ラリージャパンの最終日は愛知県の豊田市と岡崎市で「ヌカタ」、「レイク・ミカワコ」の2本のステージを各2回走行。その途中には豊田スタジアムでの3回目のスーパーSS、「トヨタスタジアムSSS3」が行われ、5本のステージの合計距離は70.57kmでした。ラリーは最終日も素晴らしい天気に恵まれ、ステージの路面は一部区間を除いて全般的にドライコンディションに。競技最終日、そして2024年シーズンを締めくくるのに相応しい一日になりました。
土曜日のデイ3終了時点で、首位オィット・タナック(ヒョンデ)でしたが、この日一本目のSS17でタナックがコースオフを喫しリタイアとなったことで、ラリー終了を待つことなくティエリー・ヌービル(ヒョンデ)の初ドライバーズタイトル獲得が決まりました。
金曜日にターボチャージャーの故障で15位に後退、そこから挽回し総合6位でフィニッシュしたヌービルにとって、終盤のドラマはジェットコースターのような1週間を締めくくるものでした。 彼の歴史的な勝利は、彼らの母国ベルギーにとっても、そして10年間WRCに参戦してきたヒュンダイ・モータースポーツ・チームにとっても初めてのことです。
Thierry Neuville
2024年のFIA WRCドライバーズチャンピオンとしてここに立っていることは夢のようだ。 まずは11年間一緒に戦ったチームに感謝しなければならない: 君たちなしでは成し遂げられなかった。 私たちは何度も準優勝してきましたが、私たちの時代が来るという希望を決して捨てませんでした。 また、マルティンにも祝福と感謝を捧げたい。4シーズンにわたり一緒に戦ってきて、コックピットでの強いパートナーシップを築くことができた。 私たちにとって、これが最初の試合になることを願っている。 ヒュンダイ・モータースポーツにとって初めてのドライバーズタイトルを獲得できてとても光栄だ
Martijn Wydaeghe
今はいろいろな感情が渦巻いていて、自分たちが何をしたのかよくわかっていない。 この週末、私たちの一番の強みは精神的な回復力であることを示した。 金曜日に後退したにもかかわらず、自分たちとチームを信じ続けた。 彼らは僕らのために再びマシンを仕上げてくれたので、今日はペースを上げることができた。 シーズンを通して、私たちは自分たちなりの戦略を立ててきた。それが実を結び、決してあきらめず、強い日曜日に集中することができた。 サービスパークでもアルゼナウでも、ヒュンダイ・モータースポーツのみんなに感謝している
そしてもう一つ、混迷を極めるマニファクチャラータイトルの行方。
タナックのリタイアによりエバンスが首位に立ち、前日総合3位のオジエが総合2位に順位を上げました。トヨタはデイ3終了時点でマニュファクチャラー選手権首位のヒョンデとの差を15から11ポイントに縮めていましたが、タナックのリタイアもあり選手権争いはさらに混迷。日曜日のみの合計タイムで競われる「スーパーサンデー」ではヒョンデが1-2、TGR-WRTが3-4体制で、同ポイントで最終の「パワーステージ」に臨むことになりました。
そして今シーズン最後のパワーステージではエバンスが3番手タイムを、オジエがベストタイムをマークしたことにより合計8ポイントを獲得することに。対するヒョンデ勢はヌービルが2番手タイム、アンドレアス・ミケルセンが5番手タイムだったことで合計5ポイントを加算。その結果、TGR-WRTが3ポイント差で選手権首位に立ち、逆転でタイトルを獲得しました。TGR-WRTとしてはこれで4回目、トヨタとしては通算8回目のマニュファクチャラーズタイトルとなり、WRC歴代2位の記録でシトロエンと並び、1983年にランチアが2ポイント差で王座を獲得して以来の僅差でのタイトル獲得となりました。
Akio Toyoda
「私たちは“負け嫌い”」
この合言葉を口にしながら諦めずに最後まで戦い続けたTOYOTA GAZOO Racing WRTのみんなと、今日は心から喜び合いたいと思います。
ヤリ-マティ、カイ、トム、
エルフィン、スコット、
セブ、ヴァンサン、
貴元、アーロン、
カッレ、ヨンネ、
チームのみんなありがとう!
サミとエンニもおめでとう!
