
前日、愛知県豊田市鞍ケ池公園でのスーパーSSでスタートしたラリージャパンは、7日(金)の朝から山岳地帯での本格的な戦いがスタート。デイ2として愛知県内で「イナブ/シタラ」、「シンシロ」、「イセガミズ・トンネル」という3本のステージを各2回走行し、その合計距離は108.30kmでした。デイ2は朝から青空が広がり、路面は全体的にはドライコンディション。しかし、森の中のセクションでは路面がかなり湿っている場所もありました。
8度の世界チャンピオンであるセバスチャン・オジェは、この日の6ステージのうち3ステージでステージ優勝を獲得、この日の最初のステージで首位に立つと、SS3で一時的に母国開催となる勝田貴元に抜かれた以外は、トヨタの本拠地ラウンドで小さながらも重要なリードを築き、勝田貴元に7.9秒の差をつけて豊田市サービスパークに到着しました。一方、チャンピオンシップリーダーのエルフィン・エヴァンスは、日暮れ間際の最終ステージである新城ステージでステージ優勝。勝田貴元に2.3秒差の3位でGRヤリスによる表彰台独占を完成させました。
母国イベントとなる勝田貴元は終始地元ファンを沸かせ、常にステージ上位3位以内を記録し、新城市ステージの初走行ではステージ優勝も果たしています。
一方、エバンスは、マシンのフィーリングが良くないと評していたにもかかわらず、終日、僅差で追撃を続ける事に成功。エバンスは 3 位に入り、チャンピオンシップ争いでは、週末のスタート時点でオジェとカッレ・ロバンペラに 13 ポイントの差をつけて、好位置をキープしています。
Sébastien Ogier
今夜の結果には満足していますし、我々にとって良い一日でした。午前中はまずまずのリズムを保つことができていましたが、上位のドライバー間で差はほとんどありませんでした。午後は再走ステージに向けてペースノートとグリップコンディションへの確信が深まり、さらにプッシュすることができました。それほど大きなタイム差ではありませんが、この順位にいる方が常に有利なので、この小さな差を築けたのは良かったです。まだ長い道のりが残っていますが、ここまでのところ、望んでいたようなラリーのスタートを切ることができました。
Takamoto Katsuta
金曜日が終わった時点で総合2位につけているのは良いことです。ただし、フィーリング的には少し波があり、いくつかのステージではクルマにかなり満足できていましたが、いくつかの理由により苦戦したステージもあったので、今夜チームとその原因を見つけるつもりです。また、イセガミズ・トンネルの2回目の走行では、トリッキーな区間であまりリスクを取らなかったのですが、セブはそこで良いタイムを出しました。とはいえ週末はまだ長いので、できる限りプッシュし続け、明日何ができるか様子を見たいと思います。
Elfyn Evans
今朝はまずまずのスタートでした。予想通りコンディションは変わりやすく、接戦状態が続きましたがフィーリングは良好でした。しかし午後のループは、特にオープニングステージで、いくつかのセクションで少しタイムを失ってしまったようで、私たちにとってはあまり良い午後ではありませんでした。それ以外は、それほど大きく遅れをとっていませんでしたが、今夜の結果は完全に満足できるものではありません。とはいえラリーはまだまだ先が長いので、あらゆることを試し続けます。
ロバンペラは、SS2で5番手タイムとなり総合5位に後退。挽回を期して続くSS3に臨みましたが、コーナーで走行ラインがワイドに脹らみガードレールに接触。左リヤサスペンションにダメージを負ってしまいました。ロバンペラは何とかステージを走り切った後、リエゾン区間で応急処置を行い続くSS3も走行。その後ミッドデイサービスにクルマを運びましたが、その時点で5分以上の大きな遅れを喫してしまいました。午後はサービスで修理されたクルマで走行するも、タイトルを競うひとりである首位オジエとのタイム差はさらに広がり、総合17位で一日を終えました。
アドリアン・フルモーはパフォーマンスを発揮し、最終ステージでサミ・パヤリを逆転してこの日を総合4位で終えました。パヤリとの差はわずか0.3秒です。
オット・タナックとティエリー・ヌービルは、日本の狭いアスファルト路にi20 Nを適応させる事が難しい一日を経て、それぞれ6位と7位につけています。
Rally2クラストップは、GR Yaris Rally2で出場の、2025年WRC2王者オリバー・ソルベルグ(スウェーデン/プリントスポーツ)
ジョシュ・マッカーリーンは、SS3でM-Sportフォード・プーマを激しくクラッシュさせ、トップカテゴリー初の脱落者となってしまいました。アイルランド人ドライバーとコ・ドライバーはともに無傷だったが、マシンの損傷によりチームは再スタートせずラリーからの撤退を決断しています。
競技3日目となる8日(土)のデイ3は、愛知県と岐阜県が戦いの舞台に。午前中は、今年新たに豊田市の小原エリアに設けられたSS8「オバラ1」(愛知県)、SS9「エナ1」(岐阜県)、昨年初めて笠置山の周辺に設けられたSS10「マウント・カサギ1」(岐阜県)の3ステージを走ります。その後、岐阜県中津川市の恵那峡ワンダーランドでのTFZ(タイヤフィッティングゾーン)で、簡易的なサービスが行われます。午後はSS11「マウント・カサギ2」、SS12「エナ2」、SS13「オバラ2」という順で3本のステージを再走します。さらに、昨年まで行われていた豊田スタジアム内でのスーパーSSに替わり、新たに豊田スタジアムのすぐ横を流れる矢作川の周辺に設けられた、全長3.05kmのSS14「トヨタ・シティSSS」を走行。一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが行われます。7本のステージの合計距離は121.91kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は319.92kmとなります。
1 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1) 1h11m48.2s
2 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +7.9s
3 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) +10.2s
4 Adrien Fourmaux/Alexandre Coria (Hyundai i20 N Rally1) +24.0s
5 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +24.3s
6 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1) +1m12.3s
7 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +1m33.5s
8 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1) +2m35.9s
9 Oliver Solberg/Elliott Edmondson (Toyota GR Yaris Rally2) +3m22.3s
10 Alejandro Cachón/Borja Rozada (Toyota GR Yaris Rally2) +3m45.5s





