
2025年のラリージャパンは、過去3大会と同じく今年も愛知県豊田市の「豊田スタジアム」にサービスパークが置かれ、11月6日から9日までの4日間、愛知県と岐阜県の山岳地帯を中心とする総走行距離293.64km、20ステージというアスファルト主体の過酷なコースで行われます。山岳ステージは全体的に道幅が狭く、非常にツイスティな低速区間が多いことが特徴ですが、流れるようなコーナーが続く、中高速のセクションも随所にあります。路面は全体的にフラットですが、大量の落ち葉が道を覆ったり、不安定な天気によりウェット路面となることもあり、過去には非常にトリッキーなコンディションで行なわれた大会もありました。今年はステージの変更とドライバーの運命的なストーリーが絡み合うエモーショナルな一戦となり地元ファンにとっては伝統の別れと新時代の幕開けが待ち受けるイベントになります。
ラリージャパンのステージは、常に進化を遂げており、2025年は過去の象徴的な要素に別れを告げつつ、新たな顔ぶれも登場します。
ラリーはまず、6日(木)の午前9時過ぎから豊田市鞍ケ池公園の2.75kmのステージでシェイクダウンが行われ、同日の午後から競技がスタート。午後4時過ぎからシェイクダウンと全く同じコースを、SS1「クラガイケ・パークSSS」として走行します。その後、豊田市駅前のエリアでウエルカムショーが行われ、デイ1は幕を閉じます。
山岳地帯の舗装路を舞台とする本格的なステージは7日(金)のデイ2から始まり、愛知県でSS2「イナブ/シタラ1」、SS3「シンシロ1」、SS4「イセガミズ・トンネル1」という定番のステージを走行。このうち隧道で有名なイセガミズ・トンネルのステージは、進行方向がこれまでと逆になります。その後、豊田スタジアムでのミッドデイサービスを経て、午後はSS5「イセガミズ・トンネル2」、SS6「イナブ/シタラ2」、SS7「シンシロ2」の順に3ステージを再走。6本のステージの合計距離は108.30kmとなり、一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが実施されます。
競技3日目、8日(土)のデイ3は愛知県と岐阜県が舞台に。今年新たに豊田市に設けられた豊かな自然の中で高速と低速のミックスがドライバーを翻弄するSS8「オバラ1」(愛知県)、SS9「エナ1」(岐阜県)、昨年初めて笠置山の周辺に設けられたSS10「マウント・カサギ」(岐阜県)の3ステージを、岐阜県中津川市の恵那峡ワンダーランドでのTFZ(タイヤフィッティングゾーン)での簡易的なサービスを経て再走。午後はSS11「マウント・カサギ2」、SS12「エナ2」、SS13「オバラ2」という順で3ステージを走ります。その後、昨年まで行われていた豊田スタジアム内でのスーパーSSに替わり、よりコンパクトで戦略重視となる新たに豊田スタジアムのすぐ横を流れる矢作川の周辺に設けられた全長3.05kmのSS14「トヨタ・シティSSS」を走行。一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが行われます。7本のステージの合計距離は121.91kmと長く、4日間で最長の一日となります。
競技最終日となる、9日(日)のデイ4の舞台は愛知県。SS15「ヌカタ1」、SS16「レイク・ミカワコ1」という定番の2ステージを走行した後、岡崎市の中央総合公園で「オカザキSSS」がSS17、18として2本連続で行われます。その後、ステージに隣接するエリアでのTFZを経て、午後はSS19「ヌカタ2」、SS20「レイク・ミカワコ2」と2本のステージを再走。最終ステージとなるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4日間で20本のステージを走行し、その合計距離は305.34km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は933.87kmとなります。
今回Oliver Solberg(#20)のフルイベント参加も見どころ。日本ファンに愛される2003年王者Petter Solbergの息子で、2025年WRC2チャンピオンに輝いた24歳が、トヨタGR Yaris Rally2でラリージャパン初参戦。アグレッシブなスタイルで上位WRC2勢を脅かす彼の走りは、次世代の象徴となります。
ステージの変革とドライバーのドラマが交錯する2025年ラリージャパンは、別れと希望の物語。岡崎のフィナーレ、豊田の進化、新ステージの洗礼、ロバンペラのラストラン、オリバーのフレッシュデビュー――これらが織りなす中、誰が桜の国を制すのか? シェイクダウンから熱戦が始まります。チケットを入手し豊田や岡崎で生の興奮を体感してください。
Recent winners
| 2024 | Elfyn Evans/Scott Martin | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid |
| 2023 | Elfyn Evans/Scott Martin | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid |
| 2022 | Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 |
| 2010 | Sébastien Ogier/Julien Ingrassia | Citroën C4 WRC |
| 2008 | Mikko Hirvonen/Jarmo Lehtinen | Ford Focus RS WRC ‘08 |
| 2007 | Hirvonen Mikko /Lehtinen Jarmo | Ford Focus RS WRC ’07 |
| 2006 | Loeb Sébastien /Elena Daniel | Citroën Xsara WRC |
| 2005 | Grönholm Marcus Rautiainen Timo | Peugeot 307 WRC |
| 2004 | Solberg Petter /Mills Phil | Subaru Impreza S10 WRC ’04 |