ヒョンデの皆さま、ヌービル選手、ヴィーデガ選手、タイトル獲得おめでとうございます。最終戦、最終日、最終ステージまで皆さんと戦えた2024年のWRCは本当にエキサイティングでした。我々がつくるラリー車の音や匂いを、東アジアの道でファンの皆さまに見てもらえることは、アジアの自動車メーカーの我々にとって大きな意味があることだと思っています。これからも一緒にアジアのモータースポーツを盛り上げていきましょう!来年もいい勝負しましょう!
Jari-Matti Latvala
ジェットコースターのようなシーズンでしたが、ラリージャパンに臨むにあたっては、タイトル獲得のチャンスがまだあることは理解していましたが、可能性はそれほど高くありませんでした。それでも、我々は最後の最後まで戦い続け、その上でどうなるのか様子を見るつもりでしたが、実際に最後まで戦いを続け、それがタイトル獲得につながりました。今シーズンの後半には、ラリーの最終盤でポイントを失うという悲惨な日曜日が3回ほどありました。一時は望みが断たれたようにも思われましたが、我々は反撃を続け、重要な意味を持つ日曜日を迎えることができました。これは、最後まで戦い続けること、決して希望を失わないことの大切さを示すものです。
タナクのリタイアにより優勝を受け継いだエヴァンスは、競争の激しいシーズンにおいて6人目の異なるラリー勝者となり、ダブルの祝福を楽しんだ。 この勝利でウェールズ出身のエヴァンスはドライバーズ選手権でも2位を獲得。
オジェはチームメイトに1分27秒3差でゴールし、トヨタの1-2フィニッシュを飾った。 8度のチャンピオンに輝いたオジェは、金曜日にホイール交換のトラブルで優勝争いから脱落したが、そのリカバリードライブでトヨタのタイトル争いに欠かせないポイントを獲得した。
アドリアン・フルモーは、Mスポーツ・フォード・プーマ・ラリーHYBRIDで表彰台を獲得し、飛躍的なシーズンを締めくくった。 このフランス人ドライバーは、安定した走りで2024年に5回の表彰台を獲得し、ドライバーズ選手権でも5位となった。
ホームイベントの勝田貴元はフルモーと7.1秒差の4位、グレゴワール・ミュンスターが5位。
WRC2では、ニコライ・グリャジンが圧倒的な強さでカテゴリー優勝を果たし、総合7位という素晴らしい成績を収めたが、サミ・パヤリのチャンピオンを否定するには至らなかった。 日本GPで2位に入ったパヤリは、WRC2とWRC2チャレンジャーの両タイトルを獲得し、パヤリとコ・ドライバーのエンニ・マルコーネンにとって素晴らしい1年となった。
Final Overall Classification – Rally Japan
1 | E. Evans | S. Martin | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | 3:23:41.0 |
2 | S. Ogier | V. Landais | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +1:27.3 |
3 | A. Fourmaux | A. Coria | Ford Puma Rally1 Hybrid | +1:55.5 |
4 | T. Katsuta | A. Johnston | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +2:02.6 |
5 | G. Munster | L. Louka | Ford Puma Rally1 Hybrid | +3:11.5 |
6 | T. Neuville | M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +6:54.1 |
7 | N. Gryazin | K. Aleksandrov | Citroën C3 | +10:04.3 |
8 | S. Pajari | E. Mälkönen | Toyota GR Yaris | +11:50.8 |
9 | H. Arai | S. Matsuo | Škoda Fabia | +13:24.3 |
10 | G. Greensmith | J. Andersson | Škoda Fabia RS | +14:15.8 |
Super Sunday Classification – Rally Japan
1 | T. Neuville | 43:03.4 |
2 | A. Mikkelsen | +4.2 |
3 | S. Ogier | +6.0 |
4 | E. Evans | +11.6 |
5 | A. Fourmaux | +26.0 |
6 | T. Katsuta | +27.0 |
7 | G. Munster | +54.0 |
2024 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings
After round 13
1 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team | 561 |
2 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 558 |
3 | M-Sport Ford World Rally Team | 295 |
2024 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings
After round 13
1 | T. Neuville | 242 |
2 | E. Evans | 210 |
3 | O. Tänak | 200 |
4 | S. Ogier | 191 |
5 | A. Fourmaux | 162 |
6 | T. Katsuta | 116 |
7 | K. Rovanperä | 114 |
8 | G. Munster | 46 |
9 | D. Sordo | 44 |
10 | S. Pajari | 44 |