2021年に初めてWRCとして開催されたクロアチア・ラリーは、今年もシリーズの第4戦として行われます。開幕戦ラリー・モンテカルロでは降雪路を走行する機会もあり、雪道用の専用タイヤも用意されましたが、クロアチア・ラリーは純粋な舗装路のみを走行する「フルターマックラリー」となります。
ステージはバラエティに富み、ハイスピードな流れるようなコーナーもあれば、曲がりくねったテクニカルなコーナーもあります。このイベントが他のターマックラリーと異なるのは、路面の舗装状態が刻々と変化することであり、クレスト、ジャンプ、ブラインドコーナーなどを正確にナビゲートする必要があるなど、1本のステージの中でもコーナーごとに違ったり、ひとつのコーナーでもイン側とアウト側で異なることもあります。その上、路肩部分の泥や砂利が「インカット走行」により舗装路上に大量に掻き出されるコーナーも多く、またこの時期は雨も多く降ることから、路面のグリップ変化を予想することが非常に難しいラリーとして知られています。
ラリーのサービスパークは、昨年まで置かれていたザグレブ中心部の見本市会場「ザグレブ・フェア」から、郊外の「ウエストゲート・ショッピング・シティ」へと移動。ステージは隣国スロベニアにも近いクロアチアの北部に広がります。
ラリーは18日(木)にシェイクダウンとザグレブでのセレモニアルスタートが行われ、競技は19日(金)からスタート。デイ1として、ザグレブの南西に位置する、アドリア海に臨む都市「リエカー」を目指しながら4本のステージを走行します。この日はミッドデイサービスの設定がないため、タイヤ交換と簡便な整備作業のみ可能な「タイヤフィッティングゾーン」を経て午後は4本のステージを、ザグレブを目指しながら午前中と逆の順序で再走。8本のステージの合計距離は119.74kmと、3日間で最長となります。
20日(土)のデイ2はザグレブの西側および南側で、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。
最終日となる21日(日)のデイ3は、ザグレブの北側で2本のステージを各2回走行します。そのうち、SS18の再走ステージとなる最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。
ステージは全20本でその合計距離は283.28km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1429.34kmが予定されています。
クロアチア・ラリーは、ヒョンデチームのドライバーであり、友人でもあったクレイグ・ブリーンが、2023年大会のテスト中に命を落としてから1年。 今年、ヒョンデチームは彼に敬意を表し、ヒュンダイi20 Nラリー1ハイブリッドのルーフとバンパーにアイルランドの国旗をあしらうとともに、彼の名を冠した品をオークションに出品し、その収益のすべてをクレイグ・ブリーン財団に寄付する計画です。 オークションは4月16日09:00(CEST)から4月23日21:00(CEST)まで開催され、以下のリンクからアクセスできます。https://app.galabid.com/cbf24/items