アクロポリス・ラリー・ギリシャの最終日は、ルートラキ周辺の名物ステージで激しいドラマが展開されました。「アギー・テオドリ」(SS14/16、全長25.39km、今大会最長)と「ルートラキ」(SS15/17、16.61km)をミッドデイサービス挟みで各2回走行するレイアウトで、ルートは昨年から大きく変更。特にアギー・テオドリは2013年以来のコースが使用されました。最終SS17はパワーステージに指定され、トップ5にボーナスポイントが与えられる重要なステージとなりました。
最終日も好天に恵まれ、日中気温は30度前後まで上昇。乾燥したドライコンディションの下、タイヤの消耗と路面の荒れが勝負を分けました。前日デイ3終了時点で首位ティエリー・ヌービルとの差を4.1秒に縮めていたセバスチャン・オジエは、SS14で2番手タイムを記録し、ヌービルを5.4秒上回って逆転トップに立ちました。続くSS15では両者がベストタイムを分け合い、1.3秒差を維持。SS16ではオジエがベストタイムを刻む一方、ヌービルがタイヤダメージを負って11番手タイム(53.5秒遅れ)に後退し、差は54.8秒に拡大しました。最終パワーステージもオジエが制し、今シーズン2勝目(ラリー・イスラス・カナリアス以来)、WRC通算69勝目を達成。スーパーサンデーも1位で最大35ポイントを獲得し、ドライバーズランキングを5位から3位へ上げました。アクロポリスでは2011年以来、15年ぶりの優勝となりました。
オジエのトラブルフリーな安定した走りと経験が光る内容で、ギリシャの過酷なステージを完璧に攻略しました。
勝田貴元は不利な出走順ながらデイ3で総合3位に浮上しており、最終日は前後のライバルとの差を考慮した確実性を重視した走行に徹しました。SS14ではアドリアン・フォルモーがベストタイムを記録して差を23.3秒に縮めましたが、SS15でフォルモーがタイヤダメージにより大幅ロス。勝田は3番手タイムで優位を広げ、SS16で6番手、パワーステージで4番手タイムを記録して総合3位でフィニッシュ。今シーズン4回目の表彰台を手にしました。スーパーサンデー3位とパワーステージボーナスでポイントを加算し、ドライバーズ2位を守り、首位エルフィン・エバンスとの差を20ポイントから7ポイントに縮めました。
サミ・パヤリはデイ2のトラブルから挽回を続け、最終日も好調を維持。パワーステージを含むステージでセカンドベストを2回記録して総合4位でゴール。スーパーサンデー2位のボーナスも獲得し、ランキング上位をキープしました。
エルフィン・エバンスはSS14でタイヤがホイールリムから外れるトラブルに見舞われながら順位を守り、パワーステージ5番手ボーナスで首位を維持。オリバー・ソルベルグはデイ2のリタイアの影響から最終日着実に挽回し総合16位前後、スーパーサンデー5位で1ポイントを獲得しました。
TGR-WRTは今季8戦7勝を達成。今大会46ポイント獲得でマニュファクチャラーズ選手権リードを140ポイントに拡大しました。
1位 セバスチャン・オジエ(Toyota GR YARIS Rally1 1号車)
コメント:「長年の時を経て、アクロポリス・ラリーで再び優勝することができて良い気分です。まるでギリシャの神々が再び味方してくれたかのようでした。…求めていた最大ポイントをすべて獲得することができて本当に良かったです。」
2位 ティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1 11号車)
コメント:「全体として複雑な気持ちです。もちろん最後まで勝利を争えなかったことは非常に残念ですが、一方で今回のペースと改善点にはとても満足しています。アクロポリス・ラリーから多くのポジティブな点を引き出せましたし、堅実なポイントも獲得できました。これで選手権争いに再び戻る良い機会が得られました。」
3位 勝田貴元(Toyota GR YARIS Rally1 18号車)
コメント:「これほど過酷なラリーを戦い抜いて表彰台に立つことができ、本当に嬉しいです。…クルマには全く問題がなく、良い週末でしたし、これから臨むことになるハイスピードラリーも楽しみです。」
4位 サミ・パヤリ(Toyota GR YARIS Rally1 5号車)
コメント:「自分たちにとって今日はまさにスーパーサンデーでした…最終的には悪くないイベントになりました。チャンピオンシップでも依然良い位置につけています。」
5位 エルフィン・エバンス(Toyota GR YARIS Rally1 33号車)
コメント:「事前に予想していた通り、厳しい週末になりました。…この結果にはがっかりしていますが、こういうこともあります。次戦に向けて前に進むしかありません。」
6位 ジョシュ・マッカーリーン(M-Sport Ford Puma Rally1 55号車)
コドライバーのシートベルト未装着により1分ペナルティが課せられ、4位から6位に後退
7位 アドリアン・フォルモー(Hyundai i20 N Rally1 16号車)
コドライバーのシートベルト未装着により1分ペナルティが課せられ、6位から7位に後退
8位 マーティンス・セスクス(M-Sport Ford Puma Rally1 22号車)
コメント:「全体としてラリーはまあまあだったと思います。大きなミスはなく、土曜の朝に少しペースが足りなかったかもしれませんが、それ以外は自分たちとしてしっかりやれたと思います。サービスでの問題は残念でしたが、チームが頑張ってくれました。次のラリーが楽しみです。」
9位 ロバート・ビルヴェス(Toksport WRT Škoda Fabia RS Rally2)
WRC2上位争いで健闘。安定した走りが光りました。
10位 アンドレアス・ミッケルセン(Toksport WRT Škoda Fabia RS Rally2)
WRC2で存在感を発揮。最終ステージなどで好タイムを記録しました。
WRC次戦は、7月17日(金)から19日(日)にかけて、エストニアで開催される「ラリー・エストニア」です。グラベル(未舗装路)のラリーながらステージの特徴はアクロポリス・ラリーと大きく異なり、全体的にハイスピードで、路面はスムースで基本的には大きな石もありません。その点においてはラリー・フィンランドと似たキャラクターですが、フィンランドより道幅が狭くツイスティなセクションも多く、また、路面が軟らかいため同じステージを2回目に走行する時は、深い轍ができやすいのが特徴です。