
11月26日(水)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第14戦「ラリー・サウジアラビア」が開幕。金曜日と土曜日が休日となるサウジアラビアは、他のWRCイベントと異なり土曜日がラリー最終日となります。そのためラリーの開始は通常より一日早く、26日の水曜日から走行がスタート。午前11時過ぎからシェイクダウンが、午後8時35分からオープニングステージであるSSS1がスタートしました。シェイクダウンのステージは最終日のSS15/17と一部が重なります。
その後、ジッダ中心部に置かれたサービスパークでのセレモニアルスタートに続き、サービスパークの通りを挟んだ向かい側の広場で5.22kmのターマック(舗装路)ステージ、SSS1「ジャミール・モータースポーツ・スーパースペシャル1」がスタート。
そして翌日から本格的なラリーがスタート。ジッダのサービスパークの北側エリアで3本のグラベル(未舗装路)ステージを各2回走り、一日の終わりには、デイ1でSSS1として行なわれたターマック(舗装路)ステージを、SSS8として再走。7本のステージの合計距離は106.84kmでした。デイ2も一日を通して天気はとても良く、日中の最高気温は32度前後と暑い一日に。路面は終日ドライコンディションが保たれました。
木曜日の夜、砂漠での混沌としたオープニングレグを終え、エイドリアン・フルモーがラリー・サウジアラビアで首位に立っています。一方、FIA世界ラリー選手権のタイトル争いでは、セバスチャン・オジェがエルフィン・エヴァンスをわずかに上回っています。
フルモーは、ドラマチックな展開で順位が入れ替わったクーライスの2走目を含む激闘の午後の末に首位に立ちました。フルモーは全7ステージで大きなトラブルを回避し、トヨタのサミ・パヤリに6.0秒差をつけてこの日を締めくくりました。序盤のペースセッター、マルティンス・セスクはタイヤのパンクもあり後退しましたが、わずか0.9秒差の3位につけています。
この日のラリーリーダーは数度入れ替わりました。午前中のループで2つのステージを制し圧倒的な優位を築いたセスクスでしたが、ムーンステージの荒れた再走で右後輪がパンクし15秒以上を失い後退。パヤリはSS6を制して首位に立ったものの、最終ステージで右前輪のデラミネーションが発生し、フルモーに逆転されてしまいました。両者とも金曜日に向けて依然として優勝争いの圏内に留まっています。
Adrien Fourmaux

今日は本当に満足している。常にさらにプッシュできるとは思うが、マシンとタイヤを消耗させるか温存するかのバランスを取りながら走っており、それをかなりうまく管理できたと思う。今夜はトップに立っているが、差は小さいので何とも言えない。今日はタイヤに厳しい一日だった、特に午後のループの2ステージ目は。若手たちと戦えるのは本当に嬉しい。明日はステージが全て異なるが、今日のステージと共通点もある。このような形で一日を終えられたのは前向きな材料だ。明日の展開を見守りたい
しかし、最大の変化は彼らの後ろで起こりました。チャンピオンシップリーダーのエヴァンスは、トップで走行していましたが、後続の選手たちが巻き上げた砂や岩でグリップが悪く、一日中苦しみました。午前中にわずかにオーバーシュートしたことでさらに遅れを取り、午後には荒れた路面でさらにタイムを失い、1分以上の遅れで9位でこの日を終えました。
チームメイトを3ポイント差で追いかけているオジェは、コンディションをより効果的に管理し、複数のライバルを遅らせたトラブルを回避した。フランス人ドライバーは7位で一晩のサービスに到達し、エヴァンスが苦戦したため、1ポイント差で暫定チャンピオンシップの首位に立ちました。
カッレ・ロバンペラの3度目の世界タイトル獲得への望みは、2回のパンクにより8位に留まり、この日の終わりにはオジェとエヴァンスの間に位置することとなり遠のいてしまいました。
エヴァンスは金曜日の出走順で4 番手、オジェは 6 番手、オジェにはわずかではあるが意味のあるアドバンテージが与えられることになります。
Sébastien Ogier
予想通り厳しい一日でした。特にループの2本目と3本目のステージの非常にツイスティな区間では、かなりクリーニング効果が大きかったように思います。しかしループの最初のステージはスムースだったので、そこでプッシュしてタイムを稼ごうと試みました。総合順位には表れていないかもしれませんが、今日は自分でも本当に良い仕事をしたと思います。我々の出走順で、これ以上のことはできなかったと思います。メインターゲットはエルフィンとカッレの前にいることですが、差はまだ小さいので明日も頑張って走り、できればいくつか順位を上げたいと思っています。
Elfyn Evans
タフな一日でした。午前中の最初のステージでは慎重になりすぎてしまい、多くのタイムを失ったので少しがっかりしました。その後の2本のステージでは、路面のクリーニング効果がより顕著になりましたが、すぐ後ろを走行したセブと比べると、私のペースはそれほど悪くなかったように思います。再走ステージでは、クリーニング効果がより不利に働いた場所もあったと思います。路面コンディションが急速に変化していく中で、自分がどれくらい良いドライビングをできていたのか判断するのは簡単ではありません。しかし、私たちの戦いはまだ続いていますし、明日はより長いステージのループが待っています。トラブルを避け続けることは非常に難しいのではないかと思いますが、私はただ自分のドライビングに集中し続けるつもりです。
Kalle Rovanperä
とても厳しい一日でしたが、それは誰にとっても同じことです。残念ながら、午前中最後のステージでタイヤにダメージを負ってしまいました。ステージの途中でタイヤ交換を行なわないという判断は正しかったと思いますが、それでもかなりのタイムを失い、明日の出走順も早まってしまったのは良いことではありません。今日見られたように、路面のクリーニング効果は予想以上に大きいので、明日も厳しい一日になるでしょう。とはいえまだ長い道のりが残っているので、自分たちができることをするのみです。
オット・タナクはサスペンション損傷の可能性を報告しながらも最終ステージ前夜に勝利し、暫定4位につけた。チームメイトのティエリー・ヌービルはフロントガラスのひび割れとスローパンクチャーに見舞われた一日を経て5位、勝田貴元はタイヤを温存する慎重な走りで6位をキープしています。
グレゴワール・ミュンスターとオリバー・ソルベルグがトップ11入りを果たした一方、ミュンスターのM-Sportフォードチームメイトであるジョシュ・マッカーリーンとナセル・アルアティヤは、いずれもタイヤの空気圧低下により遅れを取った。ナッサーはさらにジャンプの着地でリアハッチが脱落したり、ジャッキの固着で7分以上を失ってしまっています。
28日(金)は、サービスパークの東側エリアが戦いの舞台となり、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走ります。そのうちSS10/13は全長30.58kmと、今大会2番目に長いステージ。SS11/14は当初の予定よりもフィニッシュ地点がかなり手前に移され、全長24.90kmに短縮されました。それでも6本のステージの合計距離は134.34kmと長く、4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は422.98kmとなります。
End of day two (Thursday):
1 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) 1h18m45.3s
2 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +6.0s
3 Mārtiņš Sesks/Renārs Francis (Ford Puma Rally1) +6.9s
4 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1) +13.7s
5 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +14.9s
6 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +22.9s
7 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1) +44.2s
8 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) +1m21.2s
9 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) +1m25.3s
10 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1) +2m10.9s





