ選手権でリードしており、ドライバーズでも上位を独占する勢いです。
• Elfyn Evans / Scott Martin(#33):チャンピオンシップリーダー。2023年優勝者で過去に良いリザルトを残しています。「路面コンディションが頻繁に変化するラリーですが、今年は海の近くへの移動で未知の要素が増えます。可能な限り最高の結果を目指します」とコメント。
• Oliver Solberg / Elliott Edmondson(#99):今季すでに勝利を挙げ、モンテカルロで好感触。「トリッキーなラリーですが、勢いを維持し学びを深めたい」と意気込みます。
• Takamoto Katsuta / Aaron Johnston(#18):サファリ勝利の勢いをターマックに持ち込み。「クロアチアは最もトリッキーなターマックラリーの一つ。予期せぬ状況にも備えます」と語っています。
• Sami Pajari / Marko Salminen(#5、TGR-WRT2):追加エントリーとして経験を積みます。
Hyundai Shell Mobis WRT
Hyundai i20 N Rally1を3台投入(フルタイム2台+共有1台)。ケニアでの初表彰台に続き、ターマックでのパフォーマンス向上を目指します。過去に5回の表彰台(Neuvilleが3回)を獲得しており、経験が武器です。グリップ変化へのドライブアビリティ改善をテストで進めましたが、全ての改良が間に合わないためステップバイステップで進化させる方針。純粋なパフォーマンスが鍵となり、リライアビリティ(信頼性)を重視して日曜日の戦いに備えます。
• Thierry Neuville / Martijn Wydaeghe(#11):クロアチアで3回の3位入賞経験を持つエース。「ターマックで少し苦戦していますが、新しいステージはチャレンジングで楽しい。秒単位の戦いなので、最初のコーナーから99%の自信が必要です」とコメント。
• Adrien Fourmaux / Alexandre Coria(#16):一貫したフィニッシュを目指し。「多くの異なるプロファイルがある難しいターマックラリー。良いペースノートで自信を持って走りたい」と語っています。
• Hayden Paddon / John Kennard(#20):クロアチア初参戦。「モンテカルロの経験を活かし、ステージごとにペースを上げてマニュファクチャラーズポイントに貢献したい。伝統的なターマックラリーを楽しみたい」と意欲的です。
M-Sport Ford World Rally Team
Ford Puma Rally1を2台投入。Jon Armstrong / Shane ByrneとJoshua McErlean / Eoin Treacy(または関連クルー)がエントリーします。2025年のERCクロアチア勝利経験を持つArmstrong組が上位を狙い、McErlean組はデビュー戦として自信ある走りを目指します。ターマックステージへの準備を進め、迅速な適応力と一貫したパフォーマンスを発揮する戦略です。新ルートでのサプライズを期待されます。
Jon Armstrong / Shane Byrne(95):2025年のERCクロアチア総合優勝者で、2021年のJunior WRC勝利経験もあります。「クロアチア・ラリーは私にとって特別なイベントです。素晴らしい思い出がたくさんあるこの道で、今年も良い結果を残したいと思います」と語っています。
• Joshua McErlean / Eoin Treacy(55) : 「クロアチアは、私にとってターマックでの走りをさらに磨き、自分自身や走りの感覚、そしてドライビングに集中するための重要なラリーの一つです。今年は新しいステージが多く、コースもとても魅力的ですので、良い挑戦になるはずです。目標は、ミスなく安定した走りを見せ、着実に成長し続けることです。」
WRC Croatia Rally 過去5年間の勝者
| Year | Winner (Driver / Co-Driver) | Car |
|---|---|---|
| 2024 | Sébastien Ogier / Vincent Landais | Toyota GR Yaris Rally1 |
| 2023 | Elfyn Evans / Scott Martin | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid |
| 2022 | Kalle Rovanperä / Jonne Halttunen | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid |
| 2021 | Sébastien Ogier / Julien Ingrassia | Toyota Yaris WRC |
| 2025* | Jon Armstrong / Shane Byrne | Ford Fiesta Rally2 |
*2025年はERC開催(非WRC)。トヨタがWRC時代に4連勝を達成。


