今シーズンのWRCはあと2戦となり、セントラル・ヨーロピアン・ラリー、最終戦ラリージャパンの2戦はいずれもターマックラリーとなります。今シーズンのターマックイベントは4月の第4戦クロアチア・ラリー以来となり、選手たちは久々に完全に舗装された路面でタイムを競うことになります。
セントラル・ヨーロピアン・ラリーは昨年初めてWRCとして開催され、ドイツ、チェコ、オーストリアの三ヶ国を舞台とする斬新な試みのラリーとして、大きな注目を集めました。ステージは全てターマックとなりますが、国ごと、地域ごとに道や路面のキャラクターは大きく異なります。それに加え、この時期のヨーロッパは天気がとても変わりやすく、雨や泥、そして落ち葉などによって路面は所々非常に滑りやすくなるのも特徴のひとつです。
ラリーの中心となるサービスパークはドイツ南東部、バイエルン州のカルプフハムに置かれ、セレモニアルスタートは2023年大会と同じくチェコの首都プラハの中心部で行われます。
昨年、シェイクダウンはドイツで実施されましたが、今年は17日(木)の午前中にチェコで行われ、その後セレモニアルスタートを経て、同日の午後3時からプラハ郊外の競馬場「ヴェルカー・チュクレ」で行われるスーパーSSで競技が始まります。さらに、夕方にはSS2として「クラトヴィー」で11.78kmのステージが行われます。
18日(金)のデイ2は、やはりチェコの道が舞台に。クラトヴィーのステージをSS3、SS6としてさらに2回走行し、その他にも2本のステージを各2回走行。チェコの道は全体的に道幅が狭く、ハイスピードで、起伏も多くあるのが特徴です。デイ2には朝と日中に2回のリモートサービスが設定され、一日の終わりにはドイツに戻り、カルプフハムのサービスパークで45分間のフルサービスが予定されています。
競技3日目となる19日(土)のデイ3は、ドイツとオーストリアのステージを走行。3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走り、6本のステージの合計距離は123.46kmと4日間で最長の一日となります。また、SS10/13の「ビヨンド・ボーダーズ」は、ステージ名が示すようにドイツをスタートして、オーストリアでフィニッシュするという国境を越えるステージです。
ラリー最終日の20日(日)は、デイ4としてドイツで2本のステージを各2回走行。そのうちSS16の再走ステージである最終のSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。
18本のステージの合計距離は302.51km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1584.44kmが予定されています。
ドライバー&コドライバータイトルに近づいているヌービル/ウィダゲ組は、オーストリアのハーブスト・ラリーに参加し、久しぶりのターマックラリーに向けてリズムを取り戻し、マシンのセットアップを確認した上で、安定した走りに集中するとしています。
ヒョンデは、ヌービル、タナクに加えて今シーズン4度目となるミケルセンをラインナップ。ミケルセンは1年前のヨーロッパラリーでWRC2タイトルを獲得しています。
トヨタは、エバンス、オジェ、勝田貴元をラインナップ。M-SPORTは、フルモーとミュンスター、セルデリディス。
Recent winners
2023 | Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe | Hyundai i20 N Rally1 Hybrid C |