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ラリー・サウジアラビアの最終日は、ジッダのサービスパークの北側エリアで3本のステージを走行。その合計距離は65.86kmでした。最終日も天気に恵まれ、ステージの最高気温は日中33度前後まで上昇。ステージはドライコンディションが保たれました。
セバスチャン・オジェが土曜日の午後、FIA世界ラリー選手権で9度目のタイトルを獲得しました。一方、ティエリー・ヌービルが激闘のラリー・サウジアラビアを制して、劇的な2025年シーズンを締めくくりました。
オジェは、チームメイトであるエルフィン・エバンスをわずか 1 順位上回り、暫定 2 ポイントのリードで最終日の 3 ステージに臨みました。最終ステージの 2 つ前のアスファンステージで、総合順位が 6 位から 3 位にジャンプアップ。タイトルを確実に手中に収めました。ウルフ・パワーステージを慎重に走破し、41歳のオジェはセバスチャン・ローブが持つ史上最高の記録に並ぶ事になりました。
この勝利は、2022年末からオジェとタッグを組んでいるコ・ドライバーのヴァンサン・ランデにも初の世界タイトルをもたらしました。
前日のリーダーだったマルティンス・セスクスとカッレ・ロバンペラがともにタイヤ交換のためにタイムロスし、勝田貴元がGRヤリスラリー1を横転させた結果、オジェがジャンプアップ。エバンスも順位を上げましたが、最終的な順位との差により、ウェールズ出身のドライバーは5度目のチャンピオンシップ2位に甘んじることを余儀なくされ、近年では最も接戦となったこのシーズン、わずか4ポイント差でタイトルを逃しました。
Sébastien Ogier
エルフィンとスコットとの戦いは本当に壮絶でした。偉大なチャンピオンには偉大な対戦相手が必要ですし、彼らは最後まで非常に強く、我々は今年最後のステージまで追い詰められました。彼らふたり、カッレとヨンネ、そしてチーム全員におめでとうと言いたいです。とても成功したシーズンでしたし、このファミリーの一員であることを誇りに思い、幸せを感じています。家族と過ごす時間を増やすためラリーへの取り組みかたを変えると決めた後、9度目のタイトル獲得という瞬間が訪れるとは夢にも思いませんでした。この素晴らしいチームと共に仕事ができる機会に恵まれたこと、そして私の横で驚くべき仕事ぶりを見せ、私を鼓舞し、若返らせてくれた若いコ・ドライバーに出会えたことに感謝します。共に素晴らしい仕事を成し遂げてきたので、今日はヴァンサンの勝利を喜ぶ気持ちの方が強いですが、もちろん自分にもおめでとうと言いたいです。
ヌービルは最終日の最初ステージでセスクスを抜くと、54.7秒差で今季初となるラリー優勝を決めました。ダンパーの不調が終盤まで続き緊張感が高まっていましたが、後続の混乱からポジションを守りきました。
アドリアン・フルモーがヒュンダイの1-2フィニッシュを完成させたものの、金曜夜にアーリーチェックインによる1分のタイムペナルティで首位から転落したフランス人ドライバーは、WRC初優勝を逃したことを悔やむ結果となりました。
Thierry Neuville
前回の勝利から長い間待たされましたが、特に厳しい年を過ごしたシーズン終盤に再び表彰台の頂点に立てたことは素晴らしいことです。私たちは非常に喜んでいますし、もちろん1-2フィニッシュはチームにとって非常に重要です。全員が懸命に努力してきました。今後数週間が、2026年に再び優勝争いに加わるための最も重要な時期だ。マシンへのさらなるアップグレードと改良に加え、チーム体制の構築も進めなければならない。最近のマシンの進化について多くの知見を得た。今こそ、その学びをパフォーマンスに反映させるために全力で取り組む時だ。
サミ・パジャリは金曜日にホイール交換を行ったものの、見事な回復を見せて4位でフィニッシュ。8.2秒差で、損傷したトヨタを駆る勝田貴元が5位となった。
同様に損傷したマシンで、エバンスは6位、このラリーでWRC を引退するロバンペラは7位。
Kalle Rovanperä
セブとヴァンサンのタイトル獲得を祝福します。彼らは今年素晴らしい戦いを続けてきたので、間違いなくチャンピオンに相応しいと思います。自分たちが望んでいたような、最後のラリーにはなりませんでしたが、タフな戦いになることは最初から分かっていました。それでも今は、良い気分です。もちろん、人生の大きな部分を占めてきたこのスポーツと仲間たちから離れるのは悲しいですが、それと同時に自分たちが成し遂げたことに誇りを感じています。本当に素晴らしい経験でした。感謝すべき人は多数いますが、何よりもまず、素晴らしい時間を共に過ごし、輝かしい結果を残し、多くの楽しい瞬間を共有してきたヨンネに感謝します。そして、この素晴らしい年月を共に過ごしてきたトヨタと、チームの皆にも感謝します。
M-Sportフォードのセンセーション、セスクスはラリーの注目すべき物語の一つであり続けました。彼とコ・ドライバーのレナーズ・フランシスは5つのステージを制し、最終日に向けて首位を走っていたが、アスファンでのダブルパンクにより約8分を失い、最終ステージ前にエンジン不調でリタイアしたため、チームメイトであるグレゴワール・ムンスターとジョシュ・マッカーリーンが8位と9位に浮上。また今回のラリーに参戦していたナッサーアルアティアは15位で完走しています。
