チリのグラベルでロッセル圧倒。ビルベスは2位で選手権リード拡大、WRC2タイトル争いは最終局面へ

Lancia Corse HFのヨハン・ロッセル/アルノー・デュナン組が、WRC2クラスを圧倒的な強さで制し、総合8位という堂々の結果を残しました。シーズン初のグラベル勝利を果たしたLancia Ypsilon Rally2 HF Integraleのパフォーマンスは、チームにとって大きな収穫となりました。

一方で、Škoda勢も着実に結果を残しています。ロバート・ビルベス/ヤッコ・ビーロ組が2位でフィニッシュし、WRC2ドライバーズ選手権でのリードを拡大。さらにWRC2チャレンジャークラスのタイトルを事実上手中に収めました。天候の変化が激しいチリのグラベルを舞台に、ドラマチックな展開が繰り広げられた週末を振り返ります。

その日のドラマとハイライト

チリは南米の冬から春へと季節が移り変わる時期。金曜日のレグでは、朝の雨でぬかるんだ路面から午後には乾いたアブレーシブなグラベルへと急激にコンディションが変化しました。この難しい路面状況が、WRC2勢の戦いをより複雑なものにしました。

ヨハン・ロッセルは開幕から圧倒的なペースを披露。全16ステージ中9本でベストタイムを記録し、終始首位を独走。チームメイトのニコライ・グリャージン/コンスタンチン・アレクサンドロフ組がSS7でロールオーバーによりリタイアするアクシデントがありましたが、ロッセルは安定した走りで勝利を確実なものにしました。この勝利はLancia Ypsilon Rally2 HF Integraleにとって今季初のグラベル勝利であり、すでにパラグアイで獲得したWRC2チームズタイトルをさらに盤石にするポイント獲得にもつながりました。ロッセルは総合でも8位に入り、Rally1勢を相手にトップ5圏内に食い込む活躍を見せています。

一方、WRC2ドライバーズ選手権をリードするロバート・ビルベスは、今大会で苦戦を強いられました。「何かがうまくいかない。スピードを乗せるチャンスがない」と初日にコメントしたビルベスは、感触をつかめないまま慎重な走りを選択。「周りとは目標が違う。ポイントを稼ぐ必要がある」と語り、リスクを避けて2位を死守しました。最終的に53秒差でロッセルに次ぐ2位となり、選手権リードを拡大。さらにWRC2チャレンジャークラスのタイトルを確定させる結果となりました(FIAの正式確認待ち)。

テイラー・ギル/ダニエル・ブルキッチ組(Toksport WRT)は、ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンデション組と激しい争いを繰り広げていましたが、2日目終盤のステージでタイヤのデラミネーションが発生し、4位に後退。それでも「オーストラリアのステージに似ている」と語っていたギルは、わずか2戦目ながら上位に食い込む健闘を見せました。

地元チリのホルヘ・マルティネス・フォンテナ/ルベン・ガルシア組は5位でフィニッシュ。ホームでの好結果を残しています。また、ミゲル・グラナドス組はWRCマスターズカップで今季3勝目を挙げました。

グリャージンのリタイアにより、彼のWRC2ドライバーズ選手権挑戦はここで終了。ロッセルの勝利とビルベスの安定したポイント獲得で、選手権争いは最終局面へ突入しました。次戦イタリア・サルディニアでは、ビルベスがタイトル獲得に近づく可能性が高まっています。

なお、パラグアイでWRC2チームズタイトルをすでに確定させたLancia Corse HFは、母国イタリアでのRally Italia Sardegnaへの参戦をスキップすることを発表しています。エントリーリストにも同チームの名前は見られません。スポーツ戦略上の判断とみられますが、母国ラウンドを欠場することは、タイトル獲得を地元ファンとともに祝う機会を逃す形となり、惜しまれる選択とも言えます。一方で、セカンドチームは参戦する予定です。

1位 ヨハン・ロッセル/アルノー・デュナン(Lancia Ypsilon Rally2 HF Integrale)

9本のステージベストを記録する圧倒的な速さで初グラベル勝利。総合8位という結果も残し、チームのシーズンを締めくくる重要な一勝となりました。

2位 ロバート・ビルベス/ヤッコ・ビーロ(Škoda Fabia RS Rally2)

感触をつかめず苦戦しながらも慎重に走り切り、選手権リードを拡大。チャレンジャータイトルも獲得。「ポイントを稼ぐ」ことを優先した賢い走りが実を結びました。

3位 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンデション(Toyota GR Yaris Rally2)

ギル組との接戦を制し、表彰台を確保。安定したペースで上位をキープしました。

4位 テイラー・ギル/ダニエル・ブルキッチ(Škoda Fabia RS Rally2)

オーストラリアのホームステージに似た路面で好感触をつかむも、タイヤトラブルで4位に。2戦目ながら上位フィニッシュを果たしています。

5位 ホルヘ・マルティネス・フォンテナ/ルベン・ガルシア(Škoda Fabia RS Rally2)

地元チリでの5位。ホームヒーローとしての存在感を示しました。

6位 ディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペニャーテ(Toyota GR Yaris Rally2)

5位とわずか7秒差の6位。粘り強い走りを見せています。

WRC2 Final Classification – Rally Chile Bio Bío 2026
PosDriver / Co-driverTeam / CarTime / Gap
1Yohan Rossel / Arnaud DunandLancia Ypsilon Rally2 HF Integrale3:06:39.2
2Robert Virves / Jakko ViiloŠkoda Fabia RS Rally2+53.0 s
3Gus Greensmith / Jonas AnderssonToyota GR Yaris Rally2+1:27.2
4Taylor Gill / Daniel BrkicŠkoda Fabia RS Rally2+1:50.2
5Jorge Martínez Fontena / Rubén GarcíaŠkoda Fabia RS Rally2+4:17.1
6Diego Domínguez / Rogelio PeñateToyota GR Yaris Rally2+4:24.2

Source: Official press releases (Stellantis / Škoda Motorsport)

WRC2 Drivers’ Standings (after 12 of 14 rounds)
PosDriverCarPointsRallies
1Robert VirvesŠkoda1176
2Yohan RosselLancia857
3Roope KorhonenToyota796
4Teemu SuninenToyota764
WRC2 Challenger Drivers’ Standings (after 12 of 14 rounds)
PosDriverCarPointsRallies
1Robert VirvesŠkoda1256
2Roope KorhonenToyota946
3Léo RosselLancia815

* Subject to FIA confirmation