クロアチア・ラリーの最終日は、サービスパークを起点に、ザグレブの北側エリアで2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は54.78kmでした。日曜日は朝から爽やかな青空が広がり、路面コンディションはドライ。降雨の可能性はほぼなく、ラリー1はいずれもスペアタイヤとしてウェットタイヤを搭載することなく早朝サービスパークを出発しました。ただし、一日を通して履き続けることになるドライタイヤに関してはチョイスが分かれ、ハードタイヤとソフトタイヤの装着比率はドライバーごとに異なりました。
前日のデイ2終了時点で、首位ヌービルと総合2位エバンスの差は4.9秒。総合3位のオジエはヌービルと11.6秒差につけていました。朝7時過ぎから始まったオープニングのSS17では、前日総合6位の勝田がこの大会初のベストタイムを記録。3番手タイムのエバンスは、首位ヌービルとのタイム差を2.6秒に縮めました。
続くSS18では多くのドラマが起こり、エバンスがスピンを喫しタイムロス。首位ヌービルもコースオフにより多くのタイムを失いました。
その結果、このステージで3番手タイムだったオジエが二人を抜かし、一気に首位に浮上。9.1秒差で総合2位エバンス、10.2秒差で総合3位ヌービルと、順位が大きく入れ替わりました。
また、総合5位につけていたアドリアン・フォルモーはコーナーのインカットを防ぐために設置された装置と接触、足まわりにダメージを負いステージ上でストップを余儀なくされましたが、幸運なことにこの問題を解決するためのパーツを多数搭載していたため修復に成功。しかしながらこのステージ2番手タイムを刻んだ勝田が総合5位に順位を上げました。
SS17の再走ステージであるSS19では、勝田が再びベストタイムを記録。エバンスが2番手タイム、オジエが4番手タイムでふたりの差は6.4秒と、僅かに縮まりました。
そして迎えた最終のパワーステージで、オジエは3番手タイムを記録。5番手タイムだったエバンスとの差を9.7秒に拡げ、昨年の第7戦サファリ・ラリー・ケニア以来となる優勝を飾りました。オジエにとってはWRC通算59勝目、そして100回目のポディウムフィニッシとなりました。また、トヨタチームはクロアチア・ラリー4連覇を達成しています。
Sébastien Ogier
優勝することができて、とても嬉しく思います。自分たちの出走順を考えればタフな週末になることは分かっていましたが、それでも全力で攻め続けましたし、決して諦めず、できる限りプレッシャーをかけようとしていました。1回のラリーでこれほど限界に挑み、危ない瞬間を経験したのは初めてです。しかし、重要なのは無事に走り切り、勝利を手にすることができたことです。100回目の表彰台獲得というのはいい数字ですし、優勝でそれを達成できたのは素晴らしいことです。このようなクルマをドライブするたびに楽しみを感じていますし、まだ自分たちに速さがあることを確認できて嬉しかったです。それほど多くポイント差をつけることはできませんでしたが、チームとしては本当に良かったと思います。チームとして素晴らしいパフォーマンスを発揮できたので、この調子でプッシュし続けたいと思います。
WRC次戦は、5月9日から12日にかけて、ポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される第5戦「ラリー・ポルトガル」です。ポルトガルは今季ヨーロッパでの初グラベル(未舗装路)ラリーとなり、出走順がタイムに少なからず影響を及ぼすイベントです。また、ステージを1回目に走行する際、路面は砂利や砂に覆われていますが、2回目の走行では砂が掃けて下から硬い岩盤や石が現れるなど、路面のコンディションが1回目と2回目で大きく変化するのが特徴です。
Final Overall Classification – Croatia Rally
1 | S. Ogier | V. Landais | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | 2:40:23.6 |
2 | E. Evans | S. Martin | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +9.7 |
3 | T. Neuville | M. Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +45.8 |
4 | O. Tänak | M. Järveoja | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +58.6 |
5 | T. Katsuta | A. Johnston | Toyota GR Yaris Rally1 Hybrid | +1:55.5 |
6 | A. Mikkelsen | T. Eriksen | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid | +4:01.0 |
7 | G. Munster | L. Louka | Ford Puma Rally1 Hybrid | +5:11.0 |
8 | N. Gryazin | K. Aleksandrov | Citroën C3 | +9:21.3 |
9 | Y. Rossel | A. Dunand | Citroën C3 | +9:59.5 |
10 | S. Pajari | E. Mälkönen | Toyota GR Yaris | +10:22.7 |
2024 FIA World Rally Championship for Manufacturers’ Standings
After round 4
1 | Toyota Gazoo Racing World Rally Team | 176 |
2 | Hyundai Shell Mobis World Rally Team | 169 |
3 | M-Sport Ford World Rally Team | 96 |
2024 FIA World Rally Championship for Drivers’ Standings
After round 4
1 | T. Neuville | 86 |
2 | E. Evans | 80 |
3 | A. Fourmaux | 59 |
4 | O. Tänak | 53 |
5 | S. Ogier | 45 |
6 | T. Katsuta | 45 |
7 | K. Rovanpera | 31 |
8 | E. Lappi | 23 |
9 | A. Mikkelsen | 14 |
10 | O. Solberg | 12 |