
前日、3本のナイトステージで戦いの火蓋が切って落とされたラリー・モンテカルロは、いよいよフルデイでの戦いがスタート。デイ2としてサービスパークの東側と北側の山岳地帯で3本のステージを各2回走行する、6本合計107.34kmが予定されていました。しかし、午前中のSS5がキャンセルされたことにより、合計90.66kmのステージでタイムが競われることになりました。デイ2は朝から青空が広がり、早朝サービスパークの気温は2度前後。山岳地帯の道は概ねドライもしくは湿り気を帯びたコンディションでしたが、一部には泥や霜で覆われた路面、凍結した路面もあり、タイヤ選択はドライバーごとに異なりました。
そんな難しいコンディションの中、セバスチャン・オジェが見事なカムバックを果たし、ティエリー・ヌービルとエルフィン・エヴァンスがアルプスの悪路の犠牲となるなか、このラリー・モンテカルロで、前人未到の10回目の優勝を狙うオジェは、木曜日のSS3でコースオフから約20秒の遅れを喫してしまいましたが 、金曜日の夕方には、氷が敷き詰められたステージで見事なドライビングを披露し、12.6秒差でラリーをリードしています。
オジェのトヨタGRヤリス・ラリー1のチームメイトであるエルフィン・エヴァンスは、オープニングステージで首位のティエリー・ヌービルを2.8秒引き離し、サン・モーリス~オーベサーニュ1区でトップに立った。 その直後、ヌービルはSS6ラ・ブレオール-セロネ1で左リアサスペンションを破損して後退。
ドライバーズ選手権で4度の2位を獲得しているエバンスだったが、昼過ぎにはリードをわずか1.5秒まで縮められてしまいました。 さらにサン=レジェ=レ=メレーズ~ラ・バティ=ヌーヴの凍結区間で災難に見舞われてしまいました。 危険な場所でハーフスピンを喫し、ステージ優勝とラリー首位の座をオジェに明け渡す事に。 故郷のフォレスト・サンジュリアン村から目と鼻の先の道を走ることで活気づいたオジェは、この日のフィナーレで圧倒的なパフォーマンスを披露し、アドバンテージをさらに拡大しています。
Sébastien Ogier
13秒の遅れを12秒のリードに変えることができたので、ポジティブな一日でしたが、すべてが完璧だったわけではありません。午前中はリズムをつかむことに苦労し、午後の最初のステージでも限界までは攻めきれていませんでした。しかし、最後の2本のステージでリズムをつかむことができましたし、とくに、家族や友人など多くの人々が見守る中、自分にとってのホームステージで勝てたことを嬉しく思います。それでも、まだ気を緩めるわけにはいきません。まだまだ長い道のりが残っていますし、明日もこの調子を保ち続けなければなりません。
Elfyn Evans
今日もまたトリッキーなコンディションでした。今朝最初のステージはクルマが走るたびにコンディションが変わり、ループの最後のステージは太陽が照りつけ、ペースノートにマークしていたアイスがとけてしまったので、判断が難しかったです。午後はまずまずのスタートでしたが、ループの2本目のステージで、完全にアイスに覆われたコーナーでスピンを喫し首位の座を失ってしまいました。最後のステージでもさらに少し遅れてしまいましたが、大きな差ではないですし、勝負はこれからです。
ヒョンデ勢では、ヌービルとオット・タナクがSS6でi20 N Rally1の車体にダメージを負ったため、 チームでのWRC初参戦となったフルモーは、ステージ優勝と2回の2番手タイムで有望な走りを見せ、エバンスからわずか1.6秒差で3位につけています。
WRCチャンピオンに輝いたカッレ・ロバンペラも、木曜日に慎重なスタートを切った後、リズムを掴んだ。 トヨタのエースは午前中のオープニングステージを制し、6位から4位まで順位を上げた。 彼はフルモーから24.3秒遅れでゴールしたが、タナクには8.8秒の差をつけています。
グレゴワール・ミュンスターは、午前中のループで連続2番手タイムを記録するなど、これまでで最も好調な走りを見せた。 Mスポーツ・フォード・プーマ・ラリー1のドライバーであるグレゴワール・ミュンスターは、最終ステージでタイヤの空気圧が低下して総合6位まで順位を下げたものの、最終テスト後のロードセクションで電気系統のトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされてしまいました。
ミュンスターの後退により、勝田貴元がトヨタの若手スター、サミ・パヤリを抑えて6位でチェッカーを受けています。
Sami Pajari
改善できる部分はたくさんありますが、まずはクリーンに走り、自信と知識を少しずつ増やしていってからペースを上げていきたいと考えています。もう少し速く走りたい気持ちはありますが、全て計画通りに進んでいます。
8番手に後退したヌービルは、ラ・ブレオール-セロネを通過する第2コーナーでタイヤの空気圧が下がり、SS6でクラッシュしたのと同じコーナーでオーバーシュート、無事コースに復帰しています。
競技3日目となる1月25日(土)のデイ3は、ギャップのサービスパークの西側エリアで、3本のステージをミッドデイサービを挟んで各2回走行します。そのうちSS11/14「オスロン/ルクーボー=ジャンサック」は、完全な新ステージとなります。また、SS10/13「ラ・モット-シャランコン/サン・ナゼール」は全長27kmと距離が長く、今大会最長のステージとなります。6本のステージの合計距離は120.66km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は483.57kmとなります。
End of day two (Friday):
1 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1) 1h27m00.6s
2 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) +12.6s
3 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) +14.2s
4 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) +38.5s
5 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1) +47.3s
6 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +1m37.7s
7 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +3m32.9s
8 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +3m58.6s
9 Yohan Rossel/Arnaud Dunand (Citroën C3 Rally2) +5m04.0s
10 Nikolay Gryazin/Konstantin Aleksandrov (Škoda Fabia RS Rally2) +5m25.4s