
ラリー・チリ・ビオビオのデイ2は、サービスパークの南側、ビオビオ川と太平洋に挟まれたエリアで、「ペルン」、「ロタ」、「マリア・ラス・クルセス」という3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は139.20kmと、3日間で最長の一日でした。デイ2は早朝まで雨が断続的に降り、オープニングステージのSS7は開始直後から雨が強まり、路面は急激にウェットコンディションに。マディ(泥状)になった路面も所々にあるなど、グリップ変化の大きな難しいステージとなりました。降雨により路面のルースグラベルがグリップに与える影響は小さくなり、出走順が早いドライバーたちにとっては歓迎すべき路面コンディションになりました。

トップグループに大きなドラマがあった土曜日のDAY2を終え、トヨタのチームメイトであるエルフィン・エヴァンスに 6.3 秒の差をつけて、セバスチャン・オジェは首位でラリー・チリ・ビオビオの最終日前日を終了しました。
8度のチャンピオンは、金曜日の苦戦から見事なカムバックを果たし、FIA世界ラリー選手権200回目のスタートで主導権を握りました。午後の3つのステージすべてで勝利し、チャンピオンシップリーダーのエヴァンスを追い抜き、重要な勝利に向けてのポジションを確保しました。現在、9度目の世界タイトル獲得に向けて、エヴァンスを9ポイント差で追うオジェは、この日のオープニングステージでは「慎重になりすぎた」と認めたが、変化するコンディションとタイヤマネジメントを完璧に活用しました。
Sébastien Ogier
首位に立ったことについては喜ぶべきですが、全体としては満足できない一日でした。朝のコンディションは簡単ではなく、残念ながら最初のステージでは適切なリズムを掴むことができず、慎重になり過ぎて多くのタイムを失ってしまいました。フラストレーションの溜まるスタートでしたが、その後はうまく対応し良いリズムを見つけることができました。エルフィンは午前のコンディションでは非常に速かったですが、午後には逆転することができました。明日もまた非常に厳しい戦いが続くと思います。優勝争いはまだ完全にオープンな状態ですし、多くのボーナスポイントを獲得することもできるので、トライしなくてはなりません。全てのステージが重要となるため、最初のステージからしっかりと目を覚まし、集中して取り組む必要があります。
エヴァンスは、雨のコンディションの中で午前中のループを好調に走り、昼のサービス時にはトップに立っていましたが、路面が乾き始めた午後、トヨタ GR ヤリス ラリー1 のパートナーであるオジェがリズムをつかむにつれて、エヴァンスはますますプレッシャーにさらされるようになってはしまいました。ウェールズ出身のエヴァンスは、この日の最終ステージだけで 5.3 秒の遅れをとったものの、日曜日の 4 ステージからなるフィナーレに向けて、依然として堅調に争いを続けています。
アドリアン・フルモーはこの日を首位でスタートしましたが、首位オジェに26.8秒差の総合3位となりました。フルモーはトラクション不足に苦しみ、自身のヒュンダイi20 N Rally1が「このコンディションでは何かが足りない」とコメント。同じマシンに乗るティエリー・ヌービルは14.9秒遅れの4位。
サミ・パヤリは5位をキープ。一方、チャンピオン争いのカッレ・ロバンペラは6位に沈み、首位から1分20秒以上遅れ。前回チリ大会優勝者は、先頭走行の負担が清掃区間で重くのしかかり、厳しい午後に耐えることになりました。
勝田貴元はグレゴワール・ミュンスターを追う際にスピンしたものの、7位まで順位を回復。ミュンスターはパンクにより最終ステージを摩耗したタイヤで完走せざるを得ず、8位に後退。
オリバー・ソルベルグはWRC2タイトル獲得にまた一歩近づいています。トップ10入りを果たしたニコライ・グリヤジンに対し、リードを30.2秒に拡大。
競技最終日となる9月14日(日)のデイ3は、デイ2と同じくサービスパークの南側、ビオビオ川と太平洋に挟まれたエリアが舞台に。「ララケテ」と、デイ2のステージと一部が重なる「ビオビオ」の2本のステージを、サービスでの整備作業を受けることなく各2回走行します。そのうち、SS14の再走となる全長8.78kmの最終ステージSS16「ビオビオ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は54.80kmと3日間で最短。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は292.43kmとなります。
End of day two (Saturday):
1 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1) 2h23m13.9s
2 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) +6.3s
3 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) +26.8s
4 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +41.7s
5 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +50.4s
6 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) +1m23.2s
7 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +1m54.3s
8 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1) +2m00.4s
9 Oliver Solberg/Elliott Edmondson (Toyota GR Yaris Rally2) +6m12.7s
10 Nikolay Gryazin/Konstantin Aleksandrov (Škoda Fabia RS Rally2) +6m42.9s





