
迎える第10戦ラリー・デル・パラグアイは、WRC初開催のラリーです。今シーズンは全部で3大会がWRC初開催となりますが、ラリー・デル・パラグアイもそのひとつ。約1週間のインターバルを経て9月には第11戦ラリー・チリが開催されるため、2イベント連続での南米大陸戦となります。
ラリー・デル・パラグアイの中心となるのは、パラグアイの首都アスンシオンから南東に360km程度離れた都市「エンカルナシオン」です。南アメリカ大陸の中央南部に位置するパラグアイはブラジル、ボリビア、アルゼンチンと国境を接しており、ラリーはアルゼンチンとの国境を流れるパラナ川の周辺に多くのステージが設定されます。ステージの路面はグラベルで、dense vegetation(密生した植生)を貫く技術的に高度で高速なステージの組み合わせで、競技者を試すことになります。イベントの特徴的な赤土の道路は、チームにあらゆる困難を突きつけると予想されています:すぐに溝が掘れる柔らかい路面、隠れた岩盤、そして広大な直線区間、狭いセクション、急な曲がり角が不規則に混在する予測不能なコースレイアウトです。WRCの過去のデータがないため、チームが参考にするオンボード映像やデータが存在せず、適応力が成功の鍵となります。 雨が降ると、ステージは危険なほど滑りやすくなり、車両のセッティング、ブレーキの安定性、加速性能が特に重要になります。
このイベントは、数年間CODASUR南米ラリー選手権で活動した後WRCに初昇格しました。この地域ではこれまで、エンカルナシオンが属するイタプア県の名を冠した「ラリー・トランス・イタプア」が行われきましたが、今回のWRC開催イベントではステージの多くを受け継いでいます。しかしRALLY1がステージを走行するのは今回が初めてであるため、WRCのトップカテゴリーで戦うドライバーはペースノートを新たに作成しなくてはならず、その精度が結果に大きく影響する可能性があります。
ラリーは28日の木曜日の午前中にシェイクダウンが、夜にエンカルナシオンでセレモニアルスタートが行われ、金曜日の朝から戦いがスタート。
デイ1としてサービスパークの東側エリアを中心に4本のステージを、エンカルナシオンでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。そのうちSSS4とその再走ステージであるSSS8「アウトドロモ」は、全長2.5kmのスーパーSSです。8本のステージの合計距離は140.90kmに達し、3日間で最長の一日となります。
土曜日のデイ2は、サービスパークの西北エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走ります。また、ミッドデイサービスの直前には、SSS12として三度アウトドロモを走行。7本のステージの合計距離は113.60kmとなります。
最終日となる日曜日のデイ3は、サービスパークの東北エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行し、その合計距離は80.72kmと3日間で最短。最終ステージのSS19は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。ラリーは3日間で19本のステージを走行し、その合計距離は335.22km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、999.63kmが予定されています。





