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RallyFunJapan | タナク400回目のステージウイン : WRC 2025 Rally de Portugal DAY1

2025年のWRCは、今回のラリー・ポルトガルから9月の第11戦ラリー・チリ・ビオビオまで、7戦連続でグラベル(未舗装路)イベントが行われます。その初戦となるポルトガルは今シーズン初めてヨーロッパで開催されるグラベルラリーであり、今年もポルトガル北部ポルト近郊のマトジニョスのサービスパークを中心に、4日間にわたり競技が行われます。

ラリー初日となる15日の木曜日は、まず午前中にサービスパークの東側エリアの全長5.72kmのステージでシェイクダウンが行なわれ、その後、選手たちはサービスパークから約130km南に離れた古都コインブラへと移動。午後5時から始まったセレモニアルスタートでラリーは開幕しました。コインブラの町を後にした選手たちは、SS1の舞台となる大西洋に面したリゾート地「フィゲイラ・ダ・フォズ」へと移動。シーサイドエリアで午後7時過ぎから全長2.94kmのターマックステージがスーパーSSとして行なわれました。

16日金曜日の朝から本格的な戦いがスタート。ポルトガル北西部の山岳地帯で10本合計146.48kmのグラベル(未舗装路)ステージが行なわれました。約15時間にわたる競技は途中にフルサービスが設けられず、20分間のリモートサービス2回のみで一日を走り切る非常に苛酷な一日になりました。ポルトガル北西部は朝から好転に恵まれ、ステージの路面は基本的にはドライコンディションでしたが、週の前半に降った雨の影響で、午前中は路面が湿っているステージもありました。

ドライバー選手権首位のエバンス、2位のロバンペラは、ステージの出走順が1、2番手だったことにより、多くのステージでルースグラベルを掃き飛ばしながらの不利な走行を強いられる中、厳しいオープニングレグを終えて、オット・タナクがボーダフォン・ラリーポルトガルをリード。約150kmのグラベルを走破したヒュンダイのドライバーとセバスチャン・オジェの差はわずか7.0秒となっています。

また、i20 N Rally1のステアリングを握るタナクは、FIA世界ラリー選手権のステージ優勝回数400回を達成。 木曜日のスーパースペシャルで優勝したエルフィン・エヴァンスからリードを奪い、全10ステージ中4ステージでステージウインを飾りました。

タナクのチームメイト、アドリアン・フルモーはタナクの序盤のペースに匹敵する走りを見せ、2度のステージ優勝を飾りましたが、 午後のヘアピンで隠れた岩にぶつかり、ヒュンダイの左フロントステアリングを破損してその場でリタイアとなってしまいました。

これで一時2番目に浮上した勝田貴元でしたが、オジェが前に出るまでそれほど時間はかからりませんでした。 午前中は柔らかすぎるセッティングに苦しんだオジェ、午後はセッティングを変更して調子を取り戻し、終盤には勝田を20.1秒引き離しています。

Ott Tänak

もし(ステージ優勝と同じくらい)多くの選手権タイトルがあれば、さらに素晴らしい。今朝は間違いなくポジティブだった。 最初の2ステージは流れもフィーリングも良かったが、その後は少し落ちてしまった。 それでも、明日のために良いポジションを確保するために、今日を最大限に活用しようとした。 今日はトヨタ勢のポジションがあまり良くなかったので、僕らが優位に立ち、そのアドバンテージを生かした。 とてもタイトだし、このような競争があるのはいいことだ。残り数時間で戦略を決め、明日はもっとペースを上げられるようにしたい


カッレ・ロバンペラは勝田からわずか1.2秒差でトップ4に3台のトヨタを送り込むことに成功。 2度の世界チャンピオンに輝いたロバンペラは、路面が予想以上に滑りやすかったことを認めたが、トヨタのチームメイトであるエルフィン・エヴァンスのランキング首位に食い込む位置につけています。

ヌービルはSS2でバンクに激突しましたが、運良くダメージは回避。 一方、開幕戦の任務が重くのしかかったエヴァンスはトラクションに苦しみ、トップペースから1分以上遅れてしまいました。

Mスポーツ・フォードはグレゴワール・ミュンスターが8位、ジョシュ・マッケランが9位に入り、50台以上のクルマがエントリーリストに並んだRally2車両の戦いは、WRC2にエントリーするオリバー・ソルベルグが圧巻の速さを発揮。全10ステージのうち、9ステージでベストタイムを記録し首位に。WRC2クラス 2番手のライバルに43.6秒という大きな差を築き、総合でも10位につけています。

シェイクダウンのペースセッターだったマールティオシュ・セスクスは、SS2でホイール交換を強いられ、さらに後半で3分のタイムペナルティを受けてしまいました。


17日(土)は、サービスパークの東および東北エリアを中心にステージが設けられ、「ヴィエイラ・ド・ミーニョ」「カベセイラス・デ・バスト」「アマランテ」という4本のステージを、マトジニョスでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。全長22.10km のアマランテは、今年も大会最長のステージとなります。その後、「ロウサダ」のラリークロスサーキットで名物のスーパーSSで一日が終了。7本のステージの合計距離は122.92km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走距離は640kmとなります。

End of day two (Friday): 
1 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1) 1h41m26.2s
2 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1) +7.0s
3 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +27.1s
4 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) +28.3s
5 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +32.7s
6 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +1m01.4s
7 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) +1m09.0s
8 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1) +1m50.2s
9 Josh McErlean/Eoin Treacy (Ford Puma Rally1) +1m54.3s
10 Oliver Solberg/Elliott Edmondson (Toyota GR Yaris Rally2) +3m38.2s