Mārtiņš Sesks
レナーシュと僕にとって、ペースを掴めていること、そして正しい方法で物事を進められることが何よりの救いだと思う。チームと共に積み重ねてきた努力の末に示せた結果には満足している。戻ってこられて本当に良かった。
Nasser Al-Attiya
ラリー1マシンでここに参戦できて本当に嬉しいです。これを実現させてくれたM-Sportに心から感謝します。マシンを見つけるのは簡単ではありませんでしたが、マルコムに電話一本しただけで、突然マシンが用意されました。このレベルでここにいて戦えるのは素晴らしいことです。普段はラリー2マシンで参戦していますが、ラリー1でこれらのステージを経験するのは全く別物です。この経験に大変満足しており、来年も必ず再び挑戦するつもりです。
そして、ロバンペラ同様このラリーでフル参戦が最後となるタナクは11位でした。オット・タナックとマーティン・ヤルヴェオヤは、タハバンの最初のループでグリップに苦しみ、ステージの約 15 km 地点の分岐点でコースアウトしました。この 2 人は、週末最長のステージである SS16 をほぼ問題なく走り切り、パワーステージでは最後のステージタイムで 3 位を獲得するためにプッシュし、3 位でフィニッシュしました。ヒュンダイ・モータースポーツは、オット・タナックとマーティン・ヤルヴェオヤの両者に改めて感謝の意を表するとともに、WRC の世界から離れて新たな冒険の次のステップで彼らの健闘を祈っています、と言うコメントを発表しています。
Ott Tänak
今日はコースをオープンするには最高の条件ではなかった。厳しい状況だったが、それでも良いリズムと走りを心がけた。これらのマシンは現時点でモータースポーツ界随一の逸品だ。運転する楽しさは格別で、観客にとっても非常に見応えがあるはずだ。今日はこの瞬間を存分に楽しもうと心がけ、本当に充実した一日となった。今後の展開は見てみよう。どれほど変化するかはわからないが、このスポーツがどう動くか、どこへ向かうかを見届けたい。ラリーから背を向けるつもりはない。ラリーは私に多くのものを与えてくれた。そのことに心から感謝している。
2026年FIA世界ラリー選手権（WRC）シーズンは、1月22日から25日にかけて開催されるラリー・モンテカルロで幕を開けます
PROVISIONAL FINAL CLASSIFICATION, RALLY SAUDI ARABIA
1 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) 3h21m17.3s
2 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) +54.7s
3 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1) +1m03.3s
4 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +1m51.7s
5 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +1m59.9s
6 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) +3m43.9s
7 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) +5m31.5s
8 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1) +7m07.2s
9 Josh McErlean/Eoin Treacy (Ford Puma Rally1) +8m30.5s
10 Oliver Solberg/Elliott Edmondson (Toyota GR Yaris Rally2) +10m00.6s
2025 FIA World Rally Championship for drivers after round 14:
1 Sébastien Ogier 293 points
2 Elfyn Evans 289
3 Kalle Rovanperä 256
4 Ott Tänak 216
5 Thierry Neuville 194
6 Takamoto Katsuta 122
7 Adrien Fourmaux 115
8 Sami Pajari 107
9 Oliver Solberg 71
10 Grégoire Munster 40
2025 FIA World Rally Championship for manufacturers after round 14:
1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 735 points
2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 511
3 M-Sport Ford World Rally Team 205
4 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 158
