ヌービル勝利目前のドラマで勝田貴元が劇的2勝目 WRC 2026 Croatia Rally Final

クロアチア・ラリー2026の最終日(Day 3)は、予測不能なドラマで幕を閉じました。アドリア海北部クヴァルネル湾方面の新ステージ2本を、ミッドデイサービスなしで各2回走行する計57.46kmの短い一日でしたが、大きな波乱が起きました。

首位を独走していたティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1)が、Wolf Power Stage(SS20)でコンクリートブロックに接触し、前右サスペンションを破損してリタイア。1分14.5秒のリードを目前に勝利を逃しました。このアクシデントにより、2位走行中の勝田貴元(Toyota GR Yaris Rally1)が劇的な逆転優勝を飾りました。

サミ・パヤリは土曜日のパンクでリードを失っていましたが、最終日は安定走行で2位に浮上。ヘイデン・パドンは一貫した走りで3位に入り、2018年以来の表彰台を獲得しました。また、オリバー・ソルベルグとエルフィン・エバンスは金曜日のコースオフから再出走し、日曜日にスーパーサンデーで大量ボーナスポイントを稼ぎました。

ヌービルはリタイア後のコメントでこう語っています。「チーム全員に謝罪したい。一年を通じて一緒に働く皆さんに大きな失望を与えてしまいました。マルティンと私にとって予想外のことでしたが、ラリーは最終ステージでも牙をむくことがあります。計画通りに走っていましたが、あのコーナーで驚いてしまい、恐らく少し早めに曲がり過ぎたのが原因でした。すぐに反応して開きましたが、アクシデントが起きました。これから厳しい時期になりますが、諦めずに強く戻って戦い続けます。必ず私たちの番が来ます。」

M-Sport Ford勢では、ジョン・アームストロングがスーパーサンデーで3位に入る好走を見せ、パワーステージ3位でポイントを獲得。WRC2ではロメト・ユルゲンソンがステージ勝利を挙げるなど速さを見せましたが、パンクに苦しみました。

1.  Takamoto Katsuta / Aaron Johnston (Toyota GR Yaris Rally1)

最終日を2位でスタート。ヌービルのトラブルにより優勝を手にし、サファリ・ラリー・ケニアに続く2連勝を達成。日本人ドライバーとして史上初のドライバーズ選手権首位に立ちました。
コメント:「まさかこのような結果になるとは予想していなかったですし、こういった瞬間がいかに辛いものであるか自分自身もよく分かっているので、ティエリーとマルティン、そしてヒョンデチームを気の毒に思います。それでも、この週末自分たちはクレバーに戦うことができたので、チームとアーロンのためにも喜ぶべきでしょう。」

2.  Sami Pajari / Marko Salminen (Toyota GR Yaris Rally1)

土曜日までリードしていましたが、パンクで後退。最終日は確実な走りで2位を獲得し、3戦連続表彰台。スーパーサンデー5位、パワーステージ4位でボーナスポイントを加算。
コメント:「表彰台に立つのはいつだって嬉しいですし、3位3回経て今回初めて2位になれたことは喜ぶべきことです。もちろん、長い間ラリーをリードしていただけに少し悔しい気持ちもありますが、次のラリーへの意欲がさらに高まりました。」

3.  Hayden Paddon / John Kennard (Hyundai i20 N Rally1)

トラブルを最小限に抑えた賢明な走りで3位。SS14でパンクを喫しましたが、冷静に完走し、2018年以来の表彰台を獲得。
コメント:「まずはチームとティエリーのために残念に思います。彼らは勝利に値する走りをしていました。サプライズの表彰台ですが、計画通りに粘り強く走った結果です。」

4.  Yohan Rossel / Arnaud Dunand (Lancia Ypsilon HF Rally2)

WRC2で勝利し、総合4位。Lanciaとして1994年以来のトップ5入りを果たしました。兄レオとともに上位を独占する活躍でした。

5.  Léo Rossel / Guillaume Mercoiret (Citroën C3 Rally2)

兄ヨハンとWRC2上位を分け合い、総合5位でWRC2 2位。安定したペースで完走しました。

6.  Nikolay Gryazin / Konstantin Aleksandrov (Lancia Ypsilon HF Rally2)

WRC2 3位で総合6位。厳しいグリップ変動のある路面でも着実な走りを続け、Lanciaの好調を支えました。

7.  Alejandro Cachón / Borja Rozada (Toyota GR Yaris Rally2)

ターマックで安定した走りを見せ、総合7位(WRC2 4位)。GR Yaris Rally2のポテンシャルを発揮しました。

8.  Roope Korhonen / Anssi Viinikka (Toyota GR Yaris Rally2)

堅実なパフォーマンスを維持し、総合8位(WRC2 5位)で完走。TGR WRCチャレンジプログラムの好結果に貢献しました。

9.  Riccardo Daprà / Luca Guglielmetti (Škoda Fabia RS Rally2)

グリップの変化に苦しみながらも最後まで走り切り、総合9位でフィニッシュしました。

10.  Emil Lindholm / Georgios Morales (Škoda Fabia RS Rally2)

厳しい週末を耐え抜き、総合10位で完走。タフなコンディションの中で経験を積みました。


WRC次戦は、4月23日から26日にかけて、スペインのカナリア島で行われる第5戦「ラリー・イスラス・カナリアス」です。2025年に初めてWRCとして開催されたこのイベントは、アフリカ大陸の北西、大西洋上に浮かぶスペイン領カナリア諸島のグラン・カナリア島で行われるターマック(舗装路)ラリーです。ラリーの中心となるサービスパークはグラン・カナリア島のラス・パルマスに置かれ、島の広い範囲に展開する、ハイグリップなターマックロードが戦いの舞台となります。

WRC Croatia Rally 2026 – Final Classification (Top 10)
PosDriver / Co-DriverTeam / CarTime / Gap
1Takamoto Katsuta / Aaron JohnstonToyota Gazoo Racing – Toyota GR Yaris Rally12:51:15.8
2Sami Pajari / Marko SalminenToyota Gazoo Racing – Toyota GR Yaris Rally1+20.7s
3Hayden Paddon / John KennardHyundai Shell Mobis – Hyundai i20 N Rally1+2:07.7
4Yohan Rossel / Arnaud DunandLancia Corse HF – Lancia Ypsilon HF Rally2+5:19.9
5Léo Rossel / Guillaume MercoiretCitroën – Citroën C3 Rally2+5:58.7
6Nikolay Gryazin / Konstantin AleksandrovLancia Corse HF – Lancia Ypsilon HF Rally2+6:17.8
7Alejandro Cachón / Borja RozadaToyota Gazoo Racing – Toyota GR Yaris Rally2+6:42.8
8Roope Korhonen / Anssi ViinikkaToyota Gazoo Racing – Toyota GR Yaris Rally2+6:54.0
9Riccardo Daprà / Luca GuglielmettiŠkoda Motorsport – Škoda Fabia RS Rally2+7:38.1
10Emil Lindholm / Georgios MoralesŠkoda Motorsport – Škoda Fabia RS Rally2+9:20.5
2026 FIA WRC Drivers’ Championship Standings (after Round 4)
PosDriverPoints
1T. Katsuta81
2E. Evans74
3O. Solberg68
4S. Pajari52
5A. Fourmaux49
6S. Ogier26
7T. Neuville25
8E. Lappi21
9Y. Rossel18
10L. Rossel18
2026 FIA WRC Manufacturers’ Championship Standings (after Round 4)
PosTeamPoints
1Toyota Gazoo Racing World Rally Team208
2Hyundai Shell Mobis World Rally Team131
3Toyota Gazoo Racing World Rally Team 255
4M-Sport Ford World Rally Team